出た!濃い合唱曲の怪しいバージョン。今度は最初から最後まで濃いぞ!

J.A.シーザー オリジナル合唱曲集

天使創造すなわち光

 

 

収録曲目

  1. ラスト・エヴォルーション 歌  濃い
  2. 肉体の中の古生代 歌  濃い
  3. 地球は人物陳列室 歌  濃い
  4. ミッシング・リンク 歌  濃い
  5. 何人も語ることなし 歌  濃い
  6. Wの予言 歌  濃い
  7. 架空過去形《禁厭》まじない 歌  濃い
  8. スピラ・ミラビリス劇場 歌  濃い
  9. アドゥレセンス黙示録  濃い
  10. 絶対運命黙示録with万有引力 歌  濃い
  11. 天使創造すなわち光 歌  濃い
  12. 天使創造すなわち光(カラオケ)  濃い

 以上全12曲。今度のアルバムは、頭のてっぺんからしっぽの先まで全部濃いぞ!

 

1.いきなり重々しいイントロが来るので何の曲かと思えば、非常に耳なじみのある曲。全体的に言葉を切り気味に歌っているせいで歌詞が比較的はっきり分かります。この曲が始まった途端に気分は演劇。それにしても終盤のrevolution evolution..のあたりの音程が非常に怪しい。

2.児童合唱版と微妙に節回しが変わっています。児童合唱版はサラッと流していたのが、いちいち畳み掛けるようなテンポできます。「アンモナイト」の後にも音楽が来るのには驚き。しかも滅茶苦茶長い(笑)、もう一回歌が来るのかと思ってしまった。このアルバムの曲は全体的に伴奏がしつこい(笑)です。しかも最後には波の音? なるほど「古生代」のイメージかな。

3.児童合唱版がやたらにテンポが速かっただけに、この曲は全く別の曲に聞えてしまう。児童合唱団の甲高さがなくなった分、ある意味では聞きやすくなったが、逆に曲自体は印象が薄くなった? この曲も例によって伴奏が異常にしつこい。

4.最終回で流れながらも、前のサントラに一曲だけ収録されなかった例の「つながらない私・・」です。このアルバムの目玉。こうして聞くといかにも舞台的な曲。しんみりした悲しい雰囲気の曲です。個人的感想で恐縮ですが、私がこの曲を聞いて思い浮かんだイメージが、なぜか「火垂るの墓」。あれを舞台化すれば、このような悲しげな曲が一曲必要でしょう。

 (以下、私の与太話です。) 「火垂るの墓」を私がこの曲を使って演出するとしたら・・。

 主人公の少年が一人で駅にたたずんでいる。ステージが真っ暗になって主人公の少年がゆっくりと立ち上がる(少年にスポットライト、合唱スタート)。少年、ゆっくりとステージの上を歩く。ステージ上、少年の反対側に母の姿が現れる(スポットライト)。少年立ち止まる。お互い視線を合わせる(ただしセリフはなし)。母の姿、突然消える。少年ゆっくりと歩き出し、ステージの反対側に至る。突然今度は父の姿が反対側に現れる(スポットライト)。同じく言葉もなく視線を合わせる二人。そして父の姿が突然消える。少年、またステージの反対側に歩く。今度は妹の姿が現れる(スポットライト)。妹、セリフ一言「お兄ちゃん」。そして突然姿消える。少年、ゆっくりとステージの中央に歩いていく、わずかに上を見上げる(ここで音楽終了)。突然照明が落ち、ステージ上真っ暗になる。しばらくの後、ゆっくりとステージ上が明るくなる。ステージ中央に横たわる少年の姿(もう死んでいる)。何事もないかのように行き交う人々。

 なんてイメージをこの曲で浮かべてしまいました。全くの与太話ですから、気にしないでください。

5.イントロが妙に力強いです。伴奏も打楽器が滅多矢鱈に入ってやかましい(笑)。全体的に朗々とした曲になっています。「光って生まれ、光って消える」と言ってるが、これだけ力強いと消えなさそうなんですが・・・。

6.タイトルを見たら「?」と思うが、何てことない「when where who which」です。それにしても合唱の音程が滅茶苦茶危なっかしい

7.例のタイムマシンの曲。児童合唱版が「ターイムマシン!」だったのに対して、万有引力版は「ターイムマシーン」。歌詞の語尾が全体的に同じように伸びるので、メリハリはやや弱くなってる。しかし多分こちらの方が歌いやすい。

8.歌よりも、シンセサイザー(だと思う)の「ピロピロピロピロ」の方が耳についてしまう。伴奏が頑張りすぎ? ちなみに最後の「死 再生 死 再生」は私なら意表を突いて思いっきり遅いテンポにしてやるところですが。なおこの曲も伴奏が長い。

9.カラオケをのぞくと合唱が入ってないのはこの曲だけ。やっぱり演劇のBGMにぴったりの曲。この曲をバックにして決闘シーンなんて合いそう。だけど正直な印象を言うと、単独の器楽曲と言うよりは、合唱のイントロが延々と最後まで続いたという印象の曲(どういう意味だ?)。実際、今まで出て来た合唱曲の影がチラホラしている。

10.絶対運命黙示録with万有引力。なんだサントラ2巻と変わらんじゃないか・・と思ってたらひどい目に会う。何と言っても、最後の「もくし くしも しもく くもし もしく しくも」が滅茶苦茶長い(当社比200%増量)。おかげで初めて聞いた時は、CDに傷があって無限ループに入っちゃったのかと思ったぐらい。「今日はいつもより多めに回しております」ってやつ。

11.かなり音程の高い曲ですから、合唱が死にそう(笑)。歌い終わってホッとしてるんじゃないだろうか・・。

12.ウテナCDシリーズ恒例のボーナストラックです。さあ皆さん歌いましょう。ただし気張りすぎてノドこわさしたり、酸欠おこしてぶっ倒れないように・・。

 

 今回のアルバムの基本構成は、サントラ1巻、2巻に収録されていた合唱曲(杉並児童合唱団が歌っていた)をアレンジを変えて、万有引力の合唱で再収録している。全体の傾向として、杉並少年合唱団版よりも各曲ともテンポがゆっくりして伴奏が長めになっている。そのため一曲一曲がかなり長い(決して、収録曲数が減ったからその分を引き伸ばしたということではない・・と思う(笑))。

 なおコーラスが万有引力に変わったのとテンポを落したのとで、合唱の線がかなり太くなって朗々とした感じの合唱になっている。また杉並児童合唱団よりも歌が下手(笑)で音程がかなり怪しかったり、コーラスが分解しかかってたりするが、そのことによってかえって演劇舞台的印象が強まっている。全体としてのアルバムの印象は、やはりサントラ3巻に近い(つまり極めて怪しい)。

 なお今回のアルバムに収録された以外にも、杉並児童合唱団が歌った合唱曲はある。これは次のアルバムのため? 

 

 

 

ウテナ音楽館のトップページに戻る