投稿時間:22/01/29(Sat) 14:18 投稿者名:堀
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タイトル:森田療法著書治癒の例@
堀氏いわく(吃音恐怖)19才 ある日、先生の大学の講義をお供して聴きに行くので、先生から自動車を呼んでくるようにといいつけられた。しかし、自分には、愛宕山と言う事ができない。 それで、水谷さんに頼んで、呼んでもらった。そのとき、先生から、思いがけなく「自分で呼びに行く事ができない者が、講義を聴いてもしかたがない」 といって叱られて、大学に行く事をやめさせられた。私はそのとき、ビックリしてしまって、二階へ上がって泣いてしまった。 その前にも、先生の御飯を下手に炊いて、奥様から叱られた事があり、奥様からもだめと思われ、先生からも見離されては、もはや自分は絶体絶命となった。 それで自分は、その前から、指の治療のために、東京病院へ行っていたので、しかたなしに、思いきって『どもるなら、どもれ」という決心で、一人で東京病院に行きました。 そうすると不思議、車掌に目的地が平気でいえたではありませんか。またその帰りに、白山という事も、スラスラといえるようになったではありませんか。 それからまた、読書恐怖も治りました。今までの何倍も、能率があがるようになった。今では、ラジオや蓄音機や、ほかの雑音を聴きながら、読書の方に、心がひつけられるようになりました。
私は吃音恐怖で苦しみましたが、入院中、あるとき先生から叱り飛ばされて「先生に見離されては、取りつく島はない」と絶体絶命になり、その日から急に治るようになりました。
森田博士曰く 早川君は、「どうもしかたがない」と思い、あっさりとそれきり治り、堀君は、絶体絶命の所まで押しつめて、初めて治る時節が到来した。
吃音恐怖はどうして治るかといえば、自分は吃るものであると決める事です。色の黒いものは黒いもの、知恵の回りの悪いものは悪いものと決める。 赤面恐怖は、自分は小胆なもの、書痙は、自分は手の震えるものと決める事で治る。決して虚偽のからいばりをしないという事が最も大切です。
どもり恐怖は、実際にそれほどどもるのではなく、ただどもりはしないかと予期恐怖して、そのた めに言葉が思うように出なくなるのであります。 この場合、「自分はどもるもの」と覚悟することができるようになれば治るのであります。一般精神療法家が考えるように「自分はどもらない」 という信念ができれば治るというのは、むしろ逆の修養法でありまして、なかなか根治することはできないのであります。
ここで治った人の内には、しばしば法悦という事を感ずる事がある。つまり自分が救われると同時に、その真理を世の人にも伝え その喜びをともにしたいという感じであって、堀君が座談会で、雄弁を発揮したのも、そのためであります。
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