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一 括 講 読

投稿時間:21/05/08(Sat) 18:59
投稿者名:happiM
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タイトル:恒心
恒心あるある者は、子として親の意見を否定しないように、社会においても他の人々の意見を頭から否定するようなことをしない。
恒心(定まった、しっかりした心)のない者は、親から悪い遺伝を受けたとか、教育や家庭の影響が悪いとか、貧乏で高等の学校を出してくれなかったとか、いろいろ怨むけれども、そんなことを一々怨んだところで追いついた話ではない。各人がその境遇と能力に応じて、生の力を発揮していくよりほかに道はない。
なお、ここに付言しておきたいことは、親だけでなく社会にたいしていろいろな不満や怒りを感じるのは誰でも同じことである。恒心のあるなしにかかわらず、すべての人に共通した感情である
ただ、恒心ある者は社会にたいする不平不満がつよいほど、ますます自ら省み、自ら重んじ、自分の実力と人徳を養おうとする。これに反して恒心のない者は、自ら省みないでいたずらに人をのろい、危険な思想に走ることになるのである。

死を恐れ、不快を厭い、災いを悲しみ、思う通りにならないことを歎くなど、みな人の感情の自然であることは、ちょうど水が低きにつくと同様である
いずれも自分の都合のよいようにばかりはできない。自然に服従するよりほかに仕方がないのである。

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