朝寝をするというそのことは、善いも悪いもありません。人生の希望も目的もなく、何の用事も仕事もない人であれば、いくら朝寝をしても、いつこうさしつかえないわけであります。
しかし、人生に希望と目的をもつわれわれは、やりたいことが思うようにできないから、朝寝が自分にとって都合の悪いことになるのであります。
だから、われわれは、朝寝をやめようと抽象的に考えるのでなく、翌朝はあれをしよう、これもしなければならぬ、と具体的にその仕事、仕事のことだけを先へ先へと心にかけ、あせり急いでおれば、しらずしらずの間に目がさめるとかならず床を蹴って起き上がるようになるのであります。