投稿時間:17/10/12(Thu) 08:36 投稿者名:hppiM
Eメール: URL :
タイトル:人生の目的
生の欲望 P46-47 人間は何のためにこの世に生れてきたのか、人生はいかに生きなければならないか、という問題は 精神発達の過渡期にあたって、誰しも考えることである。けれどもそれは、そんなに深い意味のあることではない。 それはたとえば、草木は何のために生長し実をむすぶか、地球は何のために自転しっっ太陽のまわりを運行するのかという疑問を 発するのと同じことである、神が人間のために地球や草木をつくったと考えるとすれば、それは人間の自分勝手な思想である。
ゲーテはその創作「アウスト」の中で、ある人間の一生を詳細に記述して、「人生は努力である」 という人生観をしめしたのである。 それは人生を、欲望、執着、奮闘という主観的な面から観察したものと言うことができる。
もしそれを客観的に外面から観察するときには、「すべて人間の生活は絶えざる活動である」といえよう。 それは「動物」という名称ができた理由である。 さらにそれを価値批判の方面から見るならば、「人生は創造」であり、「日に新たに、また日々に新たなり」 といわれるように、絶えざる進歩であり、前進である。 ベルグソンのいう「創造的進化」もこの意味をふくんでいるのである。
|