keimei main -> キハポスト@VRM -> VRM4スクリプト -> 機回し編

VRM4スクリプト(11)〜機回し編

この文章を書いた時点でのVRM4のバージョンは「4.0.1.1」です。これ以前のバージョンでは間違いなく動作しません。また、今後のバージョンアップによって仕様が変更される可能性もあります。

● 何をやりたいか ●


レイアウトは恐ろしく細長いので重要な部分だけ2つに分けて掲載しました。図の「A」の部分は繋がっています。「機回し」については、色々な方法と場合があると思いますが、私がイメージしたのは以下の通りです。これが今回「やりたいこと」になります。

(0)登場する列車は「トワイライトエクスプレス」。10両の客車を1両の機関車が牽引します。
(1)列車は機関車を先頭に図の右方向から駅に侵入します。
(2)駅構内で減速しながら、所定の位置で停止します。そして、おもむろに機関車を解放します。
(3)客車を駅に残したまま、機関車は単独で機回しを開始します。まずは左側の引き込み線に入り、方向転換します。
(4)駅構内にある機回し用の側線を駆け抜けます。
(5)駅右側にある引き込み線に入り方向転換します。
(6)ゆっくりと駅構内の客車に近づき連結します。そして、改めて出発進行です。

図にはありませんが、レイアウトの右側には方向転換用のリバースがあり、ここをぐるりと一周した列車は再び駅に戻ってきます。つまり、このレイアウトはエンドレスに繰り返し実行できるのです。

● 解説 ●

実はこのレイアウトを作っていてあまり面白くありませんでした。なぜなら、以前作った「スイッチバック」レイアウトとなんら変わりがなかったからです。例えば、「スイッチバック」では、駅に停車して△秒後に発車するということをやっていますが、このスクリプトがそのまま使えます:

(1)駅に停車する
(2)×秒後に解放する
(3)△秒後に発車する

太字の部分を追加するだけですね。機関車の機回しについては、まさしく「スイッチバック」そのものです。また、連結は機関車を客車にゆっくりと近づけると勝手に行ってくれますので、単に徐行運転させればいいだけです。という訳で、今回はスクリプトの解説をぐだぐだやるのは止めて、それよりも重要な点に絞って書きます。

●編成名が元に戻らない●

まずは図を見てください。「YOURS」という編成名の列車があります。緑色は機関車で水色は客車です。最初は一つの編成で「YOURS」という名前が付いています。

これの機関車を「解放」すると編成が2つになりますので、新しい編成には自動で「YOURS_1」という名前が付きます。この自動で名前が付くということが曲者なのです。具体的には、解放された側:進行方向にある編成が元の名前で、後ろに残された車輌群が新しい名前になります。

これをそのまま「連結」します。すると、2つの編成が1つになる訳ですので、どちらかの名前が失われることになります。具体的にいうと、連結する側の名前が破棄されて、連結される客車側の名前になります。そう、図を見ればお分かりのように、元の名前に戻らないのです!

解放・連結する度に名前が変ってしまいますので、スクリプトを書く上で非常に都合が悪いことになります。その為、当レイアウトでは、解放する時に方向転換して、客車の方を分離する形にしてあります。これだと、客車側に元の名前が残り、再連結した時にその名前をそのまま引き継ぐことが出来るからです。ただ、解放時に客車群がぼこっと 5mm移動しますので変に見えます。が、まあ、しょうがないですね。

● 特定の編成にのみセンサを反応させるには? ●

これはこのレイアウトに限ったことではないのですが、センサに関する問題で、具体的には以下のような場合です(がセンサです):

センサを使って列車を停止。「SetTimerVoltage」で止めるので、センサを行きすぎた位置で停止。

方向転換後、再出発させようとした時に、再びそのセンサを踏んで停止してしまう。

センサを使って列車を停止。「SetTimerVoltage」で止めるので、センサを跨いだ位置で停止。

2編成に分割後、再出発させようとした時に、後ろの編成がセンサを踏んでしまう。

私が作って来たレイアウトは全てこのような危険を孕んでいるということに気がつきました。今までは、たまたまうまくいっていたという感じですね。これに対する解決策はいろいろ考えられると思いますので、みなさんも考えてみてください。なお、センサは編成の一番先頭にある台車に反応します。

● ヘッドマーク ●

蛇足ではありますが、かなり重要なことです。スクリプトを使うと機関車にヘッドマークを付けることが出来ますが、これが2つのエンドのうち一方だけにしか付かないのです。実車を見た方はご存じかと思いますが、ヘッドマークはEF81の両方についています。両方にあると機回しした時にいちいちヘッドマークを付け替えないで済むのですが、VRMではそうはいかないようです。腹が立つのと面倒くさいので「機回しレイアウト」のEF81にはヘッドマークは付けていません。

★遊び方★

ビューアーを起動したら、「↑」キーを使って列車を少し走らせてください。キュービクルが置いてある位置までくると、あとは自動で運転します。カメラの制御は行っていませんので、自由に切り替えてください。運転前にフライスルーカメラにでも切り替えて、お好きなアングルから眺めてください。ホームに立っているつもりのアングルから、連結・解放や発車していく列車を眺めるのがお薦めかもです。

ちなみに‥‥‥初めて解放シーン:機関車がぽこっと外れる姿を見た時は笑いました(^^; 本当に「ぽこっと」外れます。でも、その後、単独で走っていく機関車をみた時は、ちょっとした感動物でした。今までのVRMでは味わえない雰囲気ですよ。

レイアウトデータダウンロード:KiMawashi.LZH、351kB