星方天使エンジェルリンクス(WOWOW 水曜19:00〜19:30:放映終了)

 「無敵が素敵」という前宣のコピーの一部が耳にこびりついています(^^; わきを固めるキャラも一癖二癖もありそうで楽しそうですし、エンジェルリンクス号の発進シーンは“お約束とアイデアのミルフィーユ状態(^^;”で最高でしたし、あとは今一つ掴みきれない李美鳳が今後どう描かれていくかが注目ですね。(以上、放映開始時のコメント)

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#1 天駆ける天使

 全体としてはで出来の良いシーンがある分、気になるシーンも出てきますね。例えば「敵は散開して逃げていると報告されているのに、次のシーンではリンクス砲の一撃で全滅している」とか「海賊の親玉を殴って銃を落とさせたんならもうちょっとそれらしい殴り方を...」とか。でも親玉を刺殺した後の美鳳冷静さとかで奥の深さを見せたり、ラストのミステリー的な終わり方でハッピーエンドに軽いどんでん返しを仕掛けていますが、そのあたりがこの作品が続く上での魅力となってくれますかどうか。


#2 掃き溜めのメルヘン

 妙にメリハリのないお話だったような、そうでもなかったような...印象薄いことは確かでした。無料で警備するとあって依頼が殺到している様子は、まぁデフォルメもあっていい感じなんですけど、そこから偶然であったパイロットの依頼を受けてからがちょっと中途半端な印象を受けました。エンジェルリンクス号の弱点接近戦というのはグラップラーシップが当たり前のこの世界では致命的な設計ミスのような気もしますし、船長が積み荷を知らないのはいいとしても空荷だったら船の加速等で気付きそうなもんですし...設定的な点はその辺においておくとしても、やはりラストでの「生きていく為には選択肢がない人々と、選択肢をつくれる美鳳」という対比が甘いのは残念です。こんな時こそ美鳳の若さが時として思いやりにかけてしまいがちになるところを副官達がフォローし美鳳も自覚していくという感じにした方が、変に物わかりのいいのよりも“らしい”と思うのです。この作品はやはり『傷つけあうことの痛みがわかるキャラ達のドラマ』だと私は期待しているもので。


#3 誇り高き龍(ドラゴン)

 今回のスポットは恐竜人のドゥーズ。エンジェルリンクス号の白兵戦隊々長...とはいっても今日見た限りでは隊といっても二人しかいないようですが(^_^; 普段は寡黙な彼の人となりというか恐竜となりがそこここに見れた話でした。基本的に彼って「秩序とルールを重んじ、自らの種属の優位性を全く疑わない」ってタイプみたいだけど、頑固とか偏屈な訳ではなく『信条を持った生き方をしている』って感じです。美鳳もその辺はわかっているようで、雇い主と傭兵という間なのにまるで“友達”のような感じでつきあっていますね。その辺がドゥーズが契約といいながらもエンジェルリンクス号に乗り込んでいる一因かも。


#4 LiEF〜Living Ether Flier〜
 今回の主役は何といってもLiEFの子供でしょうね(^^; はじめにちょっと美鳳にじゃれついていたと思っていたら、忘れていた頃=ラストに一番美味しいところをスパッと持って行っちゃいました。まぁそのおかげで後味のいいお話になったという感もあります。
 で、今回は作戦内容に合わせてということでキャリアー・ドレスへの艤装交換が行われたわけですが...何かじゃないですか? エンジェルコアを移動するということはコアを複数作れないということですよね? どうせ資金は豊富なんだからコアが複数ある=各艤装が単艦として運用できれば下手な随伴艦を伴うより有用な艦隊を編成できて#2のようにグラップラーシップに強襲されるという窮地に陥らなくてもすむはずですよね。もしエンジェルコアが一つしかできない理由があるにしても、エンジェルコアに通常単独航行機能がない(イーサドライブらしきものは見えたけど非常用でしょう)のは艤装交換にドレッシング・ベースが必要という欠点をさらしていますね。コアが単独で飛べるのなら地上からコアを打ち上げれば毎回傍迷惑(でも個人的&演出的にはオッケー(^^;)な発進をやらなくてもすむと思いますし、懐かしのブルーアース号@テッカマンみたいな“らしく、格好いい”システムになったと思うんですよ。

#5 星に降る雨
 うぅっ...あかん、こんなやったらあかん...もろツボやないか(;_;) 鴻星に一目惚れしたジェシアの自分自身の気持ちと行動に戸惑う不器用さ、時折見せる素直さと恥ずかしさの混じる笑顔、可愛いじゃないですか。対する鴻星ってば女癖の悪さというか女運の無さのツケが回ってきたかのような目に遭いますが、日頃のフォローがいいのか上手い方向へ流れていきます。でも一発の銃弾がジェシアの命を奪います・・・哀しいくらいに現実として。そこには冷徹なの流れがあるだけで鴻星にも美鳳にも為す術はありません。でも美鳳は理不尽さに立ち向かい、鴻星は己の決着をつけます。

#6 クロスロード
 だいたいエンジェルリンクスの世界が見えてきた(ほんまか?>をれ)ところで、設立当初のエピソードですね。ただ全体としてはオラクルキャノンのエピソードは中途半端なので削って、ドゥーズヴァレリアの話を膨らませた方が良かったんじゃないでしょうか? ヴァレリアなんかは3ヶ月の約束の期日の描写なんか美味しいですよね。あと鴻星が何故祖父の李剣河に見込まれたの何かもですよね。折角昔にスポットを当ててるんですから、やっぱりその辺を描いて欲しかったです。

#7 天使と堕天使
 前回の分までも取り返そうとするかのような急展開の回でした。いや、急展開というよりも、パズルのピースが少しずつ揃って気がついたら「一番肝心なピースの周囲が埋まった=謎&話のポイントの流れが見えてきた(それ自体ではなく)」ということでしょう。美鳳の記憶にあった子供の頃の断片的なシーン、制止する祖父の声を無視して走った美鳳の前に現れた銃声...豹変した美鳳とどうやら思い当たる節があるらしいレオン・ラウ、それに絡んでいく鴻星、さらに美鳳レオン・ラウに手紙を出した人物。それぞれの立場でそれぞれの想いが交錯する感じが出ていてGoodでした。対比すると、ちょっと最初の戦闘は要らなかったかも。
 最初に思っていたよりも『海賊』がキーワードになりそうな展開ですね。個人的にも宇宙でドンパチやるよりは、こっちの話の方がいいんじゃないかと思うので今後に期待大です。

#8 ぼくの街(ふね)
 何かもう無茶苦茶という感じですね(-_-; 美鳳作画なんかシーン毎に別人のようなところもありましたし、リンクスキャノンを市街地周辺に撃ち込むなんて...しかも直撃でないにしても個人携帯のバリア(!?)で防いじゃうし...こんなんがいい意味での荒唐無稽勘違いしているのでしょうか?>スタッフ そのリンクスキャノンにしても役目がイマイチわからないし(あの描写では龍脈に止めさしたのは地下鉄工事以外考えられませんよね?)。嘘(ストーリー)は上手く騙して欲しいです。
 そろそろこれもヤバいかなぁ〜

#9 良禽択木
 何ともベタベタなドラマでした。パターンパターンなりの良さを出すどころか、劣化コピーの寄せ集めみたいになったおかげで、せっかく「クロスロード」でほとんど描かれなかったヴァレリアメインのお話も台無しでした。
 まず根本的に男と女の関係をどうやら10年ばかし昔にずれた感覚を脚本&演出に持ち込んだのが失敗ですね。昔の関係を「お子さんは〜」「今年〜に入った」って会話を含めた前後で暗示するなんてセンス無さ過ぎ、というか勉強不足。男の方もあんなに情けなく描いてしまうのはやり過ぎでバランス悪いですし、なによりもヴァレリアの作戦参謀としての力量が描かれてないように感じました。オラクルキャノンの射程をごまかすのではなく、死角をついてきた敵の“後の先”をとった方がなんぼかましだったでしょう。敵の攻撃前にヴァレリアが端末叩いてたのはてっきりその準備だと思ってたんですけどね...「ヴァレリア、さっき射出したの何?」「私にもわからないわ。ただ・・・(後方で爆発の報告)・・・これでよかったってことね」「ん?」「美鳳にはまだ早いわよ」「あ〜、またそうやって子供扱いするぅ!」ってな感じが私の個人的好み(^_^;

#10 遺されし者たち
 本来ならここで驚くべきところなんでしょうけど,何か「ふぅ〜ん,そうなの」で終わっちゃいそうな美鳳の正体でした。これは今話の責任ではなく(むしろそこそこの出来だったと思います。例によって作画を除けば),これまでの作品の見せ方に問題があったためだと思います。一体この作品のが何処にあるのか,最初は遠くとも次第に積み重ねる話で近づくようにすればちゃんと見えてくるように出来るはずなのに,その辺を軽く見たのか,シリーズ構成が甘かったのか...なんか予定調和的な平凡さの回でした。

#11 0と1の狭間で
 ありきたりなパターンだけれども,変に凝らなかった分だけ同じような己との対面を描いたヤマモトヨーコよりは見れる形になっていたと思います。ちょっと状況説明が言葉でされ過ぎたきらいがありますけど,鴻星くんの健気な頑張りが嫌みでなかったので救われてます。今週ですっかり表に出た感じの美鳳の正体ですが,ここまでくると逆に「本当に戦闘用アンドロイドなのか?」という思いがしますね。いくら金があったからといって十数年前の技術で造られたモノが現在の最新鋭を軽く凌駕するものなのか?という疑問もありますし,何よりも意味ありげにこれまで数度描かれた「豪龍が裏切った時に祖父に撃たれて落とした,恐らく異星のものと思われるペンダント」ってのが気になるんですよね。
 案外美鳳はアンドロイドといった人工の機械ではなく,あの船に眠っていた特殊な生命体(ペンダントがその形態?あるいは受精卵?)に催眠術なり何なりで記憶操作を施した状態じゃないかと期待しているんですけどねぇ...命日はその記憶操作=封印が解ける日,つまり今までの美鳳美鳳でなくなる日という意味じゃないかと。で,美鳳は血の繋がらない、ましてや人間でもなかった自分が祖父に本当に愛されていた過去を思い出す...そこまでやっちゃうと出来過ぎですかね(^_^;

#12 All My Soul
 端的に言ってしまえば、今週のエピソードは蛇足というか先週とあわせて1話でもよかったのでは?と思いました。先週のラストでクルーは美鳳『追いついて』いたんですから、わざわざ今週でもう一度突き放してしまうとくどいですし、それでも追いかけてしまうクルーは自己宣告通りの“馬鹿”ということですね。まぁその辺はいつも通り(^^;という感じだったんですが、それよりも他のところで???疑問符の嵐が飛び交ってしまい、本編のストーリーがどっかへいっちゃいました(^^; 例えば「最初のシーンでホログラム?の豪龍に斬りかかった美鳳が映像に殴り飛ばされた?」とか、「キャリアードレスにダミーとはいえコアがあるのなら常識的に考えて普段使えよ」とか、「サイクロンブレードって何?何の役にたったん?」とか、「セク&レタリーは接近されているのに何で腕を使わんのや?まさか驚いてた?」とか...誰か教えて下さい(^_^;

#13 天使のかけら...。
 とりあえず最終回なんだから作画を何とかしてくれ(;_;) こうもコロコロ変わったんでは内容どころの話ではないぞ。でもまぁ百歩譲って作画に目をつぶったとしても、内容アレじゃあねぇ...アンナの「こんな・・・こんな終わり方って納得できません!」って言葉が一番説得力があったと思えるし。クルーの馬鹿さ加減は前回にも輪をかけて凄くて、何かもう新興宗教じみてきてちょっと怖いし、美鳳の「私の意志」ってのも不明瞭だし、何よりも豪龍が安っぽいドラマで退場しちゃったのは笑うしかないですね。もうちょい全体の流れを見据えたというか、伏線をひいた脚本&演出じゃないと何やっても唐突で説得力というかリアリティがなくて、作品としての面白みも感じれないですね。
 で、ラストなんですが、「もしラストで美鳳が死んで(機能停止して)いたのなら、何故あの惑星の時間にあわせていたのか?」って疑問にどなたか答えて下さい。もしかして全銀河で統一時間帯が用いられているんでしょうか? 宇宙を翔びまわっていた美鳳にはサブイーサドライブによる(微少だとしても)時間のズレは影響ないんでしょうか? 最終回なのにスッキリしないのはやだなぁ

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