「ぱっと見た目はジャイアントロボ+快傑蒸気探偵団」というのがあちらこちらのWebで見られた言葉でした。実は私もそう思ってましたが・・・
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Act:01 Roger The Negotiator カッコいいぜ!!>ロジャー 何というか自分の世界を押しつけるのではなく、感じさせる生き方ってのが見えるようです。言ってしまえば“キザ”なんですけど、そんな事どうでもいいように思えるぐらいにはまっちゃってるんですね。小道具一つ、話し方一つとってもロジャーらしさを醸し出しているといえば贔屓目かもしれませんが、それだけキチンと描かれているって事でしょう。さらには思った以上に可愛かったのがドロシー2。銃撃戦での顛末は最高でした。もっとも「父親」を絡めた因縁がまだまだ尾を引きそうなのですが、楽しみといえば楽しみヾ(^o^;ぉぃぉぃ そして最後にビッグオー。まさに『鉄拳』をふるうためのロボットだったんですね。登場の仕方が最高に傍迷惑だけど、動いてみると周囲の人々が歓声あげた気持ちがわかります(同時に警官の頭の痛さもよくわかりました(^^;)。久しぶりに“かっこいいアニメ”が見れそうですね。
Act:02 Dorothy Dorothy やはり可愛いぞ(^^;>ドロシー あ、もちろん1ではなく2の方ですが。妙に自己主張も強いし、かと思えばクラブでじいさんと一緒だった時のように妙に人間っぽい感じを出していたり、(無意識にしろ)表情を使い分けている様子が彼女の魅力ですね。結構スーパーマンかと思われていたロジャーも案外弱そうで、それがまた彼の強がりな性格をうまく引き立たせていてGoodです。もちろん脇役も手堅く押さえていて、全てのキャラが世界を作っている感じがいいですね、何処を見てもちゃんとドラマになっていて。
前回から尾を引いていた事件も無事解決し、どうやらドロシーがロジャーのところに居候するようですが、ロジャーは結構堅物そうだし、ドロシーは居候しているなんてこれっぽっちも思ってなさそうだし、執事の爺さんは嬉しそうだし、まだまだ一悶着ありそうな気配ですな(^_^)楽しみ楽しみ
あ、ただ一つ気がかりなのはBGM。ラストシーンのアレはちょっと腰砕けに近いものが...
Act:03 Electric City う〜む、やはりR.ドロシーは可愛いというか、愛敬があるというか、ともかく魅力的に描かれていますね。時間にきっちりとしていて寝坊したロジャーをピアノで皮肉っぽく起こしたり、何というか確かに便利なんだけどデリカシーが欠けている行動(停電時のヘッドライト(^^;)のようにアンドロイドそのものといった描かれ方をされているかと思えば、逆に同じピアノを使っていてもクライアントが女性であったという点に嫉妬したのかブルースを弾きまくるあたりの感情表現とでもいった描かれ方をされているのがおもしろいです(ここのロジャーには「何となく弾きたくなる時がある」とはぐらかしておいて最後にごみ箱の中にある四つ裂きにされたエンジェルの名刺のカットがくるあたりが秀逸ですねぇ)。
さて本編では何だか回が進むにつれてスーパーマン的な存在からパーマン的(^^;に見え始めたロジャーが、老人の手助けを借りながらも湖の怪物を本邦初公開の必殺技“クロムバスター”にて一件落着、謎の女性エンジェルも顔見せといった感じでしょうか? ストーリー的な厚みよりも、演出面というかキャラクターで見せる方へ重心があるようですね。今のところはそのバランスがいい方向だと思います。
そうそう忘れてならないのが今回からOPがついたことですね。私は最初のワンカットで思考停止してしまいました(^_^; その後気をしっかりもって見直した個人的な感想は、「インパクトはあったけど、ちょっと中途半端かなぁ」。最初は「おぉ!」と思ったんですけれど、最後の方を見ると『徹しきれなかった最後の一歩』を前に出したのか、後ろに下げたのか、製作側でも迷っていた結果のように見えてしまって...
Act:04 Underground Terror 少しずつパラダイムシティの陰の部分、物語の背景である40年前の事件に触れていくようですね。それにしても今回地下に降りた時のロジャーの異変はロジャー自身に由来するものなのか、それとも人間誰しも襲われるものなのか、謎が明らかになる一方で興味惹かれる伏線がまた一つ増えている点が見事です(案外ロジャーが見た目通りの年齢ではないとか、生きてきた時間と誕生日とが一致しないとか、いろいろ想像するのも楽し(^^;)。それにドロシーの言動が「サクッ」と切れ味良く、話の流れに刺さるのがアクセントというか作品の隠し味(既にメインかも(^^;)として効いていますね。さり気なく意味深に出会したエンジェルとか、そつのないようでボケているのかと思いきややっぱり隙のないノーマンとか、ロジャーの過去をちらつかせながらも腐れ縁的なダストンとか、ロジャーだけでなく脇が絡み合うようにきっちり生きているのが世界観をしっかりしたものにしているんでしょう。彼らの『人生』を見たくなる感じですね。
Act:05 Bringback My Ghost 別にこれといった目新しいネタはないどころか、部分的に見ればどれも使い古された感のある小道具やエピソード。でも、それらをうまく使うというか、本来の良さを引き出すことで、一つの『お話』がきちんと描かれているのは見事です。特にキャラの持ち味をつかんだ上で動かしているので、今回のように途中でラストが見えてもなお見続けさせる力を持っているんじゃないかと思います。話の厚みで出番の少なかったドロシーとノーマンにしても、一言で「らしさ」を表現していてそつがないです。個人的には酒場での情報屋とのやりとりが毎回のポイントのようで好きですね。
Act:06 A Legacy of Amadeus インストル氏が父から授けられた両手,それはまさに奇跡ともいえる手ではあったが結局は『名器』というべきものであって,たとえ両手を失ってもそれを使いこなしていた彼の『心』まで失ったわけではない...といったところでしょうか? それにしてもインストル氏は本当に“人間くさい”アンドロイドでした。見かけは機械人形なんですが,動いて喋っている様は人間そのもので,あるはずのない表情まで見えるかのようでした。ちょうどドロシー嬢が一見人間のようでも動作とかに機械性が現れているのと対照的です。しかも単に二人のコントラストを際立たせるだけでなく,この二人が共通している父への『愛』(とそこから生まれる人間性)を二人の追憶,特にドロシー嬢の2話でのシーンを挿入することで見事に描かれていて,なおかつラストでのピアノ演奏に繋げるあたりには素直に感動しました。キャラクターがちゃんと記憶をもってその世界で生きている実感のようなものが感じられました。しかも最後に「素晴らしい」「ね」というこの二人(あ,ロジャーも入れれば3人か(^^;)でしか出来ないオチまであるとは...脱帽です(^_^)
Act:07 The Call from The Past 先週がアンドロイド二人をメインにおいたストーリー展開だったのに対して、今週は人間の男女二人をメインにしたお話でした。まぁ二人とはいってもロジャーにエンジェルですから会話一つにしてもカードゲームの如く、手札と相手の出方を計算しながらの巧妙な駆け引きでした。ロジャーの案外俗物的な一面と共に、エンジェルの背中の傷に刻み込まれた想いとか金銭の為と偽ってまでメモリ−に固執する理由とか、今後に関わってきそうな『過去』の断片がさり気なく明確に話に盛り込まれていたのがGoodでした。また「あなたって最低ね」という女性の台詞が話し手の違いによって、こうも違うのかとキャラの持ち味を活かす描写、演出に感心しました。
でも一言1カットが絵になってきたドロシーが出てくると何だか落ち着きますねぇ(^_^;
Act:08 Missing Cat 雨に濡れて涙を流しているかのようなドロシー、何気なく歌を口ずさんで何かを探すように路地を覗き込むドロシー、そしてロジャーの答えに「ありがとう」というドロシー・・・完敗です(;_;)
Act:10 Winter Night Phantom 珍しくドロシーが登場しない回でした。その分だけちょっとメリハリがないというか淡々としたストーリーの流れでしたが、一番のポイントである桟橋のシーンの雪のように静かに積もる想いを表現するにはピッタリでした。今回はダストンメインでしたが、今までとそんなに違和感がないのは世界観というか世界“感”がしっかりしているので、ちょうどザッピングドラマのように仕上がっているせいでしょう。
それにしても斬新な演出も伏線も(今のところは)見あたらないのに、ありふれた小道具やネタも使い方次第というか、使う人次第というのがよくわかる番組です。今回の風船とか映画の使い方なんかもそうですが、
Act:11 Daemonseed あらら,折角のクリスマスネタも放映がズレると悲惨ですな。特に年明けまできちゃうと"Merry Christmas"も虚しく映ります。
でも,それをさっ引いても相変わらずの出来ですね。必要以上というか最小限のことさえなかなか言葉にしないドロシー(でも表情は何故か豊かに感じる)と余計なことまで口にしてしまうロジャー(でもするべきことはちゃんとする),この二人と対照的に(といってもアンチテーゼではなくパラレル的に)描かれるのが音楽家を目指す若者とその盲目の恋人。互いに思いやる気持ちの交流,現実の厳しさとそれに甘えない強さ,強さを支える優しさがそれぞれに描かれていてクリスマスにぴったりなストーリーでした(返す返すも放映ズレが惜しい)。その一方で"Heaven'sDay"の真の意味を知るパラダイム社社長の底知れぬ一面を垣間見せたり,ノーマンの『やる時はやる』格好良さなどもそつなく挟み込んでいるあたりが見事です。でもやはりドロシーの踊りが最高でしたね。
Act:12 Enemy as Another Big! 最終回を前にしてやはり出ました定番の同系機種同士の闘い。陸戦タイプのビッグオーに対して、空戦タイプのビッグデュオ、流石にロジャーも苦戦を強いられましたが『空対地』の優位性を過信しすぎた(あるいはそれぞれのTheビッグの違いを鵜呑みにしていた)シュバルツバルトはロジャーの機転(ビッグオーの柔軟な運用)の前に敗れ去りました。それにしてもここにきて40年前の事件の真相への手がかりが明確になってきたと同時に、新たな謎(例えばシュバルツバルトの名を知るエンジェルの素性とか、最期に何かを掴もうと己の意志で動いたデュオと同系列であるビッグオーの真の姿とか)が出てくるあたりは油断ならんですな(^_^) ビッグデュオ対ビッグオーの闘いをメインにしっかり描きつつも、ドロシーをポイントに入れるあたりも流石で、勢いだけで流れてしまいそうなストーリーを引き締めています。
次回は最終回...とはいってもどうも第2シーズンがあるようですね(^^;