地球防衛企業ダイ・ガード(テレビ大阪 火曜18:00〜18:30)[放映終了]

あ、リモートコントロールダンディヾ(^o^;ぉぃぉぃ とりあえず「会社」の視点からシビアな地球防衛が見れるかどうかが当面のポイントでしょうか。

《感想いろいろ》 →最新

#1 海から来た厄災
 うん、熱血バカクール男謎の過去あり女という典型的なパイロットとか、事態に直面するまでは動かず、かといいって事態に直面したらしたで現実的な対応が出来ない典型的企業上層部とか、そんな上層部の中で全てを待ち受けていたような男(過去の因縁あり)とか、キャラクター的にいい感じですねぇ。でもそれらよりもやはりロボットの描かれ方が期待通りでGoodでした。現実的な計器類の雰囲気、もろに外部環境の影響を受けるコックピット、肉弾戦のみの戦闘、敵に対してあまりに脆い装甲&構造・・・敵を撃破、快勝というデビューは果たせませんでしたが、この方が“らしく”てよかったと思います。超法規的&スーパーテクノロジーを持ち込まないのが足枷でもあり作品のにもなるはずですから。で、来週は・・・おぉっ!!男はやっぱりドリルだぁ!!ヾ(^o^;ぉぃぉぃ

#2 夜の御台場大攻防戦

 巨大ロボは合体!!・・・てなわけですが、こりゃ『組立』ですな(^^; まぁ確かに自走or空中で合体できるぐらいなら装甲強度とかパワーとかが弱すぎるので理にかなっているといえばそうなんですが。それでもシチュエーション的には「エヴァ発進シーン」と同じで結構燃える部分がありましたね。そういえば、ここも含めて輸送機の編隊飛行シーンとか夜の戦闘シーンあたりにエヴァの影響があるともとれる感じなんですけど、さり気ないというか、逆にそこを言及してしまう方が「エヴァに憑かれているのかな?」と思える程度ですね。どっちかというとパトレイバーに近いものがあるというか、そっちを目指しているんじゃないかと今のところ感じています。

で、続いてドリル!!・・・巨大ロボの武器では定番中の定番なんですけど、流石の熱血漢赤木も予想外だったらしくて唖然としていましたね。どうやらこの辺の開発にはこれまた定番のマッドサイエンティストがいるようで、今回はクシャミしていました(でもあれはPH系だよな...もしかして10代!?)。マッドな方ならばパイロットは所詮モルモットというわけで、これからもOPに出てくるようなの以外にバンバン開発してくれる(そして赤木達がドンドン苦労する)ことに期待しましょう(^^;

さて本筋ですけど、相変わらず組織として膠着した企業が滑稽に描かれる一方で、ダイガードを中心とした広報2課の面々に個性的なが出てきた感じが対照的でした。でもちょっと型にはまりすぎたきらいがあるのが今後の課題でしょう(^^; 同時に、戦闘では現用兵器としてのダイガードのウィークポイントやアクシデントを見せながらも、それを乗り越える『説得力』であるところの人間がようやく見え始めてきたなぁってところでしょうか? ヘテロダインがあっさりやられましたけど、これはパワーバランスを考えた上での設定(弱点の存在?)という風に好意的に解釈しておきましょう(^^;


#3 ヒーローの事情

 やはり避けては通れぬメンバー離脱話・・・というわけで、この作品はある意味王道に真っ正面から取り組んでいるようですね。しかも王道の中に“エヴァ”が入っている(というか照れずに使っている)あたりがひと味違うところでしょう。

 で、話の方は危険な職場に嫌気がさした青山が辞め・・・たんだけど、結局残った二人の苦戦を看過できずに舞い戻ってメデタシ。内容的には特筆すべき事はないんですが、やはり見せ方に持ち味があるようでなかなか面白かったですね。凝り固まった上層部とか対応に追われる広報2課(特にべそかいている中原千秋(25才・メガネっこ(^^;))とかめげない前向きな赤木とか。ただ怖いのは、今は勢いで押し切っている感のある「現実感と世界観の摺り合わせ」にざらつきが出ちゃうと一気に失速する気配があることでしょうか。この辺の「現実感」を求めるあまりに作品の「世界観」から剥離しちゃうのはよくあることですから(だからこそ、そこに挑んだこの作品は注目したいんです)。


#4 ヒロインのゆううつ

 先週の青山君に続いて、今週は桃井さんにスポットをあてた回でした。父娘の確執がメインかと思ったんですが、その辺はあまり触れられずに、どっちかというと桃井さんの意地っ張りというか、頑固なところが目立ってましたね。父親に対する反発の原因というか凝りになっているの部分がイマイチ不透明だったので、深く突っ込めないんですね。ちょっとその辺は消化不良気味でしょうか? まぁ逆に言えば話の重心が桃井さんのキャラクターの方に偏っていたおかげでそれほど散逸せずに1つのお話に見えたのは幸いでした、といったところでしょう。


#5 夕陽に向かって走れない

 なるほどね、今回は戦術アドバイザーとして安保軍から出向している城田個人にスポットをあてたお話ですね。派手な展開はないけれど、前回の桃井さんの話よりは城田本人の人となりがわかる感じと良かったんじゃないかと思います。あくまで理論的にヘテロダインとの戦闘を捉えて、リスクと被害を抑えるのが(今までそうであったように)彼の信条なんでしょう。それ故に番組中で城田によって指摘されていますが、目前の事象に囚われて大局を二の次にしてしまうが命を天秤に掛ける事をしない赤木とは真っ向から衝突してしまうんですね。しかし、今回の話によって意外にも赤木自身も考えさせられる点に気づいたようで、二人の関係改善というか赤木の成長が楽しみですね。案外握手できるようになった途端、城田が飛ばされたり死んじゃったりしてヾ(^o^;ぉぃぉぃ そういえば、赤木の成長ですが、もうちと女心大山さん)に敏感にならないと後でえらい目に遭うんじゃないかというのは、心配というより期待だったりします(^_^)


#6 思い出は教えてくれた

 なるほろ、桃井さんの実の父親は最初のヘテロダインの事件で死亡していたんですか...って事は4話と今回出てきたんは養父母ということですか? あの時泣き崩れていたお母さんはきっとその後の心労で病の後亡くなったんでしょう(決め付けるなって>をれ) しかも亡き父の研究がヘテロダインに関わるものとなれば、桃井さんがあれほどダイガードにこだわったのも『父の仇&形見』ということで、少し納得いくようになりました。その上で、お約束といえばお約束ですが、想い出が逆転の鍵となるというのがうまく描けていたと思います。

 逆にいまいち納得いかないのが戦闘シーン。電磁波がヘテロダインの行動に影響があるとわかっているからこそ誘導していたのに、何故に変電所を止めていないのか? 超振動なら液体を分解できなくても弾き飛ばしてしまうんでは? ダイガードがヘテロダインを『押し返した』ってことは分解速度がそれほど速くない=高速な攻撃は効果があったのでは?などなど、“魚の小骨が喉に刺さったように”妙にひっかかる部分が多かったですね。

 で、今回まで見ていて気づいたんは、この作品って『リアル』であることにこだわる余り、演出までメリハリに欠けたり、バランスを崩しているんじゃないでしょうか? 確かに荒唐無稽さは手軽にインパクト出せますが、そこまでいかなくても『見せ方』次第で十分インパクト出せますし、少しは『枠(リアル)の外』に出す事でより『枠(リアル)』を描く事が出来るんじゃないかと思います。こだわりが世界観の構築に繋がればビッグオーのようになると思うのですが、下手をすれば作品が閉塞してしまいますからね。


#7 ファイヤー&アイス

 思ったよりも城田赤木のラインが早々と固まりそうですね。それにしても城田って典型的な「実は良い奴」パターンですな。行きつけの居酒屋では表情くだけているし、何やかんや言っても赤木の手助けするし。ただ前回も書いたようにこのパターンのオプションには「と気づいた時には死亡(あるいは左遷)」ってのが控えていることが多いので要注意です(^^;

 さて今回のポイントはもう一つ、そう百目鬼嬢の本格的な登場です。今までちょこちょこ顔を出していましたが本筋に関わってきたのは今回が最初ですね。声は・・・まぁ一筋縄ではいかない不穏さが漂っているのでよしとしましょう(^_^; しかしダイガードへの通信といい、百目鬼本人が表に出るのはストップされているんでしょうか? 確かに天才と呼ばれる才媛だとしても、あの格好と年齢(17でしたっけ?)じゃあパイロット3人の方は最初不安でもきっかけさえあれば問題なしでしょうが、何より会社のお偉い方々がダメでしょう。あっさりとヘテロダインの弱点を看破していましたが、個人的には一波乱(つまり弱点の変化が)あって百目鬼嬢にショックを受けて欲しいなぁってのが希望ヾ(^o^;ぉぃぉぃ 


#8 奇妙な一日

 う〜ん、何というか“雑多な一日”という感じでした、内容的にも描写的にも。面白くなくはなかったんですが、淡々とした調子で日常を描くには、まだまだキャラが立っていないので支えきれずに崩れちゃったとでもいうんでしょうか。

 ヘテロダインが出現しない一日ってのは、結構面白いとは思うんですが、下手すると今回のように「まとまりがない」「オチがない」という羽目に陥るんですよね。美味しくもっていけそうな取っ掛かりはいろいろある(例えば城田とかを基点に3人のパイロットを見て、互いでは見えなかった部分を知るようになるのを描くとか、3人を中心に描くなら3すくみ状態をうまく使うとかetc)と思うんですが・・・せめてラストの「二人の酒盛り」ではなく「飲酒運転」の方が赤木桃井の騒動に決着をつけるようにした方が二人の日常を考えると良かったんじゃないかと思います。青山の騒動の方も中途半端な感じで桃井の言葉に対するフォローもなく、「視聴者に対する配慮よりもキャラ同士の理解をキチンと描けよ」と言いたいです。


#9 炸裂!ノットバスター

 う〜ん、オフィスラブ?(違うって>をれ) でも最後はふられたけど、単に嫌々だったけど強引に押し切られただけで同じ風呂に入るんですか?>谷川さん ヘテロダインが出てこなければ案外進展していたりして(^_^;

 それにしてもタイトルにまでなった「ノット・バスター」って結局サキエルのアレ杭打ち機ですか? 相当金がかかったという前振りの割には(一応ヘテロダインは倒したけど)説得力がイマイチのような気が・・・どうせなら最後に「やったね!さすがは日本の職人芸の粋を集めて完成した超高硬度&高精度パイルバンカーね」という一言があるか、作画的にもっと手の込んだシステムであるorパワーのある表現(ちょうどTheビッグオーのアレみたいに)があれば「おぉっ!」って納得したかも。あ、もしかして軍に接収されたって事は案外失敗作だったりしてヾ(^o^;ぉぃぉぃ 今回はこれよりも山間部で移動→組み立て→発進→撤収を繰り返すシーンに、赤木の「二足歩行ロボット」発言がなかなかGoodでした。


#16 いつも心に太陽を

 大山さん、いいっす。赤木にはもったいないっすヾ(^o^;ぉぃぉぃ でも、たぶん赤木だったからこそ、普通のOLだった大山さんの正直な気持ちをそのままに受け止めて、打算も何も考えずに「心配だから」「信じたから」行動で大山さんの支えとなっていたんでしょう。うん、赤木もいい奴だな(^o^; 広報2課のメンバーも誰もが「仕事」と割り切っていたことが「今、自分に出来ること」と考え、行動するようになっていた様子がとても“らしく”ていい感じでした。

 対照的に“城田ラブラブ”な佐伯は、昔信奉していた城田の姿が真実であって今の城田は間違っていると信じ込み、あくまで城田の為と偽って(本当は自分自身の為に)画策してはみたものの、逆に城田からドンドン離れていっていることに気づいて、戻れない選択をした後悔に苦しんでいますし、新しいパイロット達は赤木達よりも“プロである”がそれ以上に“社員である(なってしまった)”面をさらけだしてしまっていてドツボですね。次週はいよいよ『熱血城田君、大爆発!』ですか?


#17 夢見るように眠りたい

 城田さん、っすねぇ。己のメンツしか考えないパイロットを殴るのも気持ちよかったですけど、その後で赤木に頭を下げて頼むところがいいです。頑固でわからずやなように見えても、それは己の信念があるから。だからこそ「すべきこと」を見失わずに、やるべき事をやる。その根差すところは赤木達と同じだからこそ、赤木城田の頼みを受けたんでしょう(本人はそこまで考えていなかったでしょうけど(^^;)。それにしても赤木広報2課の面々がしっかりと目的を掴んで一歩を踏み出し始めたのに対して、佐伯はどんどん泥沼に踏み込んでいる感じですね。宗教団体なんてどう考えても諸刃の剣なのに、己の理想の達成を第一に考えて、というか、それしか見えていないような状態なので手を出してしまう。城田がダイガードのパイロットを「自己で判断できる」赤木達に戻すように提言したときも「上の命令に従えばいい」と取り合わなかった彼は、前回の出動の際、予想外の事態に対応できないパイロット達が指示を求めた時に自分が何と言ったのかさえ憶えていないでしょう。彼も悪い人ではないと思うのですが、再会した城田の変貌が信じられない=認められなかったのが岐路だったんだと思います。

とりあえず、今回のお話で一番よくわかったのは、最大の黒幕百目鬼、おまえだぁ〜!!ヾ(^o^;ぉぃぉぃ

大山さんは相変わらず可愛いお姉さんですねぇ...でも、よくよく考えると“お姉さん”な大山さんてば私より年下なんです(;_;))


#18 明日に向かって走れ

 やはり最終的な陰謀の首謀者は百目鬼でしたねヾ(^o^;ぉぃぉぃ 結局ダイガードの何たるかを理解していなかった('ε')社長(←"たらこ"で変換するなよ>ATOK)は事態を乗り切れずに、冷静に判断した(というか見方を変えると日和見した)会社上層部の決定で降格、再び大河内が社長の座についた訳で、広報2課も元通りといった感じですが完全には解散前と同じ状況とは言えないようです。

 まずプラスとしては、それまで何となくであったメンバーの結束がそれなりに高まっているだろうということ。たとえ出勤命令が無くても、関係ない部署に飛ばされていたとしても、「自分の出来ること」をやる時に2課のメンバーが周りにいるって気持ちを共有したから。

 で、マイナスとしては...佐伯が残っているって事でしょうね。でもこれも「今は」ってことで、何かのきっかけさえあればベクトルが反転しないとも限りませんが...追い詰められているだけに難しいでしょうか? 

赤木の無事を聞いて顔を伏せた大山さん可愛いすぎ。毎週のようにピンポイント直撃を喰らっているような気がする(^_^;ヤバイ 


#19 白の契約

 大山×赤木が確定したので、次は青山×中原ですか?ヾ(^o^;ぉぃぉぃ

 やはりというか、一見クールな女ったらしに見えて実は母親思いの好青年・・・と思いきや『過去に女あり』。あの頑なな態度からすると、かなり一方的な別れ方したみたいですね。喫茶店の時といい出撃の時といい、何も語ろうとしない青山の態度が火に油注いでいるというか(^^; ここから先の和解パターンとしては...

女「どうして、あの時それを言ってくれなかったの?」
男「...君が傷つくと」
女「バカ...あの子にはちゃんと言ってあげるのよ、いい?」
男「あぁ...」

...とこれで青山×中原の出来上がりヾ(^o^;これこれ ま、そう簡単には予想通りにいかないでしょうけど(^^;

 そういえば今回ストーリー的には安保軍自衛隊ダイガードの関係がより明確にというか、問題点をつく展開になってました。ちょっと唐突な気もしますが、見回してみれば今の世の中も、馴れ合いと利潤追求、自己保身で塗り固められた政治屋による政治なんて御都合主義のような似たような感じですよね。その意味ではリアルかも。


#20 青の約束

 う〜ん、どこもかしこも中途半端という感じ。一連の事件の引き金ともいえる誤認ロックオンをやったパイロットと赤木との激突も不完全燃焼っぽいですし、中原ちゃんと青山の絡みもあっさりとかわされた感じで彼女の頑張りが宙に浮いたというか、ラストで頭を下げた理由が不明確になっちゃったと思います。2話だからといってポイントが2つあっても消化しきれないようじゃ無駄ですよね。どっちかといえば中原×青山をメインに据えた方がちゃんと描けたんじゃないかと思います。(パイロットや赤木がすんなり異機種を乗りこなしているのが妙に違和感でしたし(^^;)。


#21 偽りの記憶

 これは意外な展開でした。てっきり桃井さんの父親のエピソードは#6で終わりかと思っていました。でも思い起こせば幾度となく現在の父親との不仲の様子が尾を引いているように挟み込まれていましたね。確かに百目鬼ちゃんの指摘は真実かもしれないけど、もうちと現状をよく見てタイミングをはからないといけないというのはわかっていたと思いたいんですが...少なくとも赤木くんや青山の負傷は桃井さんに起因するとしても、責任の一端は百目鬼ちゃんになっちゃいますね。その意味では百目鬼ちゃんも好奇心に心が占められていた桜田博士と同じ研究者なんですよね。

 最終的に桃井さんが『真実の記憶』を認めても、これって結構しこりが残りそうな気がするんですけど大丈夫なんでしょうか?


#22 私が私であるために

 おぉ、結構面白い話にまとまりましたねぇ。いぶきちゃんがどのようにして崩壊した『拠り所』を再度築き上げるか期待していたんですが、よもやあの親父さんをもってくるとは思いませんでした。でも前回の話が「いぶきちゃんと実の父親」とのリターンマッチ的な話だったので、今回「今の父親」との関係を再度見つめ直す話になってもおかしくなかったんですね。普通なら「頑固で物分かりの悪い親父」で終ってしまうところが、今回の話のおかげで「でも、表現は不器用だけどちゃんと仕事をしている親父」という好意的な見方ができるわけで、最後の方でのいぶきちゃんのつぶやくような一言が何ともいえない情感をともなうわけです。

ま、それにしても相変わらず諸悪の根元百目鬼、おまえだぁ〜!!


#23 守りたいもの、なんですか?

 何というか、とてもこの作品らしい雰囲気&仕上がりのお話でとてもよかったです。プロモーションビデオのために各々の『たたかう理由』が尋ねられるわけですが、やはりというか真っ当な答えは返ってきません(もし佐伯あたりに聞いていればキャッチフレーズになりそうな美辞麗句を並び立ててくれるんでしょうけどね(^^;)。 でも、それがかえって自然というか当たり前である『理由』を明確にしてたんでしょう。特に中原ちゃんが故意か偶然かはわかりませんが“うれしはずかしのシーン”に重ね書きした極ありふれた日常の生活が無意味だけれど有意義なイメージを的確に示していたことになるんでしょうね。赤木も言ってましたけど『平和のため戦っている』というほど大したことじゃない、もっと身近で誰もが感じている今の生活、強いて言えば『笑顔のため』に広報2課の面々は『出来ることをしている』、そんな感じなんでしょう。下手な御題目を唱えたり、キャラの浮いたドラマを見せられるよりは実感のある話でした。


#24 空を覆うもの

 前回に引き続いて『日常』についての視点がとても良かったですね。『ヘテロダインがいない日常』、『ヘテロダインと戦う日常』、そして『ヘテロダインが存在する日常』。各々にとっての『日常』というものの観念というか、基準が必ずしも一つではなく、また統一できる代物でもないという事実を淡々とかつしっかりと見せてくれていた回だと思います。この辺の描写が静かであった分、ヘテロダインが活動しだした時の落差、さり気なく描かれていた人々の日常(青山の母親の入院していた病院らしき建物も含めて)がいとも簡単に崩されていく現実、そのショックが見る側にも伝わってきたと思います。

 さて残り2回で、この現実をどうまとめるか、楽しみです。


#25 重なりゆく思い

 やはり『平和』というか、何気ない『日常』をしっかり描くことで、違う背景、環境を背負うキャラ各々が同じ目的へと進むストーリーへの説得力を培っていますね。特殊な状況や立場は描きやすいけれども見る側の同調を得にくいのに対し、ノーマルな『日常』は描写しにくく、同調を得やすいという傾向がありますから、ある意味ではこの作品はちょっと冒険だったのかもしれません。それでも今回ダイガードとコクボーガーがヘテロダインの頭頂部に降り立ったシーンに至っては、今までの多少のまごつきも帳消しにしてもいいぐらいの盛り上がりだったと思います。

 さて次回で最終回となるわけですが、やはりポイントは“パラシュート”でしょうね。ブリーフィングの時も、着陸時もさり気なく触れられていましたから、ありがちな展開としては作戦終了時に使用可能なパラシュートが1つしか残っていないという状況が考えられますけど...さて、どうなりますか。


#26 明日への凱歌

 かなり予定調和的な終わり方であったけれども、「続編にまで引きずり込むような最終回ではなく、しかし物語が終わった最終回でもない」というのがこの作品らしくてよかったです。ラスト数話で描かれたように、結局ヘテロダインの正体真意も不明のままで未だに出現するのだけれども、だからといって人々の生活が無くなるわけでもないのだから、「やれることをやる」。それが時にはサラリーマンなのに巨大ロボに乗って戦う時もあれば、被災者への救援活動だったりする時もあるけど、どっちがどっちでもなく同じことなんだという気持ちが広報2課の面々に、そしてその周囲へと広がっていくのが結局のところこの作品だったのかもしれません。そんな中で一番やられたなぁと思ったのが、タイムリミットになってOE兵器を使用しようとした毒島佐伯が止めて説得した際に毒島が見せた安堵の表情でした。てっきり悔し泣きするか怒るかと思ったのですが、このシーンだけで毒島自身も葛藤していたのだという面を描いて、同時に彼自身を(いろんな意味で)救っていたのだと気付かされました。

 そんなに派手な作品ではなかったけれど、最終回を見終わった後で思い返せば、ちゃんと『形』というか『主張』というか『筋』の通った作品だったんだなと思わせる出来だったと思います。


[Home] [Back]