NieA_7(WOWOW 水曜18:30〜18:55)

はい、ABさんの名前を見つけた時から期待大でした。番宣のまゆ子の涙でそれは確信に変わりました。そして・・・

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#1 宇宙人と、打ち上げUFOの湯

 うわ〜、何ともへっぽこ(誉め言葉(^^;)というか、肩に力の入らないアニメですねぇ。既に宇宙人が存在する(それも生活の中に密着して!)事が日常である世界を舞台に繰り広げられるアンテナのないアンダーな宇宙人ニアとアンダー大学生(大学生未満=浪人生)のまゆ子の一言でいえば『貧乏コメディ!』(^_^; だって、恋愛を軸にしたのがラブコメならば『貧乏』中心なら『貧乏コメディ』略して『貧コメ』ヾ(^o^;ぉぃぉぃ それにしてもまゆ子のキャラがいいですね。シーンの中の何気ない仕草や周囲の人との会話に『まゆ子らしさ』を感じるので気がつくとちゃんとキャラが立っています。しかも内面の心理と直結した過激な描写も『らしさ』を崩さないどころか加速しているんですから見事です。ま、私的にはラストの寝姿で撃沈されたというのは言わずもがなですが(^_^;;;;; で、対照的なのがニア。つかみ所のない、よく言えば天真爛漫でマイペースなキャラなんですが・・・どうしてもエド@ビバップがダブるんですね。作品の世界観から見ても無理のないキャラなんで仕方がないといえばそうなんですが...まぁまだ1回目ですし、今後の成長=演出に期待できると思います。さて、意外や意外、思いっ切りはじけてたのが予備校でまゆ子に声をかけてきたちあ紀。彼女にとって“成績優秀なんだけどちょっと謎”なまゆ子と“モノホンの宇宙人”のニア“美味しすぎるシチュエーション”だったようで、今後も何かと自主的に騒動に巻き込まれそうな気配ですね。命をかえりみないニアの爆弾発言でデカいことが判明していますが、未だ画面で実際に確認されていないので、その辺はWOWOWに期待しましょうヾ(^o^;ぉぃぉぃ

何というか、あのへっぽこで巨大な宇宙船がこの作品のいろんな意味での象徴というか一番体現しているみたいですね。


#2 宇宙人と、暴れ宇宙風呂の湯

 まゆ子内面描写というか心理シーンがもう傑作ですね。動き、メリハリ、タイミング、さらには画風までが相乗してGoodな出来だと思います。細かいこと言えばいくらでもつつくところはあるんですけど、何というか問答無用って雰囲気のパワーがあるような感じです。連想シーンでワンカットだけ出てきたちあ紀存在感というか説得力の大きさがその典型ですね。一方、ニアの方はといえば、ちょっとパワーダウンというか、キャラが違ってた感じです。どっちかと言えばニア『結果オーライ』型で途中の経過は二の次なのに、今回は妙に素直というか大人しかったです。そしてやはりラスト(食人植物の暴走)に絡んでこないのが残念というか...例えば、なかなか弁当を食べさせてもらえないので単独行動をとったニアが食い物代わりに見つけてそのままポケットに忘れていた変な虫が、ラストで食人植物を食ってくれてニア大いばり、だけど副作用(家まで食べ始めるとか、風呂屋ごと繭になってしまうとか)で結局駆除費用で赤字になってしまうんだけど、ニアは我関せずといった顔で余計な一言を言って、まゆ子に殴られてチョン!という方が個人的に好みです。ま、あくまで個人的ですね(^_^;


#3 宇宙人と、レディオノイズの湯

 うわははは、似非インド人宇宙人チャダサイコー!!(←何か変な言い方だ) 最初はただのインド人かと思ってたので、まゆ子のリアクションが妙にでかいなぁと思っていたのですが、よく見りゃ確かに怪しすぎますよねぇ(^_^) 他の宇宙人がアンテナや服装、行動などで多少地球人とは違うかなぁという点がある程度なのに、チャダはあからさまに人間ではない、というか地球外生物の雰囲気がバリバリ(^^; "Mars Attack!"に出てきた火星人が変装した女性といい勝負ではないでしょうか? 声にしても胡散臭さがまとわりついていて得体の知れないキャラ性を加速しています。これと対照的な宇宙人がカーナ似非中国人風という点は似ていますが、言動には人間くささが溢れているようです。そのアクティブな性格といい、宇宙人っぽい妖しさのあるちあ紀と似ているようで、意気投合するか目一杯激突するか早く対面させてみたいですな。しかし本当に電波をキャッチできるんですね、あのアンテナ。妖しい電波を受けてトリップしていたカーナが何だかとてもラブリーヾ(^o^;ぉぃぉぃ 

 そういえばアンテナなしでも各種デンパとかとか(^^;)を受信できる人種が多数集う夏コミではコスプレまではいかないけれどちょっとしたファッションとしてアンテナが流行ったら面白いでしょうね。案外どっかのサークルがグッズとして売り出していたりしてヾ(^o^;これこれ

 それにしてもワンカットで見ると非常に変な絵が多いのにもかかわらず、作品としてその『流れ』の中で見ると違和感なく溶け込んでいるというか、演出効果を盛り上げている感じなのが面白いです。この作品のポイントなのかもしれませんね(それを使う演出も含めて)。でも普通の描写も味があって、今回でも卓袱台に伏せるまゆ子はちょっとドキッとする感じでGoodでしたね。


#4 宇宙人と、新米ウェイトレスの湯

 特にこれといった事件らしい事件は発生しない一日(まぁ、カーナにとってはニアの無断ツケ喰いは重大事件かもしれませんが(^^;)の様子でした。何というか見ていて楽しいとか、面白いとか、萌える(^^;とか、そういった面ではなく(もちろんその面もありますが)、見終わった後の充足感みたいな感じ、手応えとまでいうと大袈裟かもしれませんが、とにかく『存在感』が残るアニメですね。回を重ねる毎に発揮される貧乏性とそれにめげない芯の強さ、でも時折出るドジな面まゆ子を本当に魅力的なキャラにしています。最初でこそ破天荒なニアちあ紀などに喰われるかと思っていましたが、どうしてどうして、今回の話のようなパターンでもニアが浮くのに対して、まゆ子はその地に足のついたキャラなのでしっかりと描かれています。だからこそ、特に今回では、おばあちゃんへの受け答えの微妙なニュアンスでまゆ子の心の動きなんかも感じ取れるんですね。宇宙人がいてもUFOが墜ちていてもそれが『日常』であるようにしっかり描かれているから、現実感のない『ドラマ』というよりは『ドキュメンタリー』っぽい感じをそこここに感じるのかもしれません。

 そういえば田舎の幼なじみ?の源蔵君、彼も今回はいい感じでした。途中まではただの口下手な青年かと思っていたのですが、カーナへの一言が説得力を持って描かれているあたりに感心し(カーナの変化がきちんと描かれているのも同様)、何よりもまゆ子と別れた後で走り出したところで参っちゃいました(^_^) あの瞬間に源蔵君の気持ちがフッと共感できたんです。懐かしさがこみ上げて思わず笑い泣きしちゃいましたね。レギュラーになってくれるのかなぁ>源蔵君 次回登場時は荏の花湯に入りにきたらたまたま番台に座っていたまゆ子とはち合わせ、という定番をお願いしたいですなヾ(^o^;ぉぃぉぃ

 あ、湯といえば毎回入浴シーンがあるのかと思っていたのにぃぃぃぃっ!ヾ(^_^;これこれ


#5 宇宙人と、激枯アミューズメントの湯

 『お約束』がきちんと『お約束』であることがとても心地よいことが再認識される作品ですね。例えば、おばあちゃんがラスボスということがわかった時点で誰もが大なり小なりラスト予見したと思いますが、その上でラストまできちんと持っていく(少なくとも私は持っていかれました(^^;)つくりの丁寧さがその原動力だと思います。ついつい『お約束』から入ったはずなのに照れやら気負いでハズしてしまう作品が多い中で、派手ではないけどこの作品の持つその辺の手堅さが逆に光っているのかもしれません。“問題に頭突っ込んできては墓穴を掘る”カーナは相変わらずなようで、智恵ちゃんのきちんとした対応への戸惑いに意地っ張りに徹せないところや、源蔵君をめぐって全く自覚していないまゆ子にアレコレ矛先を向けたりしている割に空回りしているところに可愛さが見えていますし、“いつもマイペース、誰が何と言おうとマイペース”なニアは他人(特にまゆ子)の神経を逆撫でしながらも決して反省しないところが妙に清々しかったりしているのも、特異的なキャラ性に頼るのではなく、ちゃんとキャラでストーリーを動かしている(ごく当たり前の)ことがさらにキャラに結びついている結果なんだと思います。

 それにしても早くもレギュラー化した感じのある源蔵君、相変わらず朴訥だけどいい味だしてますねぇ...ただ、個人的には申し訳ないけれど、『プラッシー』のクリティカル・ヒットで霞んじゃった感じです(^_^; 昔、米屋から配達してもらってたことがあったので、まさかTVでそのものが出てくるとは思ってもいなかったので一発でせつなさ懐かしさ炸裂状態でした。うぅ、何だか飲みたくなってきたなぁ〜 今飲んでもきっと「こんな味だっけ?」と思うのが関の山だろうけど。そういえば昔は「プラッシーは米のとぎ汁」って都市伝説的ながあったようななかったような...(^_^;


#6 宇宙人と、ライバル銭湯の湯

 おそるべし、似非インド人宇宙人チャダ(^_^) こいつが出てくるだけで作品のテンションというか匂いまで変わるようだヾ(^o^;ぉぃぉぃ それにしてもモザイクがかかるほどやばい『草』なんでしょうか? その辺のドラマなんかでもポンポン出ていたような気がしますが、やはり『子供向け』ということを考慮したんでしょうか(^_^;これの何処が子供向け? しかし今回は定番のキャラから予想外なキャラまで目一杯に壊れていましたね。『火に油』という感じの言美さんは突如現れたライバル店攻略のためになりふり構わない様はほとんどアメコミ調で、『ネコにマタタビ』のちあ紀は『草』の効果が出る前に既に目がいっちゃってましたし、何よりも朴訥で物静かなのがウリだった源蔵君があそこまで壊れてくれるとは...本当に『壊れた』のかと思いましたよ。さらには、そういった『荏乃花湯の存続』で作品のテンションをあげる一方で、『荏の花湯の存在』で言美まゆ子というラインでの奥行きもしっかり出しているあたりがさり気なくも巧いです。本当に笑いも温かさも無理がないというか、自然であるということが派手ではないけれど着実にこの作品の魅力として積み上げられている感じです。


#7 母船と合コンと曇り空の湯
#8 ゆーうつと、夏のぬけがらの湯

 まゆ子の心の動きがよく描かれていた回でした。ちょっとしたズレ、ほんの少しの段差が次第につもると大きなとなってしまうという日常生活というか人間同士の営みではよくある事象をきちんと描いてあったので、見る側にとってはまゆ子の心情への実感が個人的な差はあっても感じられたと思います。だから後から考えてみるとちあ紀の友達にしてもニアにしても別段悪気や悪意はなく、それだけを見ればごく普通の会話になるはずのシーンが、通しではまた別の結果を生み出してしまっている現実に、まゆ子自己嫌悪に陥り、視聴者は何ともいえない陰鬱な気分にシンクロしてしまうんですね。こういう『あって当たり前なんだけどあって欲しくない』部分というか『人のつくり出す陰』を描くのがこの作品に期待したい1つの柱なんですけど、残りの柱とのバランスが非常に難しいだけに安易に期待していいのかどうか悩むところです。


#9 接近遭遇と、雨あがりの湯

 前回、前々回のフォローというか癒し的な回でした。その分ニアの自覚はないけれど結果的に『いい子』的にみえる面が出ていたのでいつもと違うようでしたが、『スッポン』が程良く薬味として効いていた感じですね。すんなり元の鞘に納まるよりはニアの心遣いが空回りしてほろ苦さが出ることで『ちょっぴり昨日とは違う二人』に戻る方が温かみがある演出だと思います。まゆ子の方も一見無駄にも見える米袋のギャグが、話の流れの中できちんと息継ぎ的なポイントとしてメリハリをつけているおかげで、大袈裟に言えばターニングポイントとして活きている感じなんです。その辺のさり気ない気配りがやはりこの作品の味ですね。


#10 蛍火と、夜想曲の湯

 やや日常的な路線に戻ったかのようですが、ニアは自分だけに届く声の意味を考えあぐねて悩むというニアらしからぬ状況の中で何かしらの転機があったのか姿を消し、一方言美さんも(おそらくは荏の花湯の存続問題の、あるいはそれに絡んで自分の仕事関係の)問題に直面したためか元気がなく落ち込んだような素振りを見せて、昨日までとは違う今日という時間を否応なしに通り過ぎている現実を徐々に見せ始めています。この作品の場合、現実というモノが「さり気なく自然」である一方で「避けられない容赦のなさ」という一面も描かれている感じがするので、合間に描かれるギャグがインターミッションとして、あるいは現実を繋ぎ止める反面教師的な楔として活きるために落差の大きさがある程度必要とされているんじゃないかと思います。スーパーに驚いたり落としたアイスに涙するまゆ子や白米に感動するニアも無駄じゃないんですね。


#11 にあ・あんだーせぶんの湯(前編)

 ニアがいない...そのことで日常が日常でなくなる人もいれば、日常がいつも通りである人もいる。そのことを痛いほど感じていたまゆ子が、更に荏の花湯という日常というよりは自分自身の過去から今までの大部分を占めていた世界の一部のようなモノの消滅という現実に向き合わざるを得ない様がシビアにかつ静かに描かれていました。ニアの存在を再認識したまゆ子が再び出会ったときにどんな言葉で迎えるのか、それが楽しみですね...って、いきなり脳天唐竹割りを食らわせたりして(^_^;照れ隠し 


#12 にあ・あんだーせぶんの湯(後編)

 ニアがいなくなって数日、それでも世界は何事もなかったかのように動き続けてその存在の有無が『無意味』かのように見え、人間が管理する社会ではアンダー7であるニアは存在すら認められていないという『事実』に、まゆ子は自分の中にあるニアという存在を再認識し、荏の花湯の存続とニアの失踪がシンクロする形で一層徐々に大きくなる喪失感を感じていたんでしょう。そんな時に実家から送られてきた古い荏の花湯の写真、そこに写っていた幼い頃の自分自身と父親の姿、写真と同じ場所に残っていた柱の傷跡を目の当たりにして、仕方がないという現実への諦めで抑え込んでいた失うモノへの愛おしさが爆発したんだと思います。人間って簡単には割り切ったり切り捨てられるほど単純じゃないですからね(逆に言えば、まゆ子がそれだけ人間らしいキャラなんですよ)。

 それにしても何事もなかったかのように帰ってきたニア、アレコレ考えてみたものの結局力業で迎えてしまうまゆ子、どっちもどっちで、どっちもいつものまま(^_^; でもきっと口には出さない部分で二人とも以前とは違っているんでしょうね。

 ところで、ニアが何でいなくなったのか、何処へ行っていたのか、その辺は語られませんでしたが、それはそれでいいんじゃないかと思います。何よりも「ニアがいない」ことと「ニアが戻ってきた」ことが大事なんですから。


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