ポポロクロイス物語

 最初は全くといっていい程、期待していなかった(ゲームの方もCMしか知らなかった(^^;)のが良かったのか、第1話からはまってしまいました。世界観というのは特に難しいものでも何でもないように感じるのですが、その中でキャラがちゃんと生きているんですね。言葉を交わして思いをぶつけあって一日を暮らしている、その感じが手応えとして感じられる実に温かいお話です。見ている方が感情移入してしまう久々の佳作じゃないかと個人的に一押しにしておきます。ナルシアやヒュウも可愛くていいけど、やっぱ「男のロマァ〜〜〜ン!!」のガミガミ魔王がいい味出してます。でも最近凄いのは何と言っても『お子様三角関係』ですね。大人顔負けのドロドロさに「えぇんかいな」と不安になったり、ピエトロの救い難い鈍さに「ちっがぁ〜〜うっ!」とバンバンTVを叩いたり、女の子二人の駆け引きに手に汗握ったり(^^;といやはや本当に楽しい番組でした。

《感想いろいろ》
“王子がいっぱい”
 龍の力も知恵の王冠もお城も奪われてしまったピエトロ王子は旅に出ます。そこで出会ったのは自称勇者の怪しいおじさん。勇者の証拠を見せてというピエトロに男は逆に王子の証を見せてみろと問います。今までは失ってきたモノに知らず知らずに頼っていた事実に直面してピエトロは悩みます。ヒュウが起、ナルシアが承、おじさんが転、ピエトロが結という感じでストーリーを進めて、ピエトロが自分を掴むまでをうまく描いていたんじゃないでしょうか。それにしても作画陣の方々、ご苦労さまでした(^_^;

“風の呼び声”
 最初は「ポポロクロイスの王妃」ってのを「別にガミガミ魔王と結婚するとは言ってないわ」ってつれなくヒュウがオチをつけるのかと思っていたのですが、事態はより深刻&シリアスでした。まじでガミガミと結婚するつもりだったんですね>ヒュウ それだけ追いつめられていたというか、拠り所が欲しかったんでしょうか。おそらくその辺の気持ちは王妃が一番わかるんじゃないかなぁ...何となくそんな感じがシーンの端々に描かれていたんじゃないかと思います。それにしてもアネモリトスが物語のキーとして謎の石板、竜と人と風族の儀式、滅びてしまったはずの風族の登場と畳み掛けるように話が展開してそろそろクライマックスかな?という高まりが感じさせられていいですね。

“小さな輝き”(最終話)
 子供が成長する=大人になるということではない。そのことをピエトロ、ナルシア、ヒュウは経験し、そして大人達に示しました。特にピエトロはヒュウやナルシア、そして周囲の人々の優しさと強さを感じるだけでない一人の人間として行動できるまでになりました。そのことがアネモリトスの悲劇を繰り返さずに未来とも過去とも幻ともつかない光景、そう“希望”を見せるまでに至ったんじゃないでしょうか? 3人の想いこそがアネモリトスの目指す道だったということを人族と風族と竜族に思い出させるために。本当の物語はここから始まりなんでしょうね。

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