魔法使いTai!(WOWOW 水曜19:00〜19:30)[放映終了]

 私、OVA見ていません。でも番宣で心惹かれるものがありましたし、第1話を見て、その予感確信に変わりました。って訳で、とりあえず小説でも買ってきますヾ(^o^;ぉぃぉぃ

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#1 沙絵と、魔法クラブと、桜の木

 う〜む、何というか話の流れというかが心地よくをくすぐりますねぇ。OVAを見ていなかったので続編ということに一抹の不安があったんですけど、今回のような第1話ならこれまでのあらすじというのではなく作品の雰囲気を何となく掴めたような気がします。それに各キャラのポジションも明確にされていたのも把握しやすかった一因でしょうね。『不思議でほんわか』という感じを基本にしつつも、ラストで不安な陰の予感を見せたりして来週からも期待できそうですね。個人的には(主人公よりも脇というラインが好みなので(^_^;)番宣でも名前を沙絵ちゃんに連呼されていた七香ちゃんがいい感じです。(油壺×高倉はハマリすぎ(^^;)


#2 七香と、ケーキと、危険な夜

 #1よりもさらに日常レベルでの話なんですけど、キャラがしっかり立っているのでストーリーを追うだけでなくちょっとした笑えるシーン(沙絵が鞄のファスナーに指挟むところとか、七香がテーブルに足をぶつけるところとか。特に後者は七香のその後の行動の引き金になっている感じがGoodでした)も違和感無く挟み込まれていて、非常に気持ちのいい話でした。特には前回ほとんど出番がなかったので初見の私は今回注目していたんですけど、思っていたよりは可愛い感じでしたね。「悪意がない」って面が長所でもあり、短所でもあるという感じかな? で、この3人のお泊まりになるんですが、3人の個性を生かしつつ、うまいバランスで3人を絡ませていたので、見ている側にも楽しさが十分に伝わっていたと思います。その辺をきちんと描いているからこそ、ケーキ暴走というアクシデント後の七香心境の変化も納得できる感じになっていたんでしょう。


#3 油壺先輩と、朝顔と、親子面談

 3話目でも落ちない『良さ』にすっかりはまってしまいました(^^; 見所というか、ポイントはいくらでもありますね。言い換えれば何処を見ても面白いんです。お母さんが仕事着(^^;で来たのを見て七香が顔を赤くしたものの笑顔に変わるところは、先週のストーリーの流れを引き継いでいる感じで無理がなく、見ている側もつられて微笑んじゃいます。高倉妄想は相変わらずの暴走ぶりだし、ちゃんはマイペースだし、油壺は母親の登場で変わった一面(キャプション付きオーラはGood(^^;)を見せつつも『高倉への不変の愛』を惜しみなくばらまいているし。でも今回のイチオシはなんといっても沙絵『我慢シーン』でしょう。徐々に迫りくるデッドラインを次第に変わるリアクションで見事に表現し、見ている側も思わず手に汗握りました(^_^; これでテンションを引き上げておいて、油壺×高倉で一気に落とすというのも見事でした。

さて次回はいよいよ謎のキャラが関わってくるようで、楽しみが増えそうです。


#4 沙絵と、風呂場と、扉の向こう

 魔法が失敗したと見せかけて(実際に失敗しているんですけど)実は部員それぞれの個性を出す演出だったんですね。素質故にかちゃっかりコツをマスターしている、知らず知らずのうちに欲望に引きずられている高倉(色欲)と七香(食欲)、無意識か意識的にか己の求めるもの(高倉)の元へと現れる油壺、そして一番無意識故に混乱した沙絵。それぞれの対応やクロスするタイミングなんかは見事でした。その辺の絡み合いの合間に、一本の糸を通すかのような謎の少年沙絵との出会いも非常にうまく滑り込ませてあって、これまた違和感なく見れましたね。全体としても最後に部室に全員がちゃんと集合するあたりまで、絡んだ糸をほぐすように“スッキリ”とまとまっていてGoodでした。


#5 茜ちゃんと、しゃっくりと、アヤシイ関係

 とにかく高倉先輩持ち味全開という感じでGoodでした。妄想は入りまくるは、妖しいBackGroundSongはかかるは、表情の変化を見ているだけでも十分楽しい出来でした。もちろん相変わらず一人想像が突っ走っている割には要所要所でボケかましている沙絵(でも公園のベンチの後ろでこぶしを握り締めた真剣な表情もまたイイ感じ)とか、憎まれ口をたたきながらも沙絵を気遣っている感じを何気なく見せる七香とか、高倉一筋というかそれしか目に見えていないがゆえに鋭いところを見せたりする油壷とか・・・そして我が侭で周りを翻弄しているようで根は素直なところもある、ある意味で本当の小悪魔的なとか、各キャラが本当に個性を発揮しているので1話全体のテンションが下がらないですね。それにしても徐々にクラブに面々に近づいてきた謎の少年、次週は高倉あたりがターゲットでしょうか?


#6 高倉先輩と、やっこと、秘密のデート

 階段を上ればその先に待つ落差を予測することはできる。しかし、その段差をどんどん小さくしていけば、終いには階段は坂道となり、坂道であるという基準を見失ってしまえばその先に待ち受ける崖の高さはおろか、その存在すら直面してみないと現実として認識できなくなってしまう。まるでじわりじわりと真綿で首を絞められているような感じのちょっとホラーっぽいお話でした。

 沙絵が遭遇した様々な違和感ギャップはそれこそ些細なもので、「ぼんやりしていた」とか「夢見ていた」という言葉で片づけられるものでした。でも、それらは確実に沙絵の、そして視聴者の視界に薄いヴェールとなって覆い被さり、気がつけば周囲の現実感を失う恐怖を感じてしまうのは演出のうまさですね。そのヴェールが取り払われる瞬間のモーフィング処理がまた非常に効果的でGoodでした。


#7 沙絵と、トマトと、絵筆のダンス

 今回は沙絵と魔法、そして魔法クラブの存在とを絡めたお話。魔法クラブにとっての自分、自分にとっての魔法クラブ、今まで日常としてごく普通に感じていたことに沙絵が考え始めたきっかけは近づいてきた文化祭の準備でした。油壷七香が他のところで頑張っているように見える沙絵には、それと対照的な自分自身に『差』を感じてしまい、さらには魔法クラブに頑張ってくれないように見えた皆への気持ちの裏返しから『戸惑い』『不安』に包まれてしまって、ちょっと見ている側が可哀相なぐらいでした。でも、悲壮感が漂わないのは沙絵(とその周囲)のキャラクタゆえなんでしょうね・・・「だ、大丈夫さ」「だいじょうぶだって!」「だいじょうぶじゃないですかぁ」「大丈夫だよ」、そんな言葉が聞こえてきそうな作品の世界が出来上がっているのがこの作品のいいところだと思います。

P.S.高倉の妄想の現実感は今回ハイレベルでしたね。思わず「おぉそっちの路線に変更したのか!」って納得&凝視してしまいましたがな(^_^;


#8 アリスと、踏切と、ソースせんべい

 何というか、OVAを見ていない人間に見たくなる気持ちを起こさせる見事な演出でした。伏線をはることで今後への期待感を持たせるのはよくやられるんですが、1シーンからそこに至るまでの伏線への期待感を盛り上げるというのは始めてでした。下手をするとOVA未見の人間にとっては「何じゃこりゃ?」という結果に陥るところを、七香油壷の二人、特に七香の「笑っているんですから」という涙もののセリフが見事に物語の流れを断ち切ることなく、過去にあったであろうエピソードの存在感を醸し出していました。

 またJの存在を絡めた文化祭の一日を魔法クラブ(とその周囲のメンバー)の個性を失わせることなく纏め上げて楽しさを見せると共に、祭りの終わりの一抹の寂寥感を#7のエピソードで沙絵が描いたアーチが外され、翌日の朝には取り壊されていたシーンであらわすことで、1話としての程良い締まりが出ていたのがGoodだと思います。

ちなみにシリーズ構成の小中千昭さんのWebにて映研の映画の元ネタの話が再掲載されています。


#9 振袖と、短パンと、華の時代

 今回のお話のポイントは、今まで幻か見間違いで片づけられかねない存在であった“J”が、予想外にも実在の生徒であったという点でしょうね。ただし、沙絵の問いかけに対しても一旦は否定したもののどうしても心に引っかかったのか“J”にたずねていた質問、「最初からいたの?」でも伏線がはられているように、魔法と密接に関わりのある“J”にとっては他人の記憶すらその対象になってしまうのかもしれませんので、「実在の生徒」であるかどうかも危ういですけれど。

 そこで気になるのは今まで以上に沙絵達にアプローチしてきた理由ですね。彼が魔法クラブの面々に手を出す事で何をしようとしているのか、あるいは何をさせようとしているのか、その目指すところは何処なのか・・・今のところハッキリとはしませんが、少なくとも魔法クラブを敵視しているのではなく、その存在を利用しているところからも『魔法の存在』というか『魔法の拡大』がベクトルの一成分であるという感じがします。どうしてもという場合は何らかの手助けをするけども、必ずしも味方というわけでなく、時には事態の混沌化に一役買っていたりするのも魔法クラブの面々が表向きは自主的に魔法を使うシチュエーションを作り出しているかのようです。時には今回のように直接的に魔法が関与するケースではなくても、魔法を使う人間のメンタルな部分に干渉する事で、知らず知らずの内に向きを変えられている場合もあることから、“J”の用意周到さと目的とするところの重大さが垣間見えますね。

 ところで“J”によって舞台上に引っ張り出されたがセリフを入れ替えて演じる事で、母親に自らの状況を皮肉ってみせるあたりはカエルの子はカエルという感じでGoodでした。似た者同士っていうのかな、親密って感じじゃないけど疎遠でもなく、繋がっている部分がしっかりとあるという感じの親子なんだなぁって思えました。


#10 雪と、子馬と、ファースト・キス

 今回はキスに始まりキスに終わったお話でした。従姉妹の結婚式に向かうための空港に、男の車で乗り付けた姉が別れ際にキスしたのを偶然見てしまった沙絵。これがいろんな方面に直接的にあるいは間接的に影響を及ぼしてしまうのですが、最大の出来事は“J”にキスされてしまった事でしょうね。まぁあんな登場のされ方したら無防備になってしまうのも沙絵らしいといえばそうなんですけど(^_^; 一方でその沙絵“J”との関係を心配していた高倉も、“J”の実力を知るや舞い上がってしまい、必死に電話してきた沙絵の気持ちを感じてやる余裕すらありませんでした。

 という感じでいよいよ“J”がアプローチを強めてきたというか更に干渉をかけてきたんですが、思ってた以上に“J”の目的が重要なのか、それらも予想以上のものになっていました。やはり『魔法の使用』にポイントがあるらしく、さり気なくかつ執拗に沙絵に囁きかけて、『魔法は万能ではない』というミッキー先輩のリミッターを外そうとしますが、人の想いを大事にする沙絵だからこそ、まだ最後の一線を越えずに踏み止まっている様子でした。が、キスという予想外の楔が撃ち込まれてしまった以上、楽観はできないでしょうね。


#11 茜ちゃんと、鏡と、歳末バーゲン

 いやはや、魔法クラブの面々には危害なしという前言を撤回します(^^; もうやりたい放題で干渉し始めた“J”の為に沙絵をはじめ、高倉油壺七香、つまり全員が少しずつではありますがズレを見せ始めています(魔法クラブ外でも間接的に影響を受けている人もいますが(^^;)。今まで認めてもらえない事への焦燥感と責任感、今までの日常では認めたくなかった存在、今まで忘れていたと信じていた想い、今まで自分の好きなようにやってきたと信じていたが故に存在するはずのない後悔や諦めた望み、それらは存在していてもいなくても、決して他人には見られたくないモノ。そして見られてはいけないモノでしょう。何故なら見られることは自分がわからなくなるから。それ故依存し、拒絶し、否定し、取り込まれてしまったんじゃないかと思います。さて残り少ないのにこの大問題をどう解決するのか。ミッキー先輩の登場とともに楽しみですね。


#12 タコと、稲妻と、ミッキー先輩

 巨大化したを止めようと奮闘する沙絵を目の前にして、七香は協力する内に思わず頬を引っ叩いてしまったわだかまりを溶かしていきます。そして二人の想い(というか熱意か?)が合わさった時、不安の巨大さ故に自分の都合のいいものしか見えず聞こえなかったに二人の声が届き、を現実へと引き戻す事が出来ました。しかし、喜ぶ沙絵七香の前に突如と現れたJ、そしてJに向かって魔法を放ったミッキー先輩、二人は魔法を駆使した戦いへと突入していくのでした。

 というわけで、前回のちゃんの騒動の結末から更に大きな騒動へと発展していくお話でした。ポイントは何といってもミッキー先輩でしょう。流石はのなせる技か英才教育の賜物か、魔法クラブの面々とはレベルの違う魔法を使ったりするんですが、それよりもJとの一戦を終えて魔法クラブの面々に真実を、沙絵には受け入れ難い真実を隠す事なく明らかにする一面とか、その一方で沙絵の耳元で囁くように語った言葉に込めた想いとか、今までにないキャラで今後とも話の、特に沙絵の今後に影響を与えそうですね。で、こんな強力なキャラが出てくる一方で、これまでのキャラもきちんと描かれているところがいいですね。七香油壷の駅の階段での間合い視線とか、相変わらず煩悩に浸りながらも今回は最後の一線で踏ん張るところが見られた高倉とか、前回の話を引っ張って可愛さ急上昇中の瑞葉とか。1話としての流れの中に、シリーズ全体に繋がる流れ、各キャラがもつ流れを編み込んでいて密度の高い作りが本当にGoodです。でも「魔法の楽しさ」が拠り所であった沙絵に、それこそがJ(を生み出した原因)であるというミッキー先輩の指摘は傍で見ていても辛すぎますね。もうちょい言い様があるかとは思うのですが、下手に言えば思い込みの激しさ故にどんどん事態がこんがらがる沙絵の性格を知っているミッキー先輩だからこそ、敢えて明確な言葉にしたのかもしれないなぁ〜というのは贔屓目ですか(^_^;?


#13 沙絵の魔法、沙絵の気持ち、いつまでもずっと

 やっぱり沙絵が主人公だなぁ〜ってことを実感できた最終回でした。魔法に対する恐怖心も裏返せば周りの人たちへの優しさであり、高倉への想いであったわけで、無意識に「本当は大切なのは何?」ってことに答えを見つけられた沙絵にとっては乗り越えられないではありませんでした。そして魔法クラブの面々もそれぞれに一歩を踏み出して、またみんなが同じ場所に集ったってことでしょうね。沙絵高倉告白シーンなんか最高でした(思わず「キックオフごっこか!?」と口走ったのは年寄りの証拠(^o^;)。ズンとではなくポンと軽くだけど優しく心に響くようなまとまり方で個人的には非常にGoodだったと思います。やっぱりOVA買おう(^_^;


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