425号
2012年5月8日

主な記事のインデックス

 杉並区の井草区民センター事件、最終決着へ

 びばあちぇ(21)


 
自治体と委託労働者が協議ルールで合意

  =杉並区の井草区民センター事件、最終決着へ=


 井草区民センターの委託先労働者(分会)が、発注元である杉並区に対する団交応諾義務の存在を争ってきた都労委係争事件は、区が今後は委託先の労働条件と雇用問題について協議を求められれば誠実に対応することを認めて、このことを労働委員会の和解調書で確認しました。これで杉並区の井草事件は、委託企業と争われた解雇事件に続き、全面的な勝利の決着を見ました。
 調査調書(和解)で確認された要旨は、@区は区民サービスの直結する委託業務について、業務の継続性及びサービス水準の確保に関連する内容であれば、委託者の立場で、団体交渉という位置づけではないことを前提に、従来どおり、必要に応じて申立人組合との話し合いに応じる。 Aこれには、受託者等の変更に際して生ずる問題も含む。 Bこれには委託労働者の労働条件、労働環境問題も含む。
 などとして、事実上委託替えによる、新旧業者間との雇用継続・確保問題と労働条件についても、協議するルールが合意されました。
 また昨年来争われている最中に、杉並区は「公契約等における適正な労働環境の整備に関する要綱」を定め、この四月から実施するなど、委託労働問題に積極的な動きを示しました。

委託労使問題の基本責任は行政にあり

 委託労働者の労働条件と業務サービスを実質的に決めているのは行政です。業務委託労働者は発注元の自治体が第二の使用者(親会社)の関係におかれます。委託替えで起きる解雇は行政の都合で生じる雇用問題です。委託労働者の賃金がどこも最低賃金ぎりぎりなのも、発注元の「委託単価買いたたき」「入札ダンピング」の強制の結果です。委託替えの度にこうした攻撃にさらされる労働者を公共一般は組合に組織して、原則的に自治体に直接団交を求めています。拒否すれば直ちに労働委員会で取り上げる事も原則としています。単に「要請」しても決まって「民間の労使関係には関与しない」と、解雇や労働条件に目を背けます。井草区民センターは委託企業との間で昨年末、解雇問題などが全面解決しました。しかし、区の民営化路線が変わらない限りこれからも同じ事が繰り返されます。そこでその後は直接区を相手に争ってきました。その結果今回の重要な交渉ルールを築かせる事になったものです。


 びばあちぇ(21)
 女たちの闘い 〔本部書記長  T〕

 中央メーデーのデモ行進の先導車で、うたごえのアナウンスをしながら公共一般の隊列を見ると、「がーんばーろー 突き上げる空にー」と組合員達が大きな口で歌いながら歩いている。
 「よかったな、今年も沢山の組合員がメーデーに参加できて」と微笑んだ。首切り、不当配置換え、賃下げに民間委託。厳しい闘いを超えて桜が咲き、四月の人事異動で職場は一年間で一番困難な時期が過ぎるかどうかの頃に労働者の祭典・メーデーがやってくる。今春闘も組合員と一緒に闘いのドラマを創り、涙してきたことに思いを巡らせた。
 二月二十二日、墨田支部が区庁舎前朝ビラ配布を行った。集合時間に区庁舎前に着くと、支部長・書記長・二重加盟と数人の支部執行委員しかいない。しかしビラは、「それでも地方自治法にしがみつく、頑迷固陋な墨田区当局」の見出しが強い字体で記載されていて、闘う姿勢が鮮明だ。
 八時を過ぎると、執行委員の女性たちが次々と自転車を走らせて到着した。彼女たちは区庁舎に着くなり、ビラを持ち、「おはようございます。公共一般です」と一人ひとりの職員に切実な様子で手渡していった。
 朝ビラが終了して、組合事務所に向かうために銀座線に乗り込むと、彼女達の一人一人の顔が浮かんだ。子ども、夫に炊事・洗濯、中には老親の親の介護や孫の世話をして、ようやく組合活動に参加しているのだろうと心を寄せた。そして、自分と家族のために闘う彼女達に「女たちが闘っているな」と嬉しくて涙が滲んだ。必然と、この組合員が笑顔に変わる奮闘をしようと力が入った。
 非正規・関係労働者の闘いのドラマは続く。組合員達を丸ごと受け止めて、時に涙しながらドラマを描いていこう。
※頑迷固陋―がんこで見聞が狭いこと