427号
2012年6月12日

主な記事のインデックス

 北区庁舎清掃業務で二重委託
労働者全員を雇用継承させると同時に賃上げも実現!

 委託先の組織化と運動こそ必要
 声をかける勇気が運動の前進に 組織集会の交流を糧に
 びばあちぇ(23)


 
北区庁舎清掃業務で二重委託
労働者全員を雇用継承させると同時に賃上げも実現!



 四月初旬、新たな相談が舞い込みました。北区庁舎内の清掃業務をしている労働者からでした。「入札によって四月から新たに業者が替わったが、突然五月十日で解雇通告された」というものでした。
すでに労使関係のある業者が、他の自治体で違法行為
 受託した業者は、株式会社プロスペック(以下、プロスペック)。現在、多摩南部地域分会の交渉相手となっている業者でした。相談からプロスペックが東京ビスシステム株式会社という業者に、違法の二重委託(丸投げ)を行っていることがわかりました。

区も巻き込んで、業者、区と同時進行で団交

 二重委託という明らかな違法行為が発覚したことから、組合は、発注元の北区に団交を申し入れると同時に、本来の受託業者であるプロスペックにも団交を申し入れました。
 四月二十四日、プロスペックとの団交で、会社は「北区からの指導もあり、今いる労働者全員を試用期間六月二十五日まで雇用継承した」と回答。組合は「単年度の委託契約なのだから少なくとも単年度雇用に延長すべきである。試用期間後も全員雇用継承するよう」求めました。
 また、このような不祥事が発覚したことで、次年度入札に指名されない可能性が高いことから、次年度落札した業者に労働者の雇用継承を必ず働きかけるよう求めました。会社も組合の主張に理解を示し、「成績のいい人が仕事を続けてもらうのは当然のこと」と回答し、時期が近づいてきたら、再度交渉することになりました。

北区の違法黙認の態度は許さない

 五月九日、北区との交渉で違法を黙認してきた責任を追求し「雇用延長」「賃上げ」を要求。違法行為を把握していたかどうか、区側は終始押し黙っていました。しかし、庁舎内の足元で起こっている違法実態を「全く知らなかった」という態度はあまりに無責任です。北区は過去にも、委託した東宝クリーンサービスの倒産による不払い賃金問題を放置したり、ごみ回収業務を派遣労働者に三年以上働かせて直接雇用しないなど、数々の問題を放置・黙認してきた問題の多い自治体。今回を契機に北区は違法根絶の施策をうつべきです。

全員雇用延長、時給二十円アップ実現!

 その後、組合員から全員が今年度末まで雇用延長されたこと、時給が八百五十円から八百七十円に二十円引き上げられたと連絡が届きました。業者、区、双方を動かして、二重委託是正→解雇撤回→雇用延長と賃上げ実現、職場を一気に改善できたという典型的な事例となりました。今後、更なる組織化と雇用継承に向けた交渉に取り組んでいきます。 【松園】

 
委託先の組織化と運動こそ必要
自治労連中央委員会で発言


 五月十一〜十二日、自治労連中央委員会が盛岡市で行われました。公共一般からSオルグ、介護・福祉労働組合からOさんが、中央委員として参加しました。
 S中央委員は、広がる委託民営化路線をいかに反撃していくのか、この間の公共一般のたたかいを踏まえて発言しました。大要を報告します。
 S中央委員は、全国に広がる公契約条例の制定をめざす運動に触れながら、この運動を、「行政でルールを作り、業者の横暴勝手なやり方に規制をかける、トップダウン型の運動」と指摘。しかし同時に、「『条例ができれば委託先は大丈夫』ということにはならない」と、新宿区路上パトロールと北区の庁舎清掃の事例を挙げながら紹介しました。
 そして、委託先の労働者の働く権利を守り、公共サービスの質を低下させないためには、「委託先での組織化をすすめ、現場の問題を正していく、ボトムアップ型の運動が必要」と、杉並区民センターの委託をめぐる運動の教訓を示しながら強調しました。
 また、いま国会で審議入りしようとしている有期労働法制問題でも発言。民間で「五年雇い止め」が合法化されれば、「運動によって雇用継承を勝ち取ってきた私たちの闘いの到達点が大きく後退することになりかねない」と警鐘を鳴らしました。


 
声をかける勇気が運動の前進に
 組織集会の交流を糧に


 五月二十七日に行われた公共一般組織集会には、本部と十六支部から四十一名が参加しました。全体会での情勢学習と、分科会の討論での支部から報告された経験と教訓は、どれも有意義で充実していました。たとえば、豊島支部では「サマーパティー」を実施し、新入職員を歓迎するなかで、組合員の加入がすすんでいます。四月五月の新歓時期だけでなく、常に労働組合から声をかけていくことが、成果につながっています。
 また闘いの中でも、組合員拡大の成果が上がっています。文京区では、児童館・育成室障害児の非常勤職員が、時間削減反対の闘いで三十名加入。八王子市の学校開放員の職場では、委託替えに反対する最初の組合員三名が声をかけて二十名を超える組織化の成果をあげました。江戸川区の自然動物園でもパワハラ問題で七名が加入。そのほか、各支部・分会で組織拡大の成果があがっています。
 参加者の発言・感想では、「行政が委託を進めていく社会的背景がよくわかった。労働組合を組織していかないと、自治体そのものがなくなってしまう」「職場を辞めると、労組も脱退してしまう雰囲気が根強いから、何とかしたい」「正規労組との協力と共闘が不可欠」との声がありました。公共一般の運動をさらに発展させるために、組織集会での意思統一を六月の中央委員会、十月の定期大会へとつなげていきましょう。 



 
びばあちぇ(23)
 あんなに謝らなくていいのに・・・ 〔目黒支部  H〕

  執筆当番の連絡をもらった夜、さて何をテーマにと考えていると、テレビでは人気お笑いタレントの母親が生活保護を受給していたことが盛んに報じられている。そもそも、こんなデリケートな個人情報が堂々と報じられていること自体問題だが、金額ベースで0・四%程度の「不正受給」を槍玉に挙げて、本来の生活保護の役割りや制度内容は知らせず、生活保護に対するバッシングが繰り返し行われている。
今年に入ってから立て続けに発生した餓死・孤独死の悲報はまだ記憶に新しいが、生保受給を悪者扱いするこうした報道が、新たな餓死・孤立死を生み出す可能性は大いにあるだろう。
 消費税が三%から五%になり、医療改悪が行われた翌年の一九九八年。健康問題を原因とする自殺者は一万三千六百五十九人から一万六千七百六十九人に、経済・生活問題を原因とする自殺者は三千五百五十六人から六千五十八人に(小泉内閣発足後二〇〇三年には八千八百九十七人)それぞれ急増し、一気に三万人を超えた。以降十四年連続でこの状況は続いているが、消費税が十%になれば自殺者は五万人を超えるのではとも言われる。
 餓死・孤独死にしても、自殺にしても、財界言いなりで格差と貧困を増大させる「政治災害」により、残念ながら毎年のように3・11以上の規模で死に追いやられているのが現状だ。
 思いがけず暗い話になったが、自治体に働く私たちがバッシング報道に惑わされること無く、住民を守るセーフティネットを守り、活かすことが大切と改めて思う。よし、原稿内容を考え終ったのでビールでも飲もう。