428号
2012年6月26日

主な記事のインデックス

 新国立劇場解雇事件 高裁差し戻し審不当判決 「組合嫌悪の契約切り」不当労働行為認めず

 「受託業者のパワハラ解雇を撤回!」
〜 悔し涙から今は声を弾ませて 〜
 びばあちぇ(24)
  「5年雇止め」を合法化する「労働契約法改正案」の廃案を!


 
新国立劇場解雇事件 高裁差し戻し審不当判決
  「組合嫌悪の契約切り」不当労働行為認めず



 新国立劇場が合唱団員八重樫節子さんを不当解雇した事件で、最高裁差し戻し審判決が六月二十八日に東京高裁で出されました。八重樫さんの組合活動を嫌悪して、契約を打ち切った事が審理で重ねて明らかにされたにもかかわらず、高裁の斉藤隆裁判長は、「不当労働行為には当たらない」として、動かせない多くの事実から目をそらした極めて不当な判決です。


労働者性を認定、団交拒否も不当と認める

 一方で八重樫さんは最高裁の判決で「財団に使用された関係の労働者性がある」ことをこれまでの闘いで勝ち取ってきました。それまで裁判所は労働者性について否定し、従って不当解雇には当たらないとしてきました。今回の再審で高裁は、労働者性はさすがに認め、八重樫さんの雇用を打ち切る口実にされた「試聴会(オーディション)」についても「試聴会のありかたについて団交を求められればこれに応じなければならない」とした点は注目できます。そして財団が八年前に団交拒否したことは不当労働行為であるとの中労委命令を改めて認定したことで、財団と国が八年間ものあいだ協議を拒否し続けてきた責任の重大さが改めて断罪されたわけです。


「組合つぶし」に目をそらし続ける裁判所

 新国立劇場のソプラノ・パートリーダーであった八重樫さんは、日本の合唱団員としては初めて国費のウイーン留学を果たした実力者です。それが帰国してすぐあとの「試聴会」で、財団は契約を打ち切ってきたのです。このとき絶大な采配権を握っている合唱指揮者は、日頃から「組合は嫌いだ」と嫌悪感も露わに振る舞っていた人物です。実は八重樫さんは、劇場専属の歌手たちを毎年ふるい落としに掛ける試聴会のやり方は間違っていると改善を求めてきました。また彼女が切られる二年前にも、合唱指揮者が大量の打ち切りをした際にも、団員たち三十人を集め当局と話し合って、回復させるなどして先頭に立って奮闘してきました。この様な八重樫さんの存在を、財団が嫌悪し排除するため突然契約解除をしたことは誰の目にも明らかです。この事実をきちんと判断せず、これまで七回の裁判と二度の労働委員会も不当労働行為を認めませんでした。そこには芸術家は労働者とは別だという裁判官の偏見や、世界からも遅れた新国立劇場の古い支配体制が幅を利かせているからだと云えます。なんとしても八重樫さんを勝利させることが、古い支配体制を打破していく事になることを、この闘いは私たちに教えてくれています。音楽家ユニオンの八重樫さんは争議の中で公共一般にも加盟をしています。私たちは音楽家ユニオンとしっかり結束して、勝利のために最期まで奮闘しましょう。【ラ・パロマ】


「始めに結論ありき」の不当判決を乗り越えて、闘おう

  (公共一般職場コーラス・コールラパス代表)

 とても不当で残念で悔しい。コールラパスは署名や沢山の支援コンサート、オペラ公演日の劇場前宣伝行動には毎月欠かさず多数で取り組み、そして最高裁の重い扉を開かせ「音楽家も労働者」と認めさせました。その差し戻し審での思いもよらない不当な判決です。最大の問題は、団員のために献身してきた芸術家を全く別の企みから切り捨てたことを裁判所はこれを違法としなかったことです。芸術活動をする場で、人間として振る舞うことが許されないなら、芸術家には憲法が保障されなくてよいと言う、それは恐ろしい世界の出現なのです。きっと勝利させて、新国立劇場や舞台に関わる人たちの地位向上に繋がる結果を出したいと強く願って、一緒に奮闘しましょう。


八重樫節子さんのコメント

 沸々と怒りがたぎってきました。ここで放り出すわけにはもちろん行きません。力を振り絞って、頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。



 
「区の責任が問われている」と中野区庁舎前に六十人

 五月三十一日、中野区庁舎前で「南さんと荒木さんを打越保育園に戻せー」「中野区は保育への行政責任を果たせー」と二十団体六十人の支援者らが声をあげました。
 行動は、全労連と東京地評主催の争議支援行動のいっかんとしてとりくまれたもの。東京地評の木原秀子副議長が、「働く者の人権と尊厳を守るために争議に勝利したい。同時に、中野区の管理責任も問われている」と主催者を代表しあいさつしました。
 そして、原告の南さんが「子どもは脅され、保育士にはいじめ・パワハラが日常茶飯事。これでは子どもの心は育ちません」と保育現場の実態を告発。荒木さんは「良心と勇気を持って告発した私たちが解雇され、不当配転を受けた。打越保育園は区立園。利益優先の企業園ではなく、区民のための福祉充実をこそ」と区の姿勢を指摘しました。
 その後、代表団が原告の職場復帰などを求めて区に要請。当局は部屋を用意し要請書も受け取りましたが、「今後も対応は変わらない」とかたくなな姿勢を取り続けました。


千五百人分の署名が返ってきた!?

 六月十四日朝、とても驚くことが。ピジョンハーツ株式会社から分厚い茶封筒が届いたので「なんだろう?」と思い開けてみると、署名用紙の束が入っていたのです。四月二十七日の本社前行動の際に、会社役員に直接千五百人分の署名を手渡していました。
 手渡した署名をつき返してくる――そんな話、聞いたことがありません。
 封筒の中には、「書類の返却について」という文書があり、返却の理由について次のように書いていました。「当社は『お預かりする』と申し上げた上で受け取ったものであること、および署名欄に個人情報に関する表記があり、当社は同情報を責任をもって管理する立場にない」
 しかし、署名をされた方々はそれを承知のうえで公然と意思表明をされたのであり、一筆一筆には貴社との紛争を一刻も早く解決されることへの願いが込められています。今回のピジョンハーツの行為には、一人ひとり思いを大切にしない会社の姿勢があらわれていると感じました。
 争議団はすぐに抗議文を送り、今後の誠実な対応を求めることを申し入れました。
 署名は連日続々と全国から寄せられています。今回返された署名を合わせれば六千筆近くになります。不当ないやがらせに屈することなく、二度、三度、四度…と署名を送り続けましょう。
 


 
「受託業者のパワハラ解雇を撤回!」
 〜 悔し涙から今は声を弾ませて 〜


 板橋区の学校給食の委託職場で調理補助として働くKさんの解雇を撤回させ、区内の別な中学校への異動で雇用継続を確保しました。
 Kさんは五月二十日受託会社から電話で自宅待機を命じられ、翌日には担当部長から電話で解雇を通告されました。理由は「はじめの一ヶ月ちゃんと教えたのにミスが多く覚えが悪い、職場のみんながKさんを受け入れないと言っている」と、彼女の人格を傷つけ続けたチーフやベテランパートIのいじめを容認するものでした。
 さっそく組合は会社と団体交渉を行い、委託元の板橋区にも事実確認と指導することを要求しました。資格要件を満たしているのに雇用保険に加入させていない、当該労働者たちは就業規則も見たことがない、労働条件通知書ももらっていない等、法律を守っていない会社に行政が委託していることは問題だと追及した結果、業者は慌てて解決に動き出しました。板橋区職労と区労連にもバックアップを要請しました。
 交渉を重ね、ついに解雇撤回。失職中の一ヶ月間の賃金を十割補償させ、パワハラの件は今後引き続き協議することを確認させました。
 新しい職場に移るのが不安だったKさんでしたが、出勤一日目の夜、電話で「本当にこの学校に変わってよかった。チーフをはじめ職場の人たちがみんいい人たちで、本当に安心しました。」と弾む声が返ってきましたました。


 
びばあちぇ(24)
 ファザコン娘の育て方 〔板橋支部 N〕

 我が家には、成人した二人の子ども(長女長男)と今年二十歳になる末娘がいる。
 この末っ娘が自他共に認めるファザーコンプレックス、世間でいうファザコンである。
 何しろ父親と気が合う。父親の方もすでに末っ娘しか相手にしてもらえないので、あれこれと気を使い気持ちを引こうとしている。気に入ったお菓子や珍しいお菓子を買って来ては、末っ娘に声を掛けて二人で感想をいいながら食べていたり、テレビを見ていても笑いのツボが同じなのか、大きな声で同時に笑う。見たい映画も一緒で、私が興味を示さないと、「こんな面白い映画がわからないなんて」と二人でさっさと行ってしまう。
 世間では思春期になると、それまでとは違い急に父親から遠ざかり、口をきかなくなるというが、確かに長女はそうだった。しかし末娘にはそれが全くなかった。逆に父親には全面的信頼を持っていた。
 それというのは、中学年の時に睡眠障害が原因で突然不登校が始まり、なぜ睡眠障害になるのか私には理解できなかった。本人も明け方まで眠れないとしかいわず私はイラついていた。 しかし父親の方は、俺と似て正義感が強くて、まじめで繊細だからいろいろある。学校行かなくてもいいと、全面的理解者になって末っ娘を擁護した。それから末っ娘は私の一番の理解者は父親とファザコンの道に入っていった。




 
「5年雇止め」を合法化する「労働契約法改正案」の廃案を!
 
 有期契約労働の規制と称して、実際は「五年雇止め」を合法化し、無期契約に切り替えても労働条件については差別を容認する「労働契約法改正案」が国会に提出されています。
 この法案は、「消費税増税と社会保障の一体改悪」をめぐる国会情勢の混乱のなかで国会審議がどうなるか不明な点もありますが、労働政策審議会の段階で「使用者側」の圧力のもとで労働者側の「連合」も合意していることから、審議が始まれば民主・自民・公明の賛成でまともな審議がないまま成立する可能性があります。
 しかし、法案の内容は、「有期契約で五年を超えて契約した場合、労働者の申し出があれば無期契約にしなけれならない」というもので、五年のカウントも法律施行後からで、法律施行まで何十年更新して働いていてもカウントされないというひどいものです。これでは、使用者が「無期契約」にしたくないとして五年目(前)に契約満了として「契約打ち切り(雇止め)」することが合法だというお墨付きを与える「五年雇止め合法化法案」です。法律施行後五年目に有期契約労働者の大量の「雇止め」が発生する恐れがあります。
 「労働契約法」は公務員には適用除外(任用論)ですが、公務非正規職員の雇用継続を求めての現場での闘いの到達点に悪影響がでる恐れがあります。
「五年雇止め」を合法化するこの法案の廃案をめざして奮闘しましょう。