433号
2012年9月11日

主な記事のインデックス

 8・31学習決起集会

 自治労連大会 in松山
 すき家証人尋問
 びばあちぇ(26) 
 連載  わいるどふらわー 39


 
8・31学習決起集会
 
五年雇止め阻止!都庁に団交権を!気持ちも新たに

 八月三十一日、「都庁非正規雇用労働者団交権確立支援共闘会議」主催の「都庁内非正規雇用労働者の団交権を確立!五年雇止め阻止!雇用を守り、一時金・退職金と権利休暇獲得など賃金・労働条件の改善をめざそう!8・31学習決起集会」がラパスホールにて開催されました。公共一般各支部、東京自治労連、自治労連都庁職、東京地評などの各団体をはじめ、総勢五十名を超える参加者となりました。

東京都の異常な敵視政策

 集会では、この間たたかわれている都を相手とした、一連の争議の重要性と内容、小部弁護士の講演、争議当該の職業訓練校非常勤講師と消費生活相談員の訴え、相談業務の実情を表した寸劇による、学習と今後の闘いの決意を深めました。
 都庁内の非正規雇用労働者には無権利な現状が多々あります。一つに、育児休業が未だに取得できず、子育てのために欠勤三日のペナルティ扱い。結果、仕事を辞めなければならないという働く者にとって当然の権利を奪われています。また、年度末には、不当に強行した五年有期による、大量の専務的非常勤の解雇が迫っています。
 さらに、正規職員連動の一方的な賃下げなど、いずれの問題に対しても要綱に係わることでありながら、それを決定する総務局が交渉の場に出てこないという事実上の団交拒否を続けています。こんな不当な都の対応は許せません。

都の逆行は許さない

 五年雇止めの問題は、これまでの解雇撤回闘争の成果に逆行するものです。公務員には適用除外とされながらも有期労働契約法を持ち出して、新たな五年有期が各自治体に及ぶ危険性に注視しなければなりません。
 都の五年雇止めは、有期労働契約法の先取りした攻撃です。撤回に向けた、たたかいを一層強めていきましょう。

組織拡大で、要求実現を

 こうした内容を踏まえ、後半の会場発言では、現状と今後の課題である自治体非正規雇用関係労働者の処遇改善、さらに組織拡大に向けた力強い決意表明がされました。
 この集会を機に、引き続く争議勝利と、要求実現を勝ち取りましょう。 


 
自治労連大会 in松山
  非正規への組織拡大が議論の焦点に

 夏目漱石「坊ちゃん」の舞台や正岡子規で有名な四国松山の地で、自治労連第三十四回定期大会が開催されました。
 会場となった体育館は蒸し暑く、涼を得るために大きな氷柱も設置されるほどでした。その氷柱が早く溶けるほどに、全国各地の代議員が熱い発言をしていましたが、とくに非正規労働者や保育士からの発言が多かったのが今回の大会での特徴でした。
 公共一般からも、私、(書記長代行)が改正された労働契約法の危険性を指摘し、首都圏青年ユニオンの活動報告、中野区ピジョンハーツ裁判への支援の訴えをしました。原告組合員の荒木さんも大会で物販と支援の訴えに奔走しました。
 また、T代議員(東京自治労連本部)からも、単組として非正規労働者を組織する公共一般方式の実績と有用性を報告し、正規職員組合と非正規職員組合の共闘による、組織拡大の重要性を発言しました。
      
 非正規・公共評大会
 委託先での組織化うったえる

 八月二十五日には、自治労連定期大会の事前会議として、非正規雇用・公務公共関係評議会の定期大会が開かれました。三十七の地方組織から七十八人の代議員、六十六人の傍聴者が参加し、たたかいの報告と教訓、これからの取り組みについて交流し合いました。
 北九州の学校給食の民間委託がすすむ中で、四年の任用期限を突破し新採三十一人全員を組合に加入させている経験がはなされ、山梨からは、道路清掃員全員の解雇を撤回させ、臨時職員の正規化を勝ち取った経験が報告されました。
 東京の公共一般からはSオルグが、公務公共サービスの質を低下させないためにも、組織化で大きな前進を図るためにも、委託先での組織化に力を注ぐことの重要性を話しました。また、労働契約法が改悪されたもとで、いかに雇用継承を勝ち取っていくのか、対応方針の検討をするよう、執行部に求めました。
 また、中野ピジョンハーツ争議の原告・荒木壮旗さんが、争議の争点を紹介しながら、全国の仲間に争議支援を訴えました。 


 
すき家証人尋問

 ひどい会社の体質が明らかに

 八月三十日に牛丼すき家を経営する株式会社ゼンショーとの損害賠償請求訴訟の証人尋問がありました。この訴訟は、労働組合・首都圏青年ユニオンとの団体交渉をゼンショーが拒否し続けているため、二〇一〇年にゼンショー相手にユニオンから損害賠償請求した裁判です。  現在、ゼンショーとは「損害賠償請求訴訟」と「中労委命令取消訴訟(会社側が起こしたもの)の二つの事件を争っています。今回の証人尋問は、原告として青年ユニオン河添書記長、すき家アルバイトの福岡さん、被告として会社側人事部マネージャーが法廷に立ちました。

「判決に従う」とも 言わない会社

 組合にとって、会社との団交は労働者の労働条件改善のために欠かせません。それをまともな理由なく拒否したことに対して、都労委、中労委、地裁、高裁と勝利判決が出されました。しかし会社は最高裁へ上告をしました。人事部マネージャーにユニオン側弁護士が「最高裁で団交に応じることが決定したら判決に従いますね?」と質問をしても、ゼンショーは「いや、判決文を見てから決めます」と答える始末。法令遵守もしないのか」と傍聴席からは呆れた溜息が漏れました。

安心な仕事場に、団交開かせて

 「すき家では深夜帯に強盗が頻発しているが対策は?」という質問にも「正直一〇〇%の対策ではありません」と答え、ユニオン側弁護士が「急いで是正して欲しいから、こういうことを団交で話し合いたいのです」というやり取りになりました。
 すき家は店舗数でも売上も外食産業で大きな位置を占めています。しかし法律を守らず、労働者の声も聞かない企業では、社会的責任は果たせません。こうした会社の姿勢を改めさせ、安心して仕事ができるように、ユニオンはこれからもゼンショーと闘っていきます。  

 
 
びばあちぇ(26)

 「ダンス」で逮捕は時代錯誤  本部 J

 ここ数年、東京、大阪、京都を中心にクラブやライブハウスの経営者が逮捕され、体力のない店舗は閉店に追い込まれています。
 あまり知られていない事ですが、現在の日本では営業目的でダンスをさせることが「風営法」という法律で規制され、同法を根拠にした、警察の過剰な取り締まりと摘発が強まっているからです。
 文部科学省は、今年度からダンスを中学校体育の必修科目としましたが、「ダンスとは、古今東西老若男女が楽しむ身体活動」と位置付けて、「表現や踊りでの交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにする」(新学習指導要領)としています。
 授業では、「ロックやヒップホップなどのリズムの曲を組み合わせ」「つい踊りだしたくなるような状況を作りましょう」と指導計画を示しながら、六十年前の法律でいまだに踊ることを規制するのは、矛盾しています。
音楽家やアーティストを輩出し、新しい文化や芸術を生み出す場としてのクラブ、ライブハウス。憲法が保障する、表現の自由を守り発展させるために、同法の改正を求めるLet's DANCE署名実行委員会(私も関わっています)は、当面十万の署名を集めることを目指し、現在七万を超える署名を積み上げています。
 過去には、ビリヤードや社交ダンスが風営法の規制対象からはずされてきました。今度は署名と世論の力で「ダンス」をはずさせる番です。


 



連載 わいるどふらわー39 〜花よ咲け 貧困と誇りの谷間に〜
作 小林 雅之 挿絵 中嶋 祥子 題字 岩下 和江

私のオルグノートから(その4)

不一致のすすめ」 




 二年前の自治労大会のことだが、委員長が冒頭挨拶で「正規職員と非正規職員が賃金をシェアすべき」と発言して波紋を呼んだ。彼は、一部の正社員が賃下げを受け入れて非正規雇用をなくした広島電鉄の例を挙げながら、「均等待遇の実現には運動をもう一歩進める時期だ」と訴えた▼この年の人事院勧告通りに給与や手当を切り下げると、二三四〇億円の削減になると総務省が試算をした。こちらが試算するなら、浮かせた原資は非正規職員六〇万人に充てて、四〇万円の年俸引き上げを考えるだろう。かつてマイナス人勧を都が財団に押しつけてプロパーの賃下げを謀った時に、浮く原資は全て非常勤に回せと、六千円賃上げさせた事と仕掛けは同じだ▼財政の厳しい市町村では正規職員の過半数割れが進んでいる。いずれ全体もそうなるだろうと言われる時代になった。非正規職員は六割が正規職員並みに働く一方で、定期昇給も一時金も退職金も無く、八割が年収二〇〇万円以下の「官製ワーキングプア」だ。この絶望的な格差の温存こそが、非正規に入れ替える衝動を加速させ、正規削減攻撃の最大の武器に使われてきた▼自治労委員長と同じ話はこれまでもある。早稲田や千葉商大委員長が就任挨拶で、「専任教員のこれ以上の賃上げは非常勤講師へ回すべきだ」と言った。自治労連のある地方幹部も、「正規熟年組はガマン出来る分を非常勤に回しても良いと思う」と率直に語る▼格差拡大と定数削減の攻撃を止めるために、しなやかで勇気ある戦略的発言だと思う。これはワークシェアで雇用を拡大させた「オランダモデル」と近い▼しかしそうした提案が実際に方針になった話は聞かれない。強い抵抗にかき消されるのだろうか。誰もが「均等待遇」「ディーーセントワーク」を唱道するが、各論では三すくみの感がある▼「正規とパートが団結して原資を増やし格差解消を迫る」のはその通りだが、格差をそのままに団結だけを抽象的に説いても労働者は燃え難い。それよりも格差を無くす具体的な戦略を提起するのが先でなければならない。両者の利益が不一致でもあり得てよい。ゴールには格差解消と雇用拡大の両方が待つなら、その道を一緒に行進しようと労働者は集まるだろう。目の前の不利益に気を取られ、みんなが損をする「囚人のジレンマ」から抜け出して、総和でプラスとなる「プラスサムゲーム」の闘いを、単産やナショナルセンターの幹部は抵抗を恐れず提起するときである▼委託計画が出されると非正規労働者は雇用の保障をすぐ心配する。それが正規組合の逆鱗に触れる。「委託自体に反対している最中に何を言い出す」と一蹴される。委託が強行されて非正規のクビは吹き飛んでしまった。こんな苦い経験から、委託反対も雇用保障も同時要求で当局を挟み撃ちにして、分厚い闘いで計画を撤回させる戦術が生まれた▼再任用制度が導入された時期、臨時職員をどかせたポストに正規OBを配置する事態が各地で起きた。正規組合との難航を極めた議論の中から、「椅子取りゲームは当局が仕組んだこと」だから、臨職は「椅子からどかない」、再任用は「臨職以外のポストをよこせ」と闘い、両者が勝利した▼利益の不一致を排除すれば結束できるものでもない。なぜなら不一致を知ることから団結は意識となり、闘いの道すがらで団結は成長する。