441号
2013年1月8日

主な記事のインデックス

 ◇新春インタビュー

 2013年委員長挨拶
 行政訴訟判決でも全面的に都の主張を退ける
団交拒否は許されない
 公共一般に期待する@
 連載  わいるどふらわー 41

  ◇新春インタビュー
 
「保育を学びたい」要求に応えた保育連続講座
 〜五名の仲間を迎えた文京・保育園分会〜

正規と非正規がわかり合ってこそ

 中嶋 こんにちは。まずは自己紹介を。私は委員長をして三年目になりますが、私自身、職業訓練校の非常勤講師をしています。この非正規の組合に魅せられているところです。
 岩下 文京保育園分会員と東京保育ユニオンの委員長をしています。率直にいうと、ついこの間まで分会会議の開催すら苦労して、なんともできない日々でした。やはり、分会に元気がなければとユニオン全体も元気にならない。そこで分会活動を重視したいと考えています。まだヨチヨチ歩きですけどね(笑)。
 遠藤 文京区職労保育園分会の書記長で公共一般の二重加盟役員です。非正規の方の問題は、何とかしなきゃと思っていたところへ「保育の質を上げようと思ったら、正規のことだけじゃダメ。全体を引き上げてこそ」だって岩下さんたちからよく話を聞かされて。いまそう思えるようになったのもいい出会いがあったからかな(笑)。
 中嶋 うれしいですよね。「ボーナス日がつらい」っていう非正規の声がありますが。
 遠藤 子どもにとっては正規も非正規も関係ない。正規と非正規が互いにわかり合っていく必要がある。ボーナスや給与や休暇とか、違いすぎて辛くなる気持ちわかるもん。
 岩下 私たちもぶつかることがあったよね(笑)。でも、いい保育にするために、「どうしたらいい?」って話し合う。わかり合いはそこからだと思う。

毎回の講座に非組合員が八〜九人

 中嶋 さて、連続講座はどのようにやられたのですか。
 岩下 五回やりました。最初は、手遊びとわらべうたと紙芝居の読み聞かせ。これは自前でね。次が園長に来ていただいて、「保育の中で大切にすること」をテーマに話してもらいました。それから、保育の専門家を招いて、三回目が「乳児の育ち」、四回目が「幼児の育ち」。五回目が栄養士を招いて「保育園の食事について」。毎回、組合に入っていない人が八人、九人来てくれました。
 中嶋 うれしいですね。
 岩下 三年前に非常勤にアンケートを取ったことがあるんですね。それには、「学びたい」という思いがいっぱい書かれてたんです。それからずっとやりたいと思っていて。
 遠藤 呼びかけ方は、正規の組合員から非常勤の保育士にチラシを渡してもらいました。二〜三回先の予定も書いて、半券も作りました。
 岩下 「今回は出られないけど、次は出ます」と電話をくれる人もいました。
 遠藤 園長企画はすごく本音が出た。非正規どうしも「もっと自分から言わなきゃ」と話したりね(笑)。
 岩下 園長も「非常勤の人が勉強したいと思ってるのがよくわかった」と。

闘争だけが組合活動じゃない

 中嶋 正規と非正規の壁がとれた感じですね。組合加入はその場で?
 岩下 企画の最後には、組合で勝ち取ってきたこととか、組合の魅力を話して、入会を必ず呼びかけるようにしました。なかなかその場でも入らないんだけど、その後に職場で会ったときに、あらためて「入らない?」とうったえたりしてね。
 遠藤 賃金アップや一時金闘争だけが組合運動じゃなくて、「思ったより組合って怖いところじゃない」(笑)、「自分たちの留めのところ」「自分の気持ちが言えるところ」ってわかってほしいですよね。
 中嶋 それはすごくいいですね。
 岩下 五人が入って、新組合員向けの組合学習会をやったんですけど、それに、ずっと分会会議に参加できていなかった組合員が参加してくれたのもうれしかったですね。
 中嶋 最後に今後の抱負を。
 岩下 今後は、実行委員会をつくって連続講座を続けていきたいと思っています。先日の講座が終わった後に呼びかけたら、組合員に入ってない人からも実行委員になりたいと申し出がありました。
 遠藤 大切なのは一歩踏み出すこと。失敗してもいいから、気軽な気持ちでね。うまくいったら、どんどんいっちゃおうってね(笑)
 中嶋 こういう運動があちこちで広がったらいいな。今日は得した気分、ありがとうございました。



 
2013年新しい年の始まりにご挨拶申し上げます

 慌ただしい師走でした。日本と東京の未来を左右する大事な選挙が行われ、公共一般では都知事に「宇都宮けんじ」さんを推薦決定しました。革新都政誕生へ力を集中しました。結果はご承知の通りですが、宇都宮さんの示した東京は、原発を無くし、非常勤も正規になれる道を開く、また職業訓練を無償に戻す等、石原都政で切り捨てられた福祉や教育を取り戻す「人にやさしい東京」でした。これは私たち公共一般の要求とピッタリ重なりました。
 青年ユニオンの方たちは、雇用の問題、貧困の問題など、どんな東京にしたいのか、熱い思いで組合員に呼びかけていました。
 誰に投票して良いか解らないと答える方が半数、投票率も五九%という中、自分たちの要求を叶える候補者は誰なのか真剣に話し、これからの東京と日本を考えている、このような若者たちが公共一般にたくさん居る。私は組合事務所に居て、有りのままの素晴らしい姿を見せていただきました。青年のこの思いは結果がどうであれ揺らぎなく燃え続けてゆくだろうと思いました。だからこそ、たくさんの困難の中にあっても、明るい活気にあふれる公共一般なのです。私はこういう方たちがこの組合を引き継いでゆくのだろうという感動を覚えました。労働者の目線で共に考え、今年もみんなで力を合わせ良い年にしましょう。


 
 
行政訴訟判決でも全面的に都の主張を退ける
 団交拒否は許されない


十二月十七日、東京地方裁判所は、「東京都(専門的非常勤職員設置要綱)不当労働行為事件」で当然ともいえる勝利判決を下しました。「都は公共一般と団交せよ」との中労委命令を都が不服とし、国(中労委)を訴えた裁判でした。これまで「五年任用に関する問題は管理運営事項だ」とする都の主張は、司法では認められず逆に「団交事項に当たる。更新回数限度の要綱改悪についても重要な労働条件変更である」と団交応諾を命ずる中労委命令を支持し、都の取消請求を棄却しました。との団交拒否の違法が認められ、都労委、中労委、東京地裁と三度も断罪されたことになります。これは組合にとっての完全勝利判決です。
 都は判決を真摯に受け止め、控訴をすることなく、直ちに総務局は団交に応じるべきです。
私たちは翌十八日の朝に都庁前宣伝と、総務局への直接要請を行い、このことを強く訴えました。

都の異常な実態、許せないこんな県庁は他にない

 都の総務局はこれまで、賃金問題、育児休暇などの権利休暇・労働条件について、都労連との交渉は行うものの、一貫して公共一般との交渉を一切行ってきませんでした。こうした交渉に総務当局が出席をしない団交という、他の自治体ではあり得ない暴挙が天下の東京都で公然と行われているのです。こんな県庁は他に例を見ない許しがたい無法ぶりです。今回の完全勝利判決を力にこれまで以上に運動を強めていきましょう。



 


 公共一般に期待する@

 
  顧問弁護士 小部 正治

 おめでとうございます。今年は「年男」です。弁護士業にも登山にも新たなる挑戦をしたいと思います。歩く機会を増やし、同時に、スリムになることを目指します。
 
さて、小選挙区制度の弊害が如実に現れ、自民党が4割の得票で8割の議席を占めました。民意を反映する選挙制度を実現すべきです。新政権は、全く反省もなく「再稼働」「推進」を進めていくでしょう。日本維新の会の躍進もあり、集団的自衛権や憲法改正も具体的な政治課題になるでしょう。民主主義を愛し、平和で安全な暮らしを求める組合員の皆さんと力を合わせて取り組んでいきたいと思います。
 
今年は、消費生活相談員に関する裁判闘争に決着を付け、都非常勤職員の賃金・一時金等をテーマとした団交拒否に関する労働委員会闘争、ピジョン保育士裁判闘争、えどがわ環境財団労働委員会闘争をはじめ、すべての闘いの早期解決のためにがんばりましょう。

 
連載 わいるどふらわー41 〜花よ咲け 貧困と誇りの谷間に〜
作 小林 雅之 挿絵 中嶋 祥子 題字 岩下 和江


私のオルグノートから(その6)

女たちの一人争議




 日本の労働運動の歴史には、争議が常に労働運動全体へ大きな影響を与えてきたという特質がある。戦後も二・一ゼネストや三池闘争、国鉄闘争のように争議が時代の分水嶺となり歴史を揺るがしてきた▼高度成長が退潮した八〇年代初頭は争議組合が五八〇にも膨れ上がった。情勢の反映もあって東京争議団共闘会議には、全国から解雇・倒産争議が千人、思想差別争議が千人も結集していた。私は倒産争議の渦中にあって、二千人以上に及ぶ精鋭軍団の事務局長という苛烈な任務に就かされていた▼そんな中で、集団ではなく「一人争議」といわれる三〇人の女性が共に戦列に加わっていた。大型争議に比べて一人争議は多くの場合、組合や職場から孤立無援を強いられ、一人で苦節長期の争いを余儀なくされるのが常であった。ただ一人とは言っても決してひとりぽっちなどではない。それどころか、人権無視の職場や会社いいなりの組合に変革を迫る旗手となって、裁判も社会的に注目されるような立派な運動を切り開いていたのである▼プリンス自工が日産自動車に合併された際、プリンスにはなかった男女差別定年制によって中本ミヨさんは五〇歳で解雇された。少し前までは女子三〇歳定年が当たり前であった時代である。高裁判決は、頭の白髪やハゲ具合、歯の欠け方など「生理的機能水準」から見て「女性の五五歳は男性の七〇歳に匹敵」し、女性は男性よりも労働能力が劣る、だから女性の五〇歳定年は不当とはいえない、という酷いものであった。それでも中本さんは頑張り続け、最高裁で逆転勝利して今日の男女雇用機会均等の道を切り開いたのである▼東洋鋼鈑の立中修子さんは、労音の活動を睨まれて、「結婚したら退職」「子持ち女は半人前」だと虐待され、最後は解雇になった。こんな非情な企業社会は変えたい、差別なく働きたいと裁判に訴えて、大きな社会的支援の中で職場復帰を果たした。苦闘のあとには、管理職として定年を迎える人生を歩んだ。彼女のあっぱれな活躍ぶりは、女たちを勇気づけ、男たちを感動で泣かせた▼共産党員を徹底的に思想差別する東京電力を相手に大型訴訟が一九年間闘われていた、その時期に「思想調査事件」というある女性社員の一人裁判があった。誰が共産党員か漁り歩く管理職に、「答える必要はありません」 毅然とはね返した渡辺令子さんを会社は徹底的に差別した。深く傷つけられた彼女は裁判に訴える。損害賠償は認めなかった最高裁だが、職場であれ思想の自由を侵害してはならないと企業の内心推知を禁じ、内心の自由は守られた。本当は共産党員でも無い彼女だったが、敬虔なクリスチャンとして、内心の自由と信条を踏みつけてくる企業ファッショを許すわけにはいかなかった。もの静かながら裡に強い信念を持っている人であった▼このように、女たちの一人争議は多くの人に感銘を与え、社会を揺り動かし、職場に変革を迫らないではおかない力を発揮したのである。なぜこれほどの支援が寄せられるのか。虐げられた女性への同情だけでは持続するまい。不条理に立ち向かうものへの共感と、勇気ある一人の女性へのひたすらな共鳴である。その連鎖が勝利を呼び込んだ訳である。本質的には個人というより、選ばれたチャンピオン闘争なのであるから、一人争議という名称には、もっと相応しい言葉が当てられてもよかったと、いまさら思いかえされてしまうのである。