445号
2013年3月12日

主な記事のインデックス

 組合の働きかけで自治体・業者双方が雇用継承へ動く

 「二〇一三年度 墨田支部 予算・制度要求」報告集会
 豊島区 臨時職員への「社保逃れ」目的の時短許されない
 牛丼すき家 勝利解決報告集会
  税金学習会と労契法学習会
 連載  わいるどふらわー 43


 
委託替え続発!

 
組合の働きかけで自治体・業者双方が雇用継承へ動く


 年度末のこの時期、委託職場は「雇い止め問題」が猛威をふるいます。契約期間が十年という委託業務もありますが、単年度ごとに入札をくり返す業務も。常に雇用不安がつきまとう委託問題について考えます。


入札の度に雇用継承が問題に

 公共一般の分会があるところで今年度、委託替えの問題が起こった業務は五つあります。(新宿区路上喫煙パトロール、北区庁舎清掃、セシオン杉並、都立多摩南部地域病院建物管理、都税事務所収納窓口)
 組合は入札期日前から、それぞれの自治体と業者の双方に、「たとえ業者が代わったとしても、新しい業者に引き続き労働者(組合員)を雇い入れるように」と働きかけてきました。実際に五つのうち四つは現業者が落選。現在、新しい業者にいずれも雇用継承するよう働きかけていますが、予断は許されません。


入札先立ち労使間協議も

 多摩南部地域病院建物管理は、五年ごとに競争入札が行われていますが、引き続き現業者が落札することができました。ここでは入札前に、業者と組合との協力・合意がありました。同社はこの間、賃上げをはじめとした一定の処遇改善を毎年行ってきました。しかし、入札を前に、「このままでは落選する危険性がある。入札で勝てる価格を設定したいがどうしたらよいか」との申し出がありました。組合は、中長期的な展望で労働条件を回復させていくことなどを条件に、落札結果によっては協力することもありえる、と柔軟な考え方を示し、今後本格的な協議に入ります。


雇用・労働条件の安定をいかにつくるのか

 競争入札による民間委託をすすめる自治体は、「効率化」「より良い品質」をその理由にあげます。しかし実態は、入札の度にダンピングがすすんでいます。北区の庁舎清掃の仕事は、委託単価がここ数年で半分になりました。組合もなくて放っておけば、前と同じ業務がより少ない人員で行われ、賃下げなど処遇の後退が当り前のように起こりかねません。
 毎年入札が行われ、その度に業者が替わる委託業務は少なくありません。単年度契約を最低三年から五年に改めさせるとりくみが必要です。
 公共サービスの質を落とさないためにも、引き続きの雇用と労働条件の安定が欠かせません。こうした仕組みを、自治体・業者・組合でつくっていくこと||それが大事な課題です。そのなかで、市場化路線そのものを見直していく方向性も見えてくるのではないでしょうか。


  「二〇一三年度 墨田支部 予算・制度要求」報告集会
  四年ごしの運動実る 若年層で賃上げ

 墨田支部は、二月七日に二〇一三年度予算・制度要求の団体交渉を行いました。
 前年までの区側の対応は、予算が決定してからの回答交渉でしたが、今年度は交渉ルールの確立をすすめ、予算のプレス発表前の回答をひき出しての妥結となりました。
 支部では、二月二十日に報告集会を行いました。
 墨田区の非常勤職員の報酬は一九八一年から正規職員の給料表をもとずく報酬額表が要綱に定められていました。しかし、二〇〇九年度に実施された正規職員の時間短縮の際に、正規職員の給料表に連動する非常勤職員の報酬額も大幅に引き上がることを嫌った当局は報酬額を圧縮した「別表使用」を「単年度限り」にすることで労使が確認していました。ところが、組合に何ら協議もせず翌年の非常勤要綱に「別表使用は当分の間とする」と文言が記載されてしまったため、「本則復元」を要求してきました。四年ごしの運動で今回正規職員の給料表を使用する「本則」に戻すことができました。これにより若年層では最大月額で五千二百円の賃上げとなります。
 集会には墨田区職労書記長をはじめ、本部からも激励に駆けつけてくださり、ごくろうさまの「ミニ缶」での乾杯を行いました。
 引き続き支部・分会・そして区職労とも連携をとりながら、処遇改善に取り組むことを誓い合いました。
    【墨田支部 田代】



 豊島区

 臨時職員への「社保逃れ」目的の時短許されない

 豊島区は、臨時職員の社会保険加入を逃れるために、強引に勤務時間を短縮しようとしています。
 区立保育園で働く「臨時」保育士約五十名は、現在月十八日勤務をしています。それを十五日に減らし、社会保険をはずす、と提案がありました。豊島区職労が臨時保育士から取ったアンケートでは、ほとんどが「困る」と回答。「私たちはロボットではない」という声もありました。また、この提案を聞いた保育士の中には、「何年もがんばってきたのに…」と失望し、他区の保育園に応募する人も出ています。
 区内の小・中学校の「臨時」の学校開放管理員にも、勤務時間を三十分短縮して、やはり社会保険を引きはがす提案がされています。三十分間の時短で年収七〜八万円の収入減。そこに社会保険も外されれば、高い国民健康保険料を払わなければならず、ダブルパンチです。臨時職員は時給九百九十円ともともと収入が少なく、「これでは暮らしていけない」と悲痛な叫びが上がっています。
 いまや、非正規労働者の社会保険の加入を広げ、セーフティネットの強化がはかられつつあります。法改正を受けて三年後には社保加入の適用が現行の「週三十時間以上」から「週二十時間以上」に拡大されます。国の動きにも逆行する豊島区のあからさまな「社保逃れ」を目的とする時短提案は、絶対に許されません。        【島津】
        

 
 牛丼すき家 勝利解決報告集会


 原告・福岡さん
 「みんなの応援が原動力だった」

 首都圏青年ユニオンは二月二十三日に「すき家」団体交渉拒否事件の勝利解決報告集会を開きました。集会には六年間のたたかいを称えようと約七十人の仲間が集まりました。
 遠く仙台から駆けつけた原告の福岡淳子さんは、「ありがとうございました」と笑顔を見せました。司会者が「会社からいろんないやがらせがありました。この長い闘いを勝ち抜いた原動力は何でしたか?」と尋ねると、「私は仙台で毎日働いていたため、全然東京に来ることが出来なかったけど、ユニオンのみんなが応援してくれたことが原動力でした」と答えました。青年ユニオンは、社前行動や宣伝行動にくり返し取り組んできましたが、遠くから参加が困難な福岡さんのために、たくさんの組合員が行動に参加し代弁してきました。
「すき家のことがニュースに流れるたびにお客さんから『頑張って!』と言われました。全国のすき家クルーも私と同じような労働条件で働き、納得出来ないのに無理やり納得されられている。その人たちの力になるように、職場を変えていきたいと思いました。裁判は終わったけど、これから団体交渉があります。会社が会社なので一筋縄ではいかないと思うけど、へこたれず頑張ります」(福岡さん)   
         【山田】
 

 
 税金学習会と労契法学習会 江東支部

 「数万円戻ってきたよ!」

 非正規には、年末調整がされていないので「税金を取り戻そう」と毎年2月に学習会を行っています。2月14日の学習会では例年と同じく、課税課の区職労の職員に講師になってもらいました。元々は本部が行っていた学習会を江東支部では引き続き行っています。今では組合員の方から待ちどうしくて、「税金学習会はいつですか」と問い合わせがあります。毎年数万円が戻る人が続出して参加者は大喜びです。
 2月28日の「改正労働契約法学習会」では本部副委員長白神さんに講師になっていただき、非常勤職員30名が参加しました。
 参加者からは、「この法律は一応公務職場に及ばないので安心したけど、ダブルワークしているので気を付けようと思った」「勉強になった」と声が寄せられました。


連載 わいるどふらわー43 〜花よ咲け 貧困と誇りの谷間に〜
作 小林 雅之 挿絵 中嶋 祥子 題字 岩下 和江


私のオルグノートから(その8)

バックアップ委員会」 




 公共一般にはバックアップ委員会というブレーンの機関がある。弁護士、労働法学者、労働行政マン、組合活動家などで構成される。既に二五年ほどになるが、一五年間は毎月欠かさず開かれてきた。実をいうとこれは偶然に創設された▼総評が八〇年代、急速に右傾化すると東京地評も同じ道を辿った。地評には労働諸法制に関わるアドバイザー機関のバックアップ委員会があったが廃止された。八〇年代終盤のことで丁度都区一般が立ち上がった時期だ。ブレーンの幾人かが渡りに舟と都区一般へ乗りこんできた。「頼まれもしないのに勝手に作った」と江森民夫・元総評弁護団幹事長は今も語る。先生たちは非正規公務員が重要な課題になると予見していたのであろう▼当時、自治体の非正規問題は自治労が既に実態調査を進め、権利問題では一定の解明もされていた。だが肝心の組織化が難かしく、要求実現は手探り状態にあった。なにしろパートに年休を与えないのが当たり前とされた公務職場である。その只中で都区一般は生まれたのだが、本工主義という石塊のような地場を掘り起こしていく作業は難工事であった。労組法とはなんだ? なんで公務員に労基法が必要なんだ? そんな素朴な疑問なら付き合い甲斐もあったが、「期限付きで辞める約束の人を組合に入れてどうするの」と当局。「正規削減に手を貸すつもりか」と組合。非正規問題は鼻から無視を決め込まれるような時代であった。実に初歩的だが、当局にも職員組合にも非正規組合の適法性を説いた能書きを渡して回る処からオルグを始めたのだ▼それゆえ、地公法・自治法と労基法・労組法にまたがる対立矛盾関係や、一般的労働諸法制の非正規公務員への効果的な適用関係など、理論政策の研究をバックアップ委員会で旺盛に行い、その成果はリアルタイムに活かされていった▼破竹の勢いだった。全労連の立ち上げと同時に生まれた都区一般は毎年倍々と一〇年足らずで二千人へ急成長した。二〇世紀終末に左翼組合の奇跡とも言われ、伝説になるほどの功績を自治体労働運動史に刻んだ訳である。ところで公共一般には全国的功績がもう一つある。それはバックアップ委員会という非正規公務員が闘える知恵のツールをいち早く手にしたことである。実践的な組織理論、ストを中心とする強力な戦術、公務における旺盛な裁判労働委員会闘争の定着。当時としては大変強力で先駆的な戦術戦略を次々と繰り出した。知恵のツールこそが躍進を可能にしたのだ。三千を上回る解雇撤回者数があって、三千人の組織が今あるという単純な算術計算にもその事は示されている▼いまでは攻撃がより巧妙になった分だけ、労働者側の知識もさらに高度なものが求められる時代となってしまったかに見える。だが本当はどうなのだろうか。「労働者は辛いよ。次々新しい知識を身につけないと闘えない」 そんな悲鳴が組合員から聞こえて来る▼明治末期の四〇男と今の小学四年は得る情報量が同じだと何かで読んだ。高齢の域にかかる私は一瞬ひるんだが、何も知識全般の豊富さが問題ではあるまいとも思った。知識階級には解雇自由化の研究に耽る者や戦争を煽る輩もいる。いま我々が獲得すべきは闘える知識である。そう考えれば先達から学ぶことも山と見えてくる。馘首や特高や軍隊をものともせず要求貫徹めざした彼らも懸命に学習したであろう。彼らの武器とは闘う知恵を手にすることだった。紛いもない直向きに学ぶ姿勢こそが今の運動にしっかり反照されねばならない事だと思う。