447号
2013年4月9日

主な記事のインデックス

 やったぞ!希望者全員が復職!

 「社保外し」はね返した
 「改正」労契法の悪運用許さない
 ◆羽曳野市非常勤に退職金支払い命令◆
 過密で理不尽な職場実態指定管理の図書館から労働相談相次ぐ


 
新宿路パト分会

 
やったぞ!希望者全員が復職!

 四月から新宿区路上喫煙パトロール分会の組合員達が再び、パトロール業務に復帰できる事になりました。前年度の受託業者クリーン工房とスターリング社というブラック業者が結託して、組合員全員が雇用継承から排除されていました。組合は新宿区と一年かけて、組合員を直ちに復帰させることと、スターリング社の排除を求めてきました。
 組合全員が排除された異常事態の背景には、二〇一〇年に二重委託を行い、組合の告発で追放されたスターリング社の役員がクリーン工房に雇われていたことにありました。

区を動かし「ブラック業者」を排除

 二月に区から提案があり、落札した業者に対し、区からこれまでの経過を話し、悪質業者と接触しないようにさせていく「工夫」をしていくと説明がありました。組合は区の提案内容でも組合員が排除されるリスクがあることを指摘しながらも一定の前進と判断して提案を受け入れました。このことを受けて組合は推移を見守っていくになりました。
 結果は、クリーン工房が今年度入札指名から外され、ニッセイファシリティ(以下、ニッセイ)が落札。組合員がニッセイへ応募をすることになりました。落札直後から、案の定スターリング社がニッセイに接触をしてきました。しかし、ニッセイは区からの働き掛けでブラック業者からの二重委託の申し出を拒否。結果は、希望者全員採用という大きな成果を勝ち取ることができました。スターリング社は、組合の存在もニッセイに暴露したと聞き及んでいますが、ニッセイは組合員を採用する方向へ舵を切りました。昨年は、一日にして組合が排除されるという大変な困難の中、この一年間あきらめずに粘り強い交渉を重ね、不正な事実を突き止めていきました。地道な活動が今回の成果へと繋がりました。都労委はまだ続きます。第二回調査が五月二十二日(水)十時にあります。引き続きクリーン工房への損害賠償と共に、区との団体交渉権の拡大を求めていきます。

その他の職場も無事雇用を継続

 路パト分会の他にも、今年は、セシオン杉並、多摩都税事務所、北区庁舎清掃、多摩南部地域病院、江東区役所受付などで委託替えがありましたが、どの職場も振るい落としをさせず、無事雇用継承させることができました。公共一般のフットワークの軽さを活かして、素早く自治体と業者、双方へ働きかけを行った成果だと思います。




 豊島支部

 「社保外し」はね返した


 豊島区の学校開放員管理臨時職員と臨時保育職員に対し、勤務時間短縮とそれに伴う社会保険外しが提案された問題で、この間、団体交渉を三回、四回とくり返し、かなりの部分で押し返すことができました。
▼学校開放員管理員の案件は、当初一時間の勤務時間短縮(〜二十一時十五分まで)が提案されましたが、それを三十分に押し返しました(〜二十一時四十五分まで)。勤務時間的にはギリギリ正規の四分の三を割ることになりますが、残業が恒常的に必要なことから、社会保険の適用も社会保険事務所の了解を取り、認めさせました。しかし、学校施設開放は二十二時までと区条例で決まっていることから、「学校開放の責任を放棄し、それ以前に業務をひきあげることはおかしい」と引き続き協議を行うことを当局に確認させました。
▼臨時保育職員の場合も当初、月十八日勤務を十五日に変更し社保を外す、というものでしたが、最終的には「障害児対応(一部例外有り)と一時保育対応の臨職は十七日、それ以外の臨職は十六とし、社保適用は存続する」という内容で妥結しました。区職労が臨時保育職員から取ったアンケートも力となり、そのまとめを見た保育園課長は、「こういう提案をするのがつらい」ともらしていました。
 組合は引き続き、組合員を増やし、『擬似臨職』『クーリング期間』解消をめざします。




 
 首都圏大学非常勤講師組合


 「改正」労契法の悪運用許さない

 三月二十八日、首都圏大学非常勤講師組合(公共一般大学専門学校分会)は、関西圏大学非常勤講師組合と東京地区大学教職員組合協議会と共催で、参議院議員会館にて、「なぜいっそうの雇用不安に?大学有期教職員からみた労働契約法『改正』の悪影響」と題する院内集会を開き、立ち見も出る百名弱の参加者が集まりました。五年雇い止めの動きをみごとに撤回させた大学等非常勤講師ユニオン沖縄から電話メッセージも寄せられました。国会議員や報道関係者、研究所研究員、大学院生も多数参加しました。翌日の『しんぶん赤旗』一面トップに集会の模様が報道されています。
 発端は、労働契約法の改定です。一部の大学が、この改定労働契約法に従う、という口実で、この四月から起算して五年が経過する前に非常勤講師を全員雇い止めすると通告してきました。「勤務態度」「学生の評価」など、どうにでも使える基準を設けて、それ以前でも簡単に契約を終了させようとする動きも出てきました。
 特に大阪大学は「非常勤講師は労働者ではない」(つまり法の適用外)けれど、「法に抵触するといけないので五年で雇い止めする」と言い、早稲田大学は非常勤講師の就業規則制定に当たって、非常勤講師が入れない大学入試期間中に学内に文書を置き、過半数代表選挙(と称するもの)は行った、として制定を強行しました。安定的雇用に向けて法改定されたはずが、無期雇用を避けるためとしか思えない五年上限を設けるのですから、「大学が脱法の仕方を教えるのか」と揶揄されてもしかたのない事態です。

分会総会で決意あらたに

 三月三十一日には分会の第十八回総会が開かれ、会場一杯の参加者は、法律を悪用する「五年以内雇い止め」「どさくさ紛れの契約条件の不利益変更」を撤回させるべく、さらに運動を強めること(分会は早稲田大学と真正面から闘う方針です)、そのためにも組合員を大きく増やすことを申し合わせました。
 さらに、分会と関西圏大学非常勤講師組合は、四月末のジュネーヴでの国連社会権規約委員会に代表を派遣し、労働契約法改定によって日本の高等教育機関で起きている重大な問題を国際的な舞台でも訴える予定です 
 

 
 ◆羽曳野市非常勤に退職金支払い命令◆


 大阪の仲間に私たちを励ます画期的な判決がありました。
 羽曳野市の図書館で嘱託司書として10年間働いてきた特別職非常勤職員2人が退職金の支給を市に求めていた裁判で、大阪地裁は3月26日、原告の訴えを全面的に認め、市に一人当たり退職金約200万円を支払うよう命じました。
 原告は、週5日、一日7時間45分の勤務を10年間続けていました。そのことを裁判所は、地公法三条三項三号の「特別職」ではなく、「常勤」であることを認定。また、単年度雇用契約であっても、実質的に雇用が続いているのであれば、退職金手当同市条例にある「引き続き12月を超えるに至ったもの」とする要件を満たしている、と認定しました。



 
 過密で理不尽な職場実態指定管理の図書館から労働相談相次ぐ


 年度末、指定管理の公立図書館で働く労働者から相次いで相談が寄せられました。そこからは、委託先の図書館の過酷な実態が浮かび上がってきます。

上司のパワハラ言動で、出勤が困難に(B区立図書館潟買Bアックス)

 Aさんは、B区立図書館でヴィアックスの準社員として五年勤務してきました。昨年、副館長から激しい叱責を受けました。それ以来Bさんは、副館長との会話で萎縮してしまい、職場に行くことができなくなりました。
 その後Aさんは、図書館ユニオンのブログを見て相談し加入。ユニオンは、会社へパワハラの実態調査と改善策、別の職場を探すよう求めました。その結果、会社が受託している他館で就労させることができました。パワハラ問題は別途協議中です。会社は、常に自治体からの評価を気にしなければならず、職場のスタッフもストレスを抱えながら働いています。

突然の雇用期間短縮のうえ解雇(C区立図書館 TRC)

 Dさんは、七年間TRCのスタッフとして勤務してきました。昨年末、突然、これまで一年だった雇用契約を三カ月に縮められ、一方的に不利益変更を押し付けられました。そのうえ「あなたは業務ができていない。改善できないと更新は難しい」と通告されました。そして、二月末の面談で「更新は難しい」として、自己都合の退職届の記入を迫られました。Dさんはすぐに図書館ユニオンに相談し加入。ユニオンはTRCに対し、引き続きの雇用継続を求めて、年度末ぎりぎりまで協議を尽くしてきました。
 しかし、TRCの組合排除の姿勢は硬く、Dさんとも確認を行い、TRCと金銭和解で決着しました。TRCは、「Dさんにはこれまで注意をしてきた」と主張しています。しかし、具体的な業務改善プログラムや、その都度、改善指示を行うなどの対応は行ってきたわけではありません。会社の勝手な都合ですぐ解雇するTRCの姿勢は、公立図書館業務にふさわしいものなのか疑問を抱かざるを得ません。

職種別ユニオンがますます求められている

 残念ながら、都内各自治体において公立図書館の民間委託が毎年進んでいます。今後も委託された様々な職場からの相談が増えてくることは間違いありません。委託攻撃に対応した組織形態が、労働組合に求められています。公立図書館の民間委託をはね返す運動と共に、委託先の労働者をいかに組織していくのか―探究課題は続きます。