471号
2014年5月20日

主な記事のインデックス

 −仲間を迎えました−2

 〜オーストラリア労組に学ぶ〜 上
新公共一般リーフできました
「人間の尊厳と労働」
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 仲間を迎えました 2
〜5000人の公共一般めざして〜


 公共一般の支部と本部はたたかいの中で組合加入にとりくみ、
職場に組合の新しいうねりが生まれています。



世田谷支部 保健センター分会

 世田谷支部は、世田谷区保健センター(以下、保健センター)で起きた雇止め争議のさなか、「働きやすい職場をつくろう」と職員に呼びかけ、続々と組合員を増やしています。

 保健センターの雇止め通知を受けた非常勤職員の吉村恵子さん(仮名)は、世田谷支部と本部とともに、当局と交渉を積み重ねて、雇止めを撤回させ、労働条件の変更なく今年度も更新しました。 
 組合は吉村さんとともに、合理性のない雇止めや、勤務条件の不利益変更をなくし、働きやすい職場をつくろうと、保健センターで働く職員に組合を知らせ、加入を呼びかけました。
 2回開いた職場懇親会では、職場で働く専門職の職員が10人を超えて参加。前課長などから受けたパワハラへの不満や怒りの声が次々と寄せられました。参加した職員は「泣き寝入りしなくてもいいんだ」「パワハラをやめさせたい」と組合に加入。働きやすい職場に改善しようと、交渉へむけた準備を進めています。  【稲葉】


墨東病院清掃分会

1ヶ月で25人余りが加入

 都立墨東病院では、業務委託の清掃労働者が4月初に委託替えに会い、雇用への不安や労働条件切り下げ提案への怒りから、次々に公共一般に加入し、職場の約半数が1ケ月で集まり、4月に新分会ができました。
早速会社と団体交渉を展開し、要求を前進させています。

職場の不安に組合本部がすぐ対応

 今回墨東病院では3月に新業者が激安値で落札したため、最初から大幅コスト削減で賃金減らし攻撃が予想されるため、心配した労働者が公共一般本部に相談し、組合に加入。
本部は直ちに発注元の都庁病院経営本部に働きかけて、労働者の継続雇用を会社に約束させました。
ところが会社は4月初めに時間短縮(給与総額減らし)を提案。
これも約1週間後に団交でストップさせました。組合のこうした機敏な対応が労働者の信頼を得ました。

「たたかうためには仲間を増やそう!」が共感

 会社専務は4月始め、職員一人ひとりと面接をした時に、「条件の変更が不服なら、辞めてもらって結構」という調子でした。
しかし組合が 名近くで会社に乗り込み団体交渉すると、専務はあらたまった態度で乱暴なことはできない状態に。
団結の力を見た職員たちは口々に「たたかって職場を守るには組合員を増やそう」と
仲間へよびかけたのでした。課題は数々ありますが、力を合わせて乗り切ろうと、今燃えています。 【中野】



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       〜オーストラリア労組に学ぶ〜
「組合員の減少を立て直す」
        キャンペーン型運動 上
 


 「職場を変える主役は労働者で、役員は裏方」
労働者が要求を自覚して、組合員拡大の主役になることで、
組合員の大幅増に成功しているオーストラリア労組。
 全労連オーストラリア組織化視察(昨年5月)に参加した
全労連事務局の名取学さんに経験を聞きました。
 【まとめ・中野】   


社会の世論と結んだ運動への脱皮キャンペーン型運動へ

 オーストラリアは、かつて労働組合の組織率が50%を超え、労組は大きな力がありましたが、組合員が減り財政破綻へまっしぐらでした。
しかし、運動の考え方やスタイルを見直し、「キャンペーン型」に変えて立て直す試みが成功しています。
ことに介護や保育などの公共サービス分野では、仕事の複雑さや責任の重さに比して社会的認知が低く、待遇が不十分でした。
ここで組合は、労働者にこの職業分野での賃金の大幅底上げを訴え、アクションに立ち上がってもらいます。
父母や利用者の家族とも連携して、地域でお祭りなども開きながら保育や介護の質の向上のための社会的キャンペーンを展開したのです。
3年がかりの運動で、マスコミにもアピールし、世論の支持を呼び起こし、政府を動かして職員の給与改善のための給付も引き出し、組合員を大幅に増やすことに成功しました。
またこの中で、若い女性が組合に結集してたたかっている姿を社会に見せて、労働組合のイメージをアップすることもできました。

怒り→希望→行動を柱に対話と職場での要求の出し合い

 「労働者が組合に集まり、集団的な力を行使する」ことで何かができると大枠で思っても、なかなか動き出せません。出発点は組合役員と労働者の対話で、怒り・要求を浮かび上がらせることです。
たとえば「今の給料じゃ生活がキビシイ 賃上げだ!」と繰り返し話し確認し合う。次に希望・展望へつなげる。
それも役員が訴えるのではなく、職場労働者みんなの口から「どうすれば経営者が賃上げをのむか?」のアイデアを一言づつ出し合い、「何をすべきか」につなげていくのです。
 その中で自然と「次は○○さんを組合に誘おう」という提案も出され、職場の仲間を主体に日常対話と地続きで呼びかけて行く。そのアクション一つひとつが、職場労働者の意見の積み上げで練られて行なわれる。
時には「今どこが痛いのか」それぞれが図にマークして行くと、共通の傾向 仕事が原因?が浮かび上がる。
こうして“集団の力”を職場から可視化し、また的を射た取り組みを見い出していく活動を積み重ねていきます。その主役は労働者で、役員はそれを手伝うのです。


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新・公共一般リーフできました


 公共一般を紹介する、新しい加入よびかけリーフを作りました。カラー刷りでコンパクトに組合を知らせます。
ぜひご活用下さい。
 この5月〜7月は、組合に加入してもらう重点期間です。
各支部等で組合の加入よびかけを進めましょう。
 ご入用の際は本部にご注文下さい。 【中野】


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書評
「人間の尊厳と労働」
小林雅之著
民主文学4月号・日本民主主義文学会発行


 貧困と格差の広がりに対抗する力は「連帯」にあることを、
本書は実在する労働者のたたかいから示してくれる。
 「ブラック企業」という言葉が一般化するほど、働くことは過酷なことになっている。
ブラック企業とは、若者にとって、テレビや新聞で見聞きするような遠いものではなく、いつ自分がそこで働くかもしれないような、身近で日常的なこととなっている。
 ブラックな働き方を強いられる若者にとって、「連帯」という言葉をどのようにとらえるだろうか。
「連帯責任」や「連帯保証人」など、重く辛い言葉として感じるほうが多いかもしれない。
 こうした実態の若者たちに、私たちがどのように向き合っていくか。
著書は、「私たちは労働者の困窮した事態に向き合うとき『いかに悲惨か』の言葉で閉じてしまってはいけない。その先に何が起きていくのか想像することを止めてはいけない」と指摘する。
 若者はブラック企業で働く以前から、「受験戦争」や「就職戦線」で競わされている。
その過程には、お互いが助け合い、協力する体験を得ることは少ないだろう。
バラバラにされた労働者が、個別の競争の中で生き残ろうと競いつづける限り、「苦悩する日々」は終わらない。
 労働組合が貧困と格差に抗するには、争議で一定の決着をつけることだけではない。
若者が明るい未来を描けるような真の解決には、バラバラにされた若者の連帯を築くしかない。
 では、連帯はどのように築けるのか。過酷な労働の中で傷つき、うちひしがれた若者が、支援する組合や民主勢力が支えるなかで、生きいきと成長する姿が紹介されている。
 著書は「連帯は既存の組織のごとくに、はじめからそこらに存在していない。
弱さを同士が手探りで体得しながら、自らの手で作り上げていく」という。
連帯にたどりつく力はどのように育まれるか。本書は的確な道しるべになるだろう。 【稲葉】



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