542号
2017年4月4日

主な記事のインデックス

 毎年の委託替え乗越え、雇用継承続ける
   -多摩都税分会不屈の13年の闘い-

 新宿路上喫煙パトロール分会−
   雇用継続区への要請が実る
 ◇シリーズ◇たたかう仲間たち〜全国の非正規公共関連労働者の運動〜D
自治労連 西宮養護学校介助員労働組合
 8時間働いたら帰る、暮らせる ワークルールをつくろう。
 委託職場で組合員が継続雇用 ―杉並区民センター分会― 
 東京都団交拒否第二次申立て事件
  中労委で不当命令 
 連載 「輝いて―闘いは終わらない― 12」
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毎年の委託替え乗越え、雇用継承続ける

〜多摩都税分会不屈の13年の闘い〜


毎年委託替えに負けず雇用継続
 東京都主税局の多摩都税窓口収納業務は、2004年度に全面民間委託されました。
直雇用で働いていた非常勤は多摩都税分会を結成して、委託反対・解雇撤回のストライキを決行して闘いました。このとき労働委員会に主税局を引き出して、「事業者が変わる際には新規事業者に(雇用を)円滑に引き継ぐ努力をする」との確認を交わしました。
その後業者が変わるたびに、分会は確認書を活かして新旧業者と事前交渉して、毎年雇用を継承させてきました。
また新規雇用主との雇用解約前に必ず団交を行い、時給単価引き上げに幾度も成功してきました。



ダンピングを都が容認
 東京都は全ての民間委託業務を毎年競争入札にかけ、最低価格に落札する、乱暴なやり方を数十年来行っています。
そのためダンピングに走る業者に毎年のように委託替えされて、そのたびに解雇問題が起きます。
「安かろう悪かろう」を地でいく都のひどいやり方は、結果的にブラック企業を参入させ、その下で労働者が苦しんでいることには見て見ぬふりをしてきました。
 2003年、最初の委託の際も、多摩都税非常勤の時給1556円は、委託後に1000円へ落とされました。
分会は毎年の闘いで1070円にまで押し返したものの、今なお500円も低い水準に置かれています。
都民の税金を扱う高度な事務労働に対して主税局は待遇改善を図るよう再三申し入れますが、逃げ回るだけの東京都です。
医療や税務の受託業者の中には、都の旧態然の乱暴なやり方を批判し、組合の運動に共感が寄せられる事態も生まれています。



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新宿路上喫煙パトロール分会
雇用継続 区への要請が実る



 新宿区の委託業務を行う喫煙パトロール分会の仲間は、1年ごとに入札で受託業者が替わり、毎年雇用が続くか不安でした。
次年度は業者が交替しながらも、全員の雇用を引き継ぐことができました。



 以前はブラック企業が落札し、解雇が強行され、都労委を含むたたかいで、5年前に解決しました。
 この経験から、組合は1月17日、区の契約管財課へ要請に行き、「業者が替っても新業者に現労働者の雇用をはたらきかけること」、「ブラック企業の入札からの排除」などを求め、今回それが実ったものです。今後は、1年毎の入札による雇用不安を減らすべく、複数年契約や総合入札の導入を求めて行きます。


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◇シリーズ たたかう仲間たち
-全国の非正規公共関連労働者の運動-D


〈自治労連 西宮養護学校介助員労働組合〉


子どもたちの安心・安全な
 学校生活をサポートするために・・・



 西宮養護学校には、小・中・高等部の重度肢体不自由児70名が通います。
介助員は現在正規5名、嘱託20名、臨時7名です。既に正規介助員に2つ、嘱託に1つの組合があった中、4番目の組合として嘱託介助員6人で出発しました。
 結成以来毎年、要求重点項目に掲げていることは、新人教育の徹底と研修体系の確立です。
 近年、生徒の増加に比例して臨時介助員が増え、今年は7人が採用されました。
今まででしたら、即現場、配属、即子どもの身体介助という恐ろしい状況で、新学期をスタートしていましたので、仕事の内容が分かったとたんに退職する人が後を絶たず、1日で辞めた人も何人もいました。
 そこで、新人を現場に配置する前に、基礎的な研修が必要なことを繰り返し要求しました。
障害児に対する身体介助の方法、飲食介助の方法、通学バス添乗に伴う車椅子リフトの操作の練習、緊急対応等々です。
 その結果、今年度は、新入介助員の研修体系が確立されるとともに、研修に対する超過勤務も認められるようになりました。
 次に得たものは、臨時介助員の継続任用の一部延長です。
もともと臨時介助員は3年で任用を打ち切られていましたし、年度途中に採用された臨時介助員は、実質3年未満でも3年継続者とみなされてその任用を打ち切られていました。
私たちが強く要求したことで、丸3年になるその日が年度途中の者に対しては、その年度が終了する3月31日まで任用が延長されることになりました。
このことは先々雇止めの不安を抱えている臨時介助員には一筋の光になりました。
 3つ目には、臨時介助員のジャージ貸与の要求実現です。
私たちの服装は仕事の特殊性から、動きやすいジャージを着用しています。
今年度の春闘の交渉時に強く要求し、正規・嘱託同様毎年ジャージ1本を貸与するとの回答を勝ち取りました。
 こうした成果は、臨時介助員が私たちの組合に入りたいと思う要因の一つになっており、4名の臨時介助員が加入しました。
 現在わたしたちの組合は嘱託と臨時をあわせ14人に成長しました。
今春、かねてからの要求が実現し、4名の嘱託の新規採用が行われます。
今後も課題は山積ですが、雇用の安定と待遇改善をめざし地道な活動を続けるとともに、新採用者を含め組織拡大を図りたいと思います。



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 8時間働いたら帰る、暮らせるワークルールをつくろう。


 首都圏青年ユニオンも参加する雇用共同アクションは、SNSを活用する「わたしの仕事8時間プロジェクト」をスタートさせました。
 働き方改革の名のもとに、月100時間までの残業時間を容認させる動きがありますが、そもそも労働基準法では1日8時間、週40時間が原則です。
 8時間働いたら帰る。残りの時間は自分の時間、家族との時間、仲間との時間を楽しむ。
 残業代がなくても、だれもが普通に暮らしていける。そういう社会にしたい。
 過労死や過労自死に追い込まれる人も、悲しむ遺族もなくしたい。
 こうした思いを実現させるため、最初の取り組みであるネット署名「8時間働いたら帰る、暮らせるワークルールをつくろう。」にぜひご賛同ください!
 携帯電話で、以下に記載されたQRコードよりネット署名を行えます。
ご協力ください!

ブログhttp://union.fem.jp/
ツイッター・フェイスブック@the8hours


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 委託先職場で組合員が継続雇用
〜杉並区民センター分会〜


 委託先職場の杉並区井草地域区民センターは、2016年度で受託契約期間満期を迎えました。 
 2011年3月に委託替えによる組合員への振るい落とし事件をきっかけに、発注元の杉並区に対し、指名競争入札から総合評価方式への改善など委託先労働者も受託業者も展望が持てる職場環境の整備を求めてきました。
その結果、2014年度から総合評価方式に改善され、同時に賃上げも勝ち取りました。
4月からの新たな契約でも引き続きS社が受託しました。
 課題としては、賃金が最賃スレスレの900円台であることから、賃上げ交渉や公契約条例制定による賃金規制が喫緊となっています。


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 〜東京都団交拒否第二次申し立て事件〜
中労委で不当命令


 東京都団交拒否事件の第二次申し立て事件は、非常勤職員の賃金交渉において、東京都の責任部局である総務局が出席を拒否し、まともな交渉が行われないまま賃金減額が強行された問題を不当労働行為として争われてきました。
 2014年6月の都労委の不当命令に続き、3月9日、中労委も組合側再審査の申し立てを棄却しました。


実態を無視した命令
 命令は、「総務局が決定的な権限ないし一定の影響力を有していたといえる」「総務局が実質的な権限や一定の影響力を有し」などと、賃金問題について総務局の実質的な権限や影響力を認めながら、「(各局から)応じられない理由について相応の説明をしている」。などと、各局がまともに組合に回答できない団交の弊害を見ようとしません。
 また、「決定権限がない生文局ないし産労局が交渉担当部局となった場合でも、実質的な交渉を行い得る体制が取られていた」などと、団交応諾回避の為の受け皿となっているみせかけの「調整機関」連絡協議会の存在を認める不当なものです。
東京都は、非常勤制度全般に決定権限のある総務局を団交に出席させず、最高裁決定通知(2014・2)に基づく誠実団交応諾義務を今も踏みにじっています。
中労委も「都は柔軟に対応すべき」と言わざるを得ませんでした。
 2015年度からは、一般職化で団交拒否、委員長の勤務する職場を民間委託することで組合を放逐しようとしています。
 引き続き、CAD争議勝利、東京都でまともな団交権を確立するまで私たちは闘い続けます。 


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 輝いて
−闘いは終わらない−
12


作 内田 妙子
            (JAL不当解雇撤回争議団
      客室乗務員団長)
挿絵 小泉 もとき



〜母の闘い(下)〜

 1月20日の東京地裁。昨年4月に誕生した男児を同僚に抱いてもらい、527号法廷で彼女の思いを裁判官に聞いてもらうのではなく聞かせた。彼女の証言に何度も頷いた裁判長。
 当日、原告側から当事者の神野さんを含めて3名、被告の日本航空から1名が証言に立った。
 CCU(日本航空キャビンクルーユニオン)の古川麻子執行委員長が1人目の証人尋問で、産前地上勤務制度ができた経緯と制度改悪後の労使交渉を中心に証言した。2人目は同僚の藤原真美さんが産前地上勤務に就いた経験から、客室乗務員職に相応しい地上業務が多く存在し必要とされていることを証言した。
 被告側の証人は、生産性の向上、つまりコスト削減のために希望者全員が就けていた制度を改定した経緯と、地上職のポストが限定されていることなどを証言。主尋問、反対尋問のあと、裁判長の質問に、傍聴者も身を乗り出して耳をすませた。
 佐々木宗啓裁判長はこう切り出した。「会社側証人に聞きますが、客室乗務員が妊娠して地上勤務に就けず無給休職となって、社宅住まいの場合は出ないといけない。アルバイトも認められないですよね?貯金がたくさんある人だけではないはずです。会社はどうやって生活するよう考えていたのですか?これでは退職させるシステムのように見えますが…」。
 傍聴席はざわついた。労使交渉で何度もやりとりをしてきた証人も、法廷では答えに窮してしばらく沈黙した。会社側の証人になるという辛さはこういうことなのだろう。
 証人尋問の最後は原告神野さんで、産前地上勤務の申請が却下されたため無給休職となり生活が困窮したことや、労働局均等室が調停を斡旋しても会社が拒否し、労使交渉でも不誠実な会社対応で八方塞がりとなってやむを得ず提訴に至ったことなどを証言した。
 当時を思い起こして涙をこらえながら答えようとするしばしの沈黙が法廷の静寂を誘う。傍聴席からもすすり泣きが聞こえる。原告代理人から「大丈夫ですか?少し時間をおきましょうか?」。「大丈夫です」と答えたあと、彼女の顔は正面の裁判長に向いていた。提訴から1年 ヶ月目の4月26日が結審。
 陳述書の最後に「妊娠した人、出産を経験した人からだけでなく、これから妊娠・出産を希望している人からもたくさんの激励の声や相談を受けるようになりました。そういった思いを受けて、私は女性が働き続けることができることを、また、妊娠による生活苦が理由で泣く泣くJALを去っていく客室乗務員がいなくなることを心から願っています……」と彼女は書いている。
 「元始、女性は実に太陽であった」(平塚らいてう)の言葉にいまの彼女が重なって映る。これから天高く昇らんとする東雲の太陽のように。



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