=====   自治体にはたらくパートの権利手帳   =====
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[第3章]これだけある公務パートの権利と制度保障
§1  公務パートに権利や制度保障はない?
§2  パートも均等待遇に扱われるのが世界の流れ
§3  公務パートにも労働基準法が適用
§4  一番素敵で強力な権利 それはパートが団結すること、たたかうこと
           労働三権      ●不当労働行為の禁止       ●委託契約でも労働組合に入れる

§5  さまざまにある制度の適用
     @社会保険(厚生年金、政管健康保険)のあらまし
     A雇用保険のあらまし
     B労働災害補償のあらまし
     C年次有給休暇
     D勤務についての決まり
     E生理休暇は請求権です
     F産前産後休暇や妊産婦の権利
     G育児時間
     H育児・介護休業
     I労働安全衛生
     Jパートの税金問題
     K最低賃金法の適用
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§5  さまざまにある制度の適用

   @社会保険(厚生年金、政管健康保険)のあらまし

パートには、社会保険などの適用がないと、しばしば誤解されていますが、次の場合社会保険の適用が(臨職、非常勤の区別なく)されます。

§加入資格
 加入資格は、次の2点を満たしている時、社会保険に加入できます。しかし、収入が少ない場合には配偶者の被保険者被扶養者となれる(本人は直接保険料を払わなくてよい)ので、注意してください。

 @2ヵ月以上を超えて任用され、かつ週当たり労働時間が常勤職員のおおむね4分の3以上(おおむね30時間以上)、月当たりの出勤日数がおおむね15日以上 、の場合加入。
(つまり「常用」的労働者とみなされるわけです)

 A年収が130万円をこえる場合。
 (共働きで自分の年収が130万円未満の場合は、一方の配   偶者が加入する被保険者の非扶養者となります)
 
 

§非扶養者の扱い

たとえ正規の4分の3以上の勤務時間(常用的労働者とみなされる)といっても、実際に6ヵ月以上の継続勤務が保障されないような臨職の場合では、おそらく年収が130万円未満になることがあるでしょう。こうした場合は、生計維持の認定基準といって、年収が130万円未満(身体障害者や60才以上の者は180万円未満)であって、かつ一方の配偶者の年間収入の2分の1未満であれば、配偶者が加入する被保険者の被扶養者として扱われます。(健康保険法一条2項)
     (改正平5・3・5・保発第15号、庁保発第4号)

§届出
 
 事業者が加入資格のある人について、社会保険事務所に届けていない場合、すぐにも届けるよう要求しましょう。
それでも実行しないようなら、組合を通すなどして、事業所のある所轄の社会保険事務所に行政指導を求めるのもよいでしょう。なお、おおむね4分の3という点では、例えば週30時間、月15日に多少足りなくても労使協議しだいで弾力的な幅が可能とされており、強く希望する者には加入させるよう要求を積極的に出しましょう。
 

§保険料の本人負担額(使用者と本人は半分づつ負担します) 
                          

  厚生年金 標準報酬月額×(165/1000)×(1/2)
       賞与等の額 ×( 10/1000)×(1/2)

  政管健保 標準報酬月額×( 82/1000)×(1/2)
       賞与等の額 ×(  6/1000)×(1/2)
 

標準報酬月額=パートの場合は通常の月収額と考えてよいでしょう。

【チェックポイント】
 ◇◇◇低賃金パートへの社保強制徴収◇◇◇

 最近、会計検査院が地方自治体に対して「2ヵ月勤続を少しでも超える公務パートからも社保の強制徴収を強行する」しめつけを行っています。雇用が実際に短期間で切られて年収が数十万円にもならない者から強引に毎月1万円以上も徴収し、がむしゃらに社保財源を確保しょうという狙いです。これまで、この制度は発足以来一貫して、年収が低い勤労者(現在は130万円未満)は、配偶者被保険者の非扶養者とすることを健康保険法(一条2項)、政令(国民年金政令四条2項)や多くの行政通達で定め、一度も変えられたことがありません。それをなんの改定もなく非扶養者家族から強制的な徴収を強行しようとしてきたのです。
 そのため使用者負担を強いられることになった各自治体側も、ひどいことに継続雇用してきたパートを2ヵ月で切ったり、労働日数・時間数を削減して適用逃れをしています。
ところがその一方では、これまで長期継続勤務で加入資格を有する者がいても実施を怠っている多くの自治体が存在します。また社保行政はこうした事を放置してきた事例も少なくありません。こうした状況を解消することこそ先決問題です。今度のような、そもそも強制加入対象から外れた短期雇用・低収入のパートから、脱法的に強制徴収をしようというのは絶対許されません。しわ寄せを弱者のパートに向ける行政の仕打に、いま全国で『被扶養者からの社保強制徴収反対』の闘いが起きています。

§国民年金・国民健康保険
 すでに述べたように、正規職員のおおむね4分の3に満たない勤務条件の者は、社会保険に加入できません。そこで年収が130万円未満の場合は、被保険者非扶養者として国民年金・国民健康保険に強制加入となります。もし年収が130万円を超える場合は、非扶養者からはずされ、本人自身で国民年金・国民健康保険加入となります。
 

         挿絵9
 
 
 
 
 
 

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