=====   自治体にはたらくパートの権利手帳   =====
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[第3章]これだけある公務パートの権利と制度保障
§1  公務パートに権利や制度保障はない?
§2  パートも均等待遇に扱われるのが世界の流れ
§3  公務パートにも労働基準法が適用
§4  一番素敵で強力な権利 それはパートが団結すること、たたかうこと
           労働三権      ●不当労働行為の禁止       ●委託契約でも労働組合に入れる

§5  さまざまにある制度の適用
     @社会保険(厚生年金、政管健康保険)のあらまし
     A雇用保険のあらまし
     B労働災害補償のあらまし
     C年次有給休暇
     D勤務についての決まり
     E生理休暇は請求権です
     F産前産後休暇や妊産婦の権利
     G育児時間
     H育児・介護休業
     I労働安全衛生
     Jパートの税金問題
     K最低賃金法の適用
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§5  さまざまにある制度の適用

C年次有給休暇

§1 付与日数

 ★パート保母に年20日(繰越し可)  東大阪市
 ★給食パートに年20日        富田林市

 このように、パートタイマーにも労基法どうりの年休日数が付与されます。表にあるように、6ヵ月を超えて働いた場合には、その時点で年休を全日数分与えなければなりません。勝手に2ヵ月に何日づつ、といった小出しの付与は違法です。
 注意したいのは、契約が2ヵ月更新でも結果として勤続6ヵ月以上であれば付与されます。またその間に数日間の中断があっても付与しなければなりません。ところで「朝2時間だけだから年休がもらえません」といった相談が寄せられます。年休には、一日の労働時間の多少は付与日数に影響ありません。例えば、一日2時間勤務なら有休一日分は2時間です。曜日によって時間が異なる場合でも考え方は同じです。休みたい日がたまたま4時間勤務の日だったとして、それに対して2日分使えというのは誤まりです。
 また週何日勤務とは定めない契約方法の場合は、年間何日出勤するかによって表を見てください。なお『雇入れ通知書』や辞令などで、契約上週1日勤務となっていて、実際に夏休みなどの三期休業や祝祭日によって年間48出勤日に達しないことが生じた場合でも、契約上からいって受給の権利はあります。
 なお下の表は、労基法の最低基準であり、これ以上支給できないというものではありません。パート労働法では、通常職員との均衡を図るよう求めています。それでいけば週5日の人には(ましてや公務員より多い6日もはたらいている人には)20日を与えて当然です。パートにそんな休暇を与えては「パートの意味がない」などという暴論をはく使用者に限って、正規を削ってパートにしっかり業務量を押しつけてくるものです。パートだって病気もすれば、旅行もします。家の心配事も等しく抱えています。いまや正規職員並みに20日を獲得している例も珍しくありません。
年休取得でも均等待遇をしっかり求めましょう。

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§2 実績8割の出勤率がないと次年度付与されない?

 労基法では、所定労働日(契約上の出勤日数)の出勤率が8割以下の場合には、次年度の年休を付与しなくてもよいとされています。しかし使用者側の都合(職場の行事や春・夏休みなど)や祝祭日によって勤務できなかったことまで欠勤とみなすものではありません。またパートにもとうぜん生理休暇や産前産後休暇を使用する権利が(有給・無給にかかわらず)労基法で保障されています。休んだことで不利益扱いをしてはいけないと定められており、休んだ日数は年休の出勤日数算定の上では欠勤扱いにされません。

§3 時間単位、半日単位の有給休暇

 パートもおなじ生活者として、急用で短時間欠勤したい場合があります。ちょっとしたことでそのつど年休をまる一日使っていては、それでなくても少ない年休です。すぐ無くなってしまいます。人手が足りない職場では仲間のてまえ、急に丸一日は休めなくてガマンしてしまうこともあるでしょう。
正規職員並みに1時間休を実現している臨職・非常勤職員も全国にはめずらしくありません。要求して実現しましょう。
 

§4 自由に使用する権利があります

 年休をどのように利用するかは労働者の自由と規定されています。
上司が「使う内容によって許可してくれない」「急病でも当日届けは認めない」そのためにとれない、といった場合でも、使用請求権はあります。急病の場合などよくあることですし、正規職員のふだんの扱いとくらべてパートを差別することは許されません。判例でも、かりに規則に事前届けがうたわれていても、急病などやむを得ない事情についてまで禁じるべきでないとしています。
 申請した使用日の振替え変更を上司に指示される場合があります。しかし、誰がみてもそのとき休まれたら(例えばいっせいに大勢休むと)職場が重大な事態におちいることが具体的に予想される場合などに限定されています(労基法39条4項)。ただ忙しいというだけで労働者が休みたい日に休ませないことは禁じられています。

§5 次年度繰越し使用する権利があります。

  年休は請求権が2年間有効(労基法115条)と規定されているので、与えられた年にとらなかった年休は翌年とることができます。パート(臨職・非常勤)は1年以内の契約だから繰越できないと、誤った規程が見受けられます。これまで述べてきたように、そもそも年休は契約期間の形式にかかわらず継続勤務年月の実績に対して算出・付与されるものですから、実質的に継続勤務するパートから繰越し権を奪うのは労基法違反として許されません。ところで年休の請求権は2年間ですから正規職員と同様に、前々年度の未使用分は捨てさせられるのが一般的です。

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