=====   自治体にはたらくパートの権利手帳   =====
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[第3章]これだけある公務パートの権利と制度保障
§1  公務パートに権利や制度保障はない?
§2  パートも均等待遇に扱われるのが世界の流れ
§3  公務パートにも労働基準法が適用
§4  一番素敵で強力な権利 それはパートが団結すること、たたかうこと
           労働三権      ●不当労働行為の禁止       ●委託契約でも労働組合に入れる

§5  さまざまにある制度の適用
     @社会保険(厚生年金、政管健康保険)のあらまし
     A雇用保険のあらまし
     B労働災害補償のあらまし
     C年次有給休暇
     D勤務についての決まり
     E生理休暇は請求権です
     F産前産後休暇や妊産婦の権利
     G育児時間
     H育児・介護休業
     I労働安全衛生
     Jパートの税金問題
     K最低賃金法の適用
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§5  さまざまにある制度の適用

D勤務についての決まり

(1) パートの休憩時間
(2) 割り増し賃金を必ずもらいましょう
      ●実労働に含まれる時間とは
        【チェックポイント】 ◇ただ働らきが人減らしに◇
(3) 使用者の都合による欠勤(休業)は賃金全額の補償を
 

(1) パートの休憩時間

 労基法は、労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩時間を「労働時間の途中」に与えなければならないと定めています。働きづめになると、職業病や災害発生率が高まるからです。
 実労働時間がちょうど6時間の場合、「6時間を超えていないので休憩を与えなくてもいい」という使用者もいます。確かに労基法ではそうでも、労働省の行政指導では6時間以内のパートにも休憩時間をとらせるようにしていますので、自治体は当然実施すべきこととして要求しましょう。実働8時間に対しても休憩を45分しか認めない使用者がいても、正規職員との均衡を考えればとうぜん1時間の休憩を与えるべきです。
 休憩時間とは、「いっせいにとる」「自由に利用できる」この2つの要件を満たしていなければなりません。注意しましょう。また手持ち時間や電話番は休憩時間ではありません。
 子供や利用者への必要な対応をとるために「ずれ勤務(休憩)」体制を敷き、あらかじめきちんと定めた場合は別として、どこからどこまでが休憩なのか判らない「のんべんだらり」としたやり方は許されません。「子供と食事をいっしょにとる任務が自分の休憩時間なので身体が休まらない」といった職場では、仕方がないと考えず、やりくりして別途休憩時間を確保するような改善についても要求しましょう。
 

(2) 割り増し賃金を必ずもらいましょう

●実労働に含まれる時間とは

 労働時間とは次のような時間をいいます。たとえ契約に決められていなくても使用者は支払わなければならないものです。
 @実際に仕事についている時間
 A作業準備、後片付け、作業服の着替え時間
 B朝礼、ミーテイング、引き継ぎ、その他義務付けられてい  たり、命じられたことによる拘束時間
 C保護具の着用、作業後の入浴など法律上義務付けられてい  ることに必要な時間
 D緊急な事態で責任上業務を続行しなければならない
 E仕事先以外でも、電話相談の対応を義務付けられている

 こうした場合の時間を合算すると、契約上の時間より多く労働している人も多いことでしょう。超勤手当支給、休憩時間増、あるいはこの際に見合う単価アップを求めるなど、積極的にチェックし、要求化しましょう。
なお、時間外割り増し賃金は、残業と深夜業には、時給の25%以上、休日出勤には35%以上の割り増し賃金がつくことになっています。必ずチェックしましょう。
 ただしこれは1日の労働時間が8時間を超えた分から割り増しの対象となる(労基法)ので、8時間以内までは通常の単価しか支払われない場合があります。しかし多くのパートは所定の契約時間が8時間以内というのが常態ですから、契約の所定外になる残業は8時間以内であっても割り増し賃金を支払わせているケースは少なくありません。

【チェックポイント】 
  ◇◇◇ただ働らきが人減らしに◇◇◇

 役所では、予算がないから残業代はこれ以上出せない、という話がしばしば出ますが、言語道断のはなしです。
 法律ではどんなにささいな時間外労働でも必ず支払うこととなっています。賃金未払いは違法であり、どんなに予算至上主義をとなえようとも通用するものではありません。そもそも、時間パートから「時間を値切ろう」などとは、さもしい話ではありませんか。

 『仕事を終わらせたいのに、園児を迎える保護者が現れない。  正規保母もこの時間帯は手薄。帰るに帰れない。』
 『オーバータイムは毎日のことだけど、少ない時間だから請  求まではどうも』
よくあるケースです。あなたはどうしていますか?
なるほど、職場の人間関係も大切だし、「少々のこと」で「いちいち文句を言う人だ」と見られては気まずくなるし、という感情は誰にもあります。ですがよく考えてみましょう。
 パートは「分刻みの賃金労働なのに、多少オーバーしても計算外」というのは、どこかおかしな話です。残業は月単位でまとめて計算して支払うのが一般的なのですから、日毎の切捨ては違法です。そこでちょっとこれからは、5分、10分のオーバーでも軽視せず、毎日ノートに付けて、みんなでチェック運動をしてみてはどうでしょう。ひと月で何時間にもなるようでしたらこれはもう「立派な」?ただ働きといえます。タイムカードを使わない職場では、パートの勤怠簿の記録方法や毎月賃金の計算方法など、職場で相談してはどうでしょうか。
 それに、人員不足が原因だからそれを解消させることが大切だ、という議論に発展するかもしれません。正規職員たちとの共通の思いにもつながって、職場の改善要求で正規とパートの団結を考えることにもなるでしょう。
ともあれ、正規との均等待遇は棚にあげて、「使い勝手の良いパートさんが、良いパートさん」であってはなりません。
当局には、パートも「余計に働かせれば」お金が応分にかさむぐらいの覚悟と良識を持っていただかなくてはね。
 それでなくても安上がりのパートばかり増やし、人員削減に拍車をかける「リストラ」好きの当局には、ここはひとつ、公務パート労働者の『しっかりぶり』を解らせておかねばならないところでしょう。

(3) 使用者の都合による欠勤(休業)は賃金全額の補償を

 正月4日目に「園児が今日は少ないから休んでほしい」とか、
図書館で内装工事がはじまったので「しばらく出て来なくてよい」といわれた場合、時給、日給制のパートの収入は減らされてしまいます。これでは困ります。
 もともと労働契約には、どの日を勤務を要する日とし、どの日を勤務を要しない日とするか、あらかじめ定めておかなければなりません。そもそも契約の際には、賃金を明示することを義務付けられているのですから、正規職員とちがって、勤務日数で賃金が決まるようなパートに対しては、当然契約期間全体を通して、勤務時間と勤務日を明示しなければ賃金(契約が保障した収入)を決めたことになりませんね。
 特段の定めがないのに、事業所の都合で休業をさせることを労基法(第26条)では「使用者の責めに帰すべき事由」として、6割以上の賃金の支払義務を負わせることとしています。しかしこれは最低でもこれ以上支払わないと罰金が課せられる(同法120条)との、刑事処罰に関する規定であって、民事上も6割でよいというものではありません。使用者には賃金全額の支払義務があるのです。
 どうやら現場の管理者にすれば、少しでも人件費を節約しようと、良かれと思ってやるのでしょうが、「パートの生活賃金を安易に削れると、あなどったために、かえって使用者に損をさせてしまう」という「悪例」です。つまり、働かせなかったにもかかわらず、手当(休業補償)だけを出すはめになっては、とうぜん当局から叱られてしまいます。こんな気の毒な話とならないよう、当局にも管理者にもよく知っておいてもらった方が、お互いのためと言えましょう。
組合があるのでしたら一度当局に「こうした場合休業補償をしますね」と確認してはどうでしょう。「そうした事実はないと思うが」と、逃げをうつかもしれませんが(?)、きっと「事実なら補償しなければならないでしょうねえ」と、ていねいな返事が返ってくること、請けあいですよ。

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