=====   自治体にはたらくパートの権利手帳   =====
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[第3章]これだけある公務パートの権利と制度保障
§1  公務パートに権利や制度保障はない?
§2  パートも均等待遇に扱われるのが世界の流れ
§3  公務パートにも労働基準法が適用
§4  一番素敵で強力な権利 それはパートが団結すること、たたかうこと
           労働三権      ●不当労働行為の禁止       ●委託契約でも労働組合に入れる

§5  さまざまにある制度の適用
     @社会保険(厚生年金、政管健康保険)のあらまし
     A雇用保険のあらまし
     B労働災害補償のあらまし
     C年次有給休暇
     D勤務についての決まり
     E生理休暇は請求権です
     F産前産後休暇や妊産婦の権利
     G育児時間
     H育児・介護休業
     I労働安全衛生
     Jパートの税金問題
     K最低賃金法の適用
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§5  さまざまにある制度の適用

F産前産後休暇や妊産婦の権利

 パート労働者が妊娠した場合、雇用契約が短期で不安定だからと、退職してしまう人がいます。使用者側も退職を要求してくることがあります。しかしパートといえども労基法で守られた権利があります。だいいち退職したら再就職は大変です。女性労働者には母体を守りながら、働き続ける権利があるのです。
 

(1)産前休暇は6週間

 パートにも労基法65条が適用され、産休がとれます。産前6週間(双子以上の多胎妊娠の場合は10週間)は本人が「休みたい」と申し出れば休むことができます。産前休暇は本人が請求しないと、働かせても使用者は法律違反にならないので、予定の6週間前にはきちんと申し出て産前休暇をとりましょう。
 公務員の多くは、産前産後それぞれ8週間を保障させているので、同じ事業所にはたらく労働者として、同一の扱いをするよう求めましょう。

(2)産後休暇は8週間

 産後8週間は、本人が申し出なくとも当然休むことができます。(とはいっても、雇用打ち切りや不利益扱いされないために、きちんと届けましょう)。産後6週間は本人が希望しても仕事につくことは禁じられています。ただし、産後6週間を経過し、本人が働くことを請求した場合で医師が支障がないと認めた業務については就業することができます。産後はそれだけ母性を優先的に保護する必要からこのように定められたものです。パート労働者が女性であることを理由に離職を強いられることなく働き続けられのは、永いあいだの闘いの成果なのです。これからも守りつづけなければならないとても重要な権利です。

(3)出産の予定が変ったばあい

 出産が予定より遅れた場合でも、出産当日までは産前休暇となり、そのぶん産後休暇が減らされることはありません。
 妊娠 4ヵ月(一か月は28日で計算)以後の分娩は出産とされます。死産の場合も含めて産後休暇が保障されます。
4ヵ月未満の流産や子宮外妊娠などでの中絶などは、法的な保障はありませんが、母体に大きな負担となるので、組合が要求して特別休暇を認めさせるなどの運動も必要です。

(4)健康保険から出産育児一時金と出産手当金がでます。

 本人が政府管掌健保に加入しているか、配偶者が加入する被保険者の被扶養者である場合には、以下の表にあるように、30万円の一時金(双子は2倍)と、給料の60%(日額の60%を、産前42日分、産後56日分)が支給されます。

 ※ 本人が社会保険に入っていなくても、被扶養者であれば  受給できます。

    <表ーC 写真>
 
 
 
 
 

(5)妊娠したら軽い仕事への変更が請求できます。

 妊娠中の女性が請求すれば、使用者は
これまでの仕事から他の軽い作業へ変
更しなければなりません。短時間労働
だから認められないということはあり
ません。まずは口頭ではっきりと申し  挿絵13
出ることです。そうして仕事を変更し
てもらい、安心して働いている方も公
務パートにいます。[軽作業転換請求権/労基法65条3号]

(6)妊娠や出産を理由に解雇や不利益扱いは禁止されています。
 労基法『産前産後の休暇中およびその後の30日間は解雇することはできない』(19条)
 均等法『女子が婚姻し、妊娠し、または出産したことを退職理由とする定めをしてはならない』(第11条)
 「契約が1年なので、次年度にまたがるような休暇は認められないのではないか?」「契約更新されないのではないか?」
 パート雇用なら、まずこのことが心配です。実際、とてもそのような権利要求なんて無理だと考える人もいるでしょう。でも契約更新が普通にくり返されてきたのに、あなたが産休を取りたいと言ったとたんに、契約更新しないというのはもちろん禁じられた行為です。産休の途中に契約期限がくるとしても、この場合、使用者は雇用を打ち切ることは許されません。それまでの実態からいって、あなたの雇用は産休明けにも継続されるべきものとなります。
 また、産休は出勤したものとみなすため、「契約に必要とされる前年度の出勤率が不足だ」として更新しないやりかたも許されません。次年度年休付与日数を算出する場合にも同様に差別してはならないとされています。
 最初はためらっていた若いパートさんが、「生活には代えられない」と要求したところ、当局からは「産休ですから契約問題で違法行為とならないように考えています」と、とてもていねいに対応してくれた(東京・保育園非常勤)といいます。
 どうですか? はたらく女性パートの権利をもっと堂々と要求してガンバレば、当局もいつまでも使い勝手の良いようにばかりはできないのです。
 
 
 

           挿絵15
 
 
 

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