五條ユースフォーラムに期待する


五條市長  今田 武


一年の計を考える者は 稲を育てよ
十年の計を考える者は 木を植えよ
百年の計を考える者は 人を育てよ

 この言葉は、第4期発足時に事業計画書の冒頭で使用されていたものです。まさに国家百年の大計は人材育成にあるといえます。
 堺屋太一という作家が現代を「大変な時代」と評しているように、東西ドイツの壁の崩壊、ソ連の解体という歴史的な変動から始まり、国内的にも自社連立政権の誕生、バブル経済の勃興と破綻など、その少し前には予測すらつかないような事態が連続発生しています。
 しかし、時代・社会がどのように変化しても、人間がその中心であります。人間の幸福実現を求めて、政治・経済・教育・文化といった様々なジャンルは錯綜し、絶えず変化しています。今、インターネットの出現で、ますます情報ボーダーレス世界になりつつありますが、やはり、主体は人間であります。
 ユースフォーラムの皆さんは、「魅力のあるまちづくり」を一年間学習され、「魅力のある人が住むまちが魅力のあるまち」だという一つの結論を出されたと伺っております。ここに提出していただいた最終レポートもそのことが基調になっているようです。いわば"人間"を基点にしたまちづくりは、環境デザインや都市工学、あるいは福祉を充実させた視点、生態系に配慮した開発、生涯学習のまちづくり等々の異次元の角度を整合化させるヒントになることでしょう。
 最後になりましたが、一年間本当にご苦労様でした。"まちづくり"の学習は、春夏秋冬の一小節ではこなしきれないボリュームがあったことでしょう。皆さんのご労苦に敬意を表し、また、今後の更なるご活躍を期待しますとともに、ユースフォーラム活動にご理解とご協力を賜りました関係各位に御礼を申し上げます。
 五條ドリーム創造のキーは、青年のほとばしる熱と力にあります。


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