'99年12月9日 吉祥寺 Star Pine's Cafe

'99年12月9日に吉祥寺スター・パインズ・カフェで行われたライブの感想です。

私は立ち見席の最前列のまん中で、さえぎられるものが何もない好位置にいました。
最初さねよしさんが登場した時にはまずその衣装に驚いたっ。
丸いフラットカラーの白いブラウスに細いリボンを蝶結び。 ボトムは黒の皮のミニプリーツスカートに同色の吊り紐(前から見るとH型、後から見るとX型)。 そして白のハイソックスに黒い靴。
確か15年位前に戸川純がこんな格好にランドセルしょって歌ってなかったっけ? という記憶が私の脳裏をよぎる…。
この衣装は反則だ!となぜか思った。でも、似合ってしまうんですよね。

音楽的にどうだったとかはあんまり覚えてませんが(^^;、とにかくステージから密度の高い 気が溢れているような感じでした。
さねよしさん自身もその空気を壊さないためにMCが控えめだったのはちょっと 残念ですが、今回のステージは本人も満足だったのではないでしょうか。
選曲もうまくされてて緩急を駆使し、終盤に向けていやがおうでも盛り上がる 構成だったと思います。
新曲の「A Bell」は中盤のしっぽりムードの時によく合ってたと思います。 クリスマスっぽい音でした。
そして「とても正確なことが」!今回はこれを聴きたいがために行ったと 言っても過言ではありませんが、期待以上でした。
ギター1本だけで歌うこのアレンジの方がずっといいです。 この歌ができた時もきっとこんな感じだったんだろうなあ、とか考えながら 聴いていました。
(最後歌詞を間違えたのもわかってしまう位、この歌が好きでをいつも聴き 込んでいる自分…)

作文を朗読するなんてのも円形以外では私は初めて見ました。
「つぐちゃんの不思議な話」は最近書かれたようで、朗読ごっこでも読まれて いました。弟さんであるつぐちゃんの不思議な話の内容とそれを朗読する さねよしさんの声に引き込まれていく……。

その後の「イエナ」では座って歌うさねよしさんの後のスクリーンに不思議な 映像。人形作家(とさねよしさんが紹介されてた)双木昭夫氏による「きれいな お人形さん(さねよしさんいわく)」の映像です。
わざと古ぼけさせたような画像でもの哀しい色調の中を人形が動く(恐い!)。
どこかで読んだ「人形は既に死んだ肉体」とかいう一遍がうかぶ。
しかし、その発するエロス・タナトスの魅力にもう釘付けになりました。
(人形の衣装はさねよしさんとお揃いでした。)
このせいで私は一気に血圧があがってしまい、後は怒濤のように押し寄せる 興奮の中にいましたので、よく覚えてません。

その後はにぎやか系の歌が続き私は立ち見でよかったー、と心底思いました。
それーーっ、おりゃーーっ、どりゃーーーっっ という感じで過ぎてった…
新曲の「ぜんぶ」もまさに時機を得てました。言葉を叩き出すように力強く 歌うところがビシビシと心地よかったです。
朗読ごっこで「ラップが好き」と言われてたので、この歌も少しラップの影響が あるのでしょうか?

とにかく完成度の高い充分満足のいくライブでした。 こういう編成でまたやってほしいな。
                               (ゆ)


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