トップページ > このページ  更新日 2021/04/30

監理技術者等の配置は施工計画書に明示する

□総合施工計画書の施工体制や施工管理組織の中に監理技術者の位置づけをする。また工種別施工計画書の中でも品質管理項目には監理技術者が関わるようにする。
□工事現場毎の技術者配置の根拠(技術者の役割)
 @適正かつ生産性の高い施工を確保するため高い技術力を有する技術者を工事現場毎に配置。
 A建設生産物ならびに施工の特性を踏まえ、技術者の技術力が必要。
□建設生産物の特性
 @一品受注生産(予め品質を確認できない)
 A完成後は瑕疵の有無確認が困難
 B長期間、不特定多数の者に利用される等施工の特性
 C下請業者も含めた多数の者による総合組立生産
 D天候等に左右されやすい現地屋外生産
 E発注者は建設業者の技術力を信頼し施工を託す
■建設業者が組織として有する技術力
+■建設業者に属する技術者が個人として有する技術力
=■適正かつ生産性の高い施工の確保

1.監理技術者等の配置義務

□建設業者(許可を受けて建設業を営む者)は、建設工事を施工する場合には、請負金額の大小、元請・下請にかかわらず、必ず工事現場に施工の技術上の管理をつかさどる者として、主任技術者を置かなければならない。(法第26条第1項)
□また、特定建設業者が、発注者から直接工事を請け負い(元請)、総額4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上を下請契約して施工する場合は、主任技術者にかえて監理技術者を置かなければならない。(法第26条第2項、令第2条)
□一般建設業者が元請の場合は、下請契約の総額4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)未満の建設工事しか請け負うことができないため、主任技術者の配置で足りる。
□下請の場合は、特定建設業、一般建設業にかかわらず、主任技術者の配置で足りる。
許可を受けずに建設業を営む者は、主任技術者の配置義務はないが、工事の完成を約す請負工事であるので、施工の責任者を置いて施工すべきである。
□したがって、元請となった特定建設業者は、監理技術者等の配置の要否を判断するため、工事受注前にはおおむねの計画を立て、工事受注後速やかに、工事外注の範囲とその請負代金の額に関する工事外注計画を立案し、下請契約の予定額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となるか否か的確に把握しておくとともに、工事外注計画について、工事の進捗段階に応じて必要な見直しを行う必要がある。
監理技術者の配置は総合施工計画書の施工体制および施工管理方法の中に明示する。

2.専門技術者の配置義務

□土木工事業や建築工事業の業者が、土木一式工事又は建築一式工事を施工する場合で(元請業者)、これらの一式工事の中に含まれている専門工事(軽微な建設工事を除く。)を自ら施工する場合には、それぞれの専門工事について主任技術者の資格を持っている者(専門技術者)を工事現場に置かなければならない。自ら施工しない場合には、その専門工事に係る建設業の許可を受けた建設業者に下請けさせなければならない。(法第26条の2第1項)
□また、建設業者は、許可を受けた建設業の建設工事に附帯する他の建設工事(いわゆる附帯工事(軽微な建設工事を除く。))をすることができるが、その場合も、その附帯工事に関する専門技術者を置かなければならない。自ら施工しない場合には、その附帯工事に係る建設業の許可を受けた建設業者に下請けさせなければならない。(法第26条の2第2項)
□下請けさせない場合、請け負った建設工事の主任技術者又は監理技術者が、その専門工事について、主任技術者の資格を持っている場合、その者が専門技術者を兼ねることができる。資格を持っていない場合は、自社の中で、その専門工事について主任技術者の資格を持っている他の者を専門技術者として配置する。

3.主任技術者から監理技術者への変更

□当初は主任技術者を配置した工事で、大幅な工事内容の変更等により、工事途中で下請契約の請負代金の額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となったような場合には、発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、主任技術者に代えて、所定の資格を有する監理技術者を配置しなければならない。ただし、工事施工当初においてこのような変更があらかじめ予想される場合には、当初から監理技術者になり得る資格を持つ技術者を置かなければならない。

4.監理技術者等の途中交代

□施工管理をつかさどっている監理技術者等の工期途中での交代は、建設工事の適正な施工の確保を阻害するおそれがあることから、当該工事における入札・契約手続きの公平性の確保を踏まえたうえで、慎重かつ必要最小限とする必要があり、これが認められる場合としては、監理技術者等の死亡、傷病、退職、出産、育児又は介護等、真にやむを得ない場合のほか、次に掲げる場合等が考えられる。
 @ 受注者の責によらない理由により工事中止又は工事内容の大幅な変更が発生し、工  期が延長された場合
 A 橋梁、ポンプ、ゲート等の工場製作を含む工事であって、工場から現地へ工事の現場が移行する時点
 B 工事の規模の大小にかかわらず、一つの契約工期が多年に及ぶ場合
なお、いずれの場合であっても、発注者と発注者から直接建設工事を請け負った建設業者との協議により、交代の時期は工程上一定の区切りと認められる時点とするほか、交代前後における監理技術者等の技術力が同等以上に確保されるとともに、工事の規模、難易度等に応じ一定期間重複して工事現場に配置するなどの措置をとることにより、工事の継続性、品質確保等に支障がないと認められることが必要である。
 (注)上記は、基本的には公共工事に適用されるものであるが、民間工事においても準用することが望ましい。

5.営業所の専任技術者と監理技術者等との関係

□営業所における専任の技術者は、営業所に常勤して専らその職務に従事することが求められている。
□特例として、当該営業所において請負契約が締結された建設工事であって、工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度に工事現場と営業所が近接し、当該営業所との間で常時連絡をとりうる体制にあるものについては、当該工事の監理技術者等を兼務することができる。ただし、所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にない者や工事現場の専任が必要となる場合は兼務することができない。兼務する場合は施工計画書の現場施工管理体制の中に明示し、監督員の承諾を受ける。
□なお、営業所における専任の技術者として申請のあった技術者が会社の社員の場合は、出向社員であっても、当該技術者の勤務状況、給与の支払状況、当該技術者に対する人事権の状況等により専任制が認められれば、「営業所に常勤して専らその職務に従事」している者として取り扱うこととなっているが、この技術者が工事現場における監理技術者等となる場合は、後述するように、所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあることが必要である(営業所における専任の技術者の取り扱いについて(平成15年4月21日付、国総建第18号))。

6.現場代理人と監理技術者等との関係

□現場代理人は、請負契約の的確な履行を確保するため、工事現場の取締りのほか、工事の施工及び契約関係事務に関する一切の事項を処理するものとして工事現場に置かれる請負者の代理人であり、監理技術者等との密接な連携が適正な施工を確保するうえで必要不可欠である。
□現場代理人の選任、常駐義務、資格要件、監理技術者等との兼任などは、請負契約書で取り決められ、「建設業法」においては、現場代理人を選任した場合、その権限に関する事項等について、発注者に通知することとされている。(法第19条の2)
□また、公共工事標準請負契約約款第10条第2項では、現場代理人は工事現場に常駐とされているが、第3項では、発注者は前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、発注者との連絡体制が確保されると認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができるとしている。さらに第5項において、「建設業法」に基づく監理技術者等は、現場代理人を兼務できるとされている。
□ 「現場代理人の常駐義務緩和に関する適切な運用について」(国土建第161号平成23年11月14日)では、現場代理人の常駐義務緩和の基本的な考え方として、「契約締結後、現場事務所の設置、資機材の搬入または仮設工事等が開始されるまでの期間や、工事の全部の施工を一時中止している期間等」を示している。さらに「安全管理や工程管理などの工事現場の運営・取締り等が困難なものでない(主任技術者や監理技術者の専任が不要な規模・内容など)」と「発注者または監督員と常に携帯電話等で連絡が取れる」のいずれも満たす場合にも常駐義務を緩和することが考えられるとしている。
□常駐義務の緩和に伴い他の現場代理人などを兼任する場合については、@兼任する工事の件数が少数(2〜3件程度)、A現場間の移動距離が一定範囲(同一市町村内など)、B発注者または監督員が求めた場合に現場に速やかに向かえるという3条件をすべて満たすこととされている。なお、これらの条件をクリアしても、建設業法上の主任技術者又は監理技術者の専任義務は緩和されないことに留意する必要がある。
現場代理人が管理技術者を兼ねる場合は、施工計画書の施工体制または現場施工管理組織の中で明確にする。



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