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 更新日 2020/09/18  

総合施工計画書の作成要領−2

■総合施工計画書の構成

1)総合施工計画書の構成は、おおむね次のようになる。
 a.工事概要
 b.実施工程表
 c.現場の組織
 d.現場の運営
 e.総合仮設計画
 f.施工の方針
   指定機械、主要資材、施工方法等
 g.施工管理計画
   工程・出来形の管理、品質管理、写真管理、段階確認
 h.安全衛生管理
   安全管理、緊急時の体制及び対応、交通管理
 i.環境管理
   環境対策、現場作業環境の整備、再生資源の利用促進
 j.監督職員への対応

■総合施工計画書の記載事項

 総合施工計画書の各項目の記載事項と記載にあたっての注意事項を次に示す。
 なお、ここに示す各項目と注意事項は相互に関連するものであり、いずれかの項目で必要な情報が盛り込まれていれば、必ずしもここに示す項目すべてを記述する必要はない。 

1)工事概要

 工事名称、発注者、設計・監理者、構造・規模・建物用途など建物概要、杭・外装・設備方式など特徴的な仕様を記載する。

2)実施工程表

 実施工程表には、工種別に施工予定時期・構成比率、総合工程曲線を記入し、現場条件が反映された無理のない工程とする。また、必要に応じ、関連工事の主要な工程も記入する。
  (監理指針1. 2. 1を参考に作成する。)

3)現場の組織

  現場代理人、主任(監理)技術者及び担当係員の構成を含む当該現場の施工管理組織を記載する。施工管理組織としては、安全衛生管理組織及び災害防止協議会組織も含める。
  下請の主任技術者、責任範囲等を明確にする。
  また、指示命令系統、社内の管理組織及び支援体制とスタッフとの関わり方等を含める。
  特に主任(監理)技術者による現場管理(安全・環境・品質・工程)のチェック方法と監督職員への報告内容を記載する。

4)現場の運営

 休日、作業時間、会議、集会などを記載する。
 原則として作業を行わない曜日及び時間の設定並びにやかを得ず休日作業、時間外作業を行う場合の手続きを記載する。
 各種の会議、集会としては、当該工事を進めるにあたって、官公署、発注者から協力会社、材料メーカーまでを含めて誰が参加するのか、  また、工程の中でいつ頃実施するのか、といった運営方法を記載する。
 盆、正月等長期の休日となる場合は、その間の対応を記述する。

5)総合仮設計画

 仮囲い、工事用出入口等の仮設平面計画、現場事務所等の仮建物計画、外部足場等の足場・架設通路計画、車両及び揚重機の配置等の荷揚計画などを示した総合仮設計画書・総合仮設計画図を作成する。
 仮設物の設置にあたっては、取付状況、立地状況、予想される気象の変化の影響(積雪、落雷、突風の影響の受易さ等)を十分考慮し、社内の安全担当部門の確認を受ける。
 工事の安全看板等の位置も併せて明記する。

6)施工の方針

 工事の全体的な手順と進め方、請負者としての当該工事重点施工管理項目を抽出して記載する。
 協力会社の工事への関わりと元請会社としての管理方法を記載する。
 山留め、乗入れ楫台、逆打ちなどの地下工法計画並びに鉄骨、PC、足場、型枠、外装などの地上施工工法計画を記載する。
 施工改善提案(VE提案など)の手順と方法を記載する。
 重点施工管理項目としては、工種別施工計画書に特に詳細な計画を盛り込むようにする。
 請負者としての施工の基本方針を明示し、これを徹底する。具体的には、この方針を、意志決定を行う際の判断基準とする。

7)施工管理計画

a.工程の管理
  工程上の主要管理項目の設定と進ちょく度管理のポイントを示すなど、工事進ちょくの確認と管理の方法を記載する。
  実施工程表、月間・週間工程表の作成方法、工程調整会議の開催、また、工種別施工計画書・施工図、見本などの作成から承諾の予定時期などを記載する。
  また、工期が3か月以上の工事については月毎の進捗状況の確認と履行報告を行うことを記載する。
b.出来形の管理
  設計値に対する許容誤差を定め、施工後の計測方法等について具体的に記述する。また、許容誤差内に収まるように施工するための方法についても記述する。(標準仕様書に記述のないものについては、請負業者で設定する。)
c.品質管理
  設計図書、施工図書の周知徹底の方法、施工管理の手法、確認・検査の組織と方法などを記載する。
  工種別施工計画書・施工図作成一覧、標準見本作成一覧、使用材料報告書、協力会社に提出を求める施工要領書、製作要領書、検査要領書の作成予定及び提出時期を記載する。
  施工要領書、施工図等を専門工事会社に作成させる場合は、元請負者としてどう管理、確認するのかを記述する。
  ここでは、品質管理全般に関わるような共通ルールを示し、具体的な内容は、工種別施工計画書に盛り込むようにする。
  工種別の施工計画書・施工図としては、各工種のうちのどれを作成するのか、いつ提出するのかについて記述する。
  また、材料搬入時の機材検査要領、施工後の試験等、管理基準値に対する実測値の計測方法等、品質管理の具体的な方法を記述する。
  品質管理については、別途品質管理計画書を作成し、詳細をそちらに記述することとしてもよい。
d.写真管理
  工事にとりかかる前に工事写真の撮影計画をたてることにより、写真の撮り忘れがないように注意する。
  工事写真には常に次の要素がわかるようにする必要がある。
  ・誰が、いつ、どこで、なにを、なんのために、どうやって
  ・工事写真は、工事の内容(建物の種類、規模、使用材料等)を十分に理解している者が撮影する必要がある。(撮影の補助者も撮影者と同様にその工事に精通している者であることが望ましい。)
   また、写真全体としてストーリーがあるので、写真記録員を定め、撮影にばらつき等が生じないように注意する。
  (1)工事写真の種類
    @工事経過の記録
    A使用材料の確認
    B品質管理の確認
    C維持保全の資料
    D問題解決の資料
   詳しくは、「建設大臣官房官庁営繕部監修 工事写真の撮り方」を参照し、記述する。

e.段階確認(監督職員への対応を含む)
  一工程が完了した場合は、請負者の自主検査として設計図書に指定されたとおりであることを計測等により確認・記録し、監督職員に報告する必要がある。この報告をした後、監督職員の立会いを求めることになる。これらの事項について請負者として、いつ、どのように管理・確認するかを記述する。
  なお、この報告は主任技術者又は監理技術者が行う。

f.社内検査
  社内検査要領を定め、誰が、いつ、どのように検査するかを記述する。

8)安全衛生管理

a.仮設を含めた安全衛生管理については、必ず社内の安全担当部門の確認を受けたものとする。
  安全衛生管理基本方針及び安全衛生管理重点項目を記述する。
  工期全体での安全衛生管理活動の計画表及び工程別の安全衛生管理計画表を添付する。
b.現場の組織で示された会社としての安全衛生管理活動と現場における活動との関係を記述する。
  安全については、現場内における工事関係者を対象とした労働安全衛生だけでなく、第三者災害の防止など公衆災害に対する安全管理についても記述する。また、仮設計画図を作成し、現場事務所等、資材置き場、仮囲い等、工事・安全看板の設置箇所等について図示する。
  安全衛生管理の具体的な展開として実施する工事現場入場者等に対して行う教育・その他のイベントは、(4)現場の運営の中に記述する。
  安全衛生管理として特に次の3項目は、重点管理項目に入れておく。
  (1)敷地周辺の公衆災害防止
  (2)足場の組立・解体など特定作業主任者と元請負者の責任
  (3)室内工事の足場上作業:別契約の設備工事業者との連絡調整
    安全衛生管理を実施する組織としては、請負者ごとに構成する「安全衛生管理機構」と、現場ごとに構成する「工事安全衛生協議会」を構成する。
  労働安全衛生法に基づく指名を受けた場合は、「工事安全衛生協議会」の企画・運営を実施する。
c.緊急時の体制及び対応を確立し、現場で起こりうる事故・災害等について緊急時の手順書としてまとめ、緊急連絡体制が常に機能するよう考慮し、記述する。
  また、安全衛生管理の一環として、特に次の項目に関して、事後の点検、その結果の発注者への連絡方法等を明示する。
 (1)震度4以上の地震が発生した場合
 (2)台風、大雨、大雪等の気象情報(注意報、警報)が出された場合

  安全衛生管理については、別途安全衛生管理計画書を作成し、詳細をそちらに記述してもよい。
  特記仕様書で安全計画書の提出を求めている場合は、(8)安全衛生管理の内容を安全計画書に含めて記述する。

9)交通管理

 道路工事等で交通規制が必要な場合、その内容及び時期、交通整理員の配置、規制看板の設置等について、記述する。
現場周辺の状況を考慮し、大型車両の出入り方法について記述する。また、道路を汚損する可能性がある場合、路面清掃の方法及び作業予定時期について記述する。

10)環境管理

a.環境管理基本方針及び環境管理重点項目を記述する。特に契約図書で環境対策が指定されている場合は、このことについて具体的に記述する。
  工期全体での環境管理活動の計画書を添付する。
  具体的な項目としては、建設発生材の抑制、建設副産物の有効利用・リサイクル、建設残土・建設廃棄物の適正処理などに対してどのように対応するのかを記述する。
  また、広い意味での環境として、建設作業環境の改善、建設事業のイメージアップ、地域コミュニケーションの実施などについてどのように対応するのかを記述する。
b.請負者の組織で示した会社としての環境管理活動と現場における活動との関係を記述する。
  環境管理の具体的な展開として実施する工事現場入場者等に対して行う教育・その他のイベントは、(4)現場の運営の中に記述する。
  現場内外の整理・整頓計画を記述する。

  建設発生材の抑制としては、各建設材料の発生材処理の実態を常に把握し、適正処理のために経費が必要な場合は、適宜VE提案を実施する。同様に副産物の有効利用、廃棄物の適正処理についても、積極的な提案をできるようにする。また、提案をした管理の実施状況の点検方法及び発注者への報告方法を記述する。

  発生した産業廃棄物の処理方法について、適正に処理することが判断できるよう記述する。
  環境管理については、別途環境管理計画書を作成し、詳細をそちらに記述することとしてもよい。
  ここで記述した方法と実施状況から対外関係、建設業のイメージアップへの貢献などが適切であることを判断される。

11)官公署への手続き・届出

  工事の着手、施工、完成にあたり関係官公署その他関係機関への届出、手続き等の提出時期を記述する。
■総合施工計画書の活用
 総合施工計画書を提出したら、以後の工事はこの総合施工計画書に基づいて進める。
 総合施工管理計画書に基く施工管理の実施状況は、社内検査等の実施により確認・指導を受ける。併せて、社内の評価を受けるようにしておく。
 これらを受けて、総合施工計画書の内容は工事の進捗とともに適時検討を行い、検討結果や処置を確実にフォローし、計画の変更があった場合には、該当する書類の修正をし、関係者への周知徹底を図る。


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