ゲストブックのこと 2000/01/06


誰からもほとんど顧みられず、私自身ふだんあまり注意を払っていないが、このホームページにはいちおうゲストブックがあって、ほそぼそと存続していた。

先日100人目の登録があり喜んでいたところ、1/4にはまた101人目の登録があった。 これが嬉しいのである。

中(あたる:愛称ジョン)と都(みやこ)ちゃん。 ジョンは12年前、武漢大学にいたころのルームメイト、みやこちゃんも同学で、2人はのちに結婚した。 2人とも体格はミニサイズ、じゃれあう子犬のようなカップルで、なんか、すごくかわいいのである。

僕は今でこそ生活全般にわたって何でもするが、当時はジョンに助けてもらってばかりいた。 彼は毎朝早起きして授業に向かう。 1年2年の語学留学ではない。 彼は新入生として武漢大学に入学し、なんと卒業までやり通したのだ。

授業ついでに、朝食にするシャオピンを何人分も買ってきてくれ、ぼんやりしている僕なんかにも食べさせてくれた。 午後は自由市場にも行って食材を買い、米の石取りから始めて料理に腕を揮い、みんなにふるまう。

遠くまで自転車を駆りコーヒー豆を買ってきてくれたり(当時珍しいことだが、僕らはレギュラーコーヒーしか飲まなかった)、気が向いたら香港まで買い出しに行ったり。 彼はそれを私することがなかった。 善良さがいかに貴重な資質であるか、生活に即して学ばせてもらった。

いっしょに野球に興じ、バレーボールチームを作って校内大会に参加し、もちろん中国人学生とも遊び、他国の留学生ともつきあい、旅行に出かけ、たまには勉強もし、長い学生生活のなかでもあんなに楽しかった時期はない。 その時期をともにすごしたルームメイトなのだ。

僕が帰国したあと、しばらくジョンが抜け殻みたいになってるとみやこちゃんが教えてくれた時、嬉しかったし、その後も続く留学生活を思ってしっかりやりとげてほしいと祈った。 立派に学業を終え、仕事に就き、一家も構えて、もう2人とも30を越えたとのこと。

僕はもう40だが、長く生きてるのも悪くないと感慨にひたった素晴らしい年明けとなった。

ちなみに、ゲストブック100人目の記帳者は、現在武漢大学に留学中とのこと。 楽しい留学生活を送られること心よりお祈りする。