最終行が若干おだやかでないが、ほのぼのとした、いい詩だと思う。

木山捷平「妻」

団子や芋をよく食ふので
妻はよく屁をひるなり。

少しは遠慮もするならん
それでも出るならん。

しかしぼくはつくづく
離縁がしたく思ふなり。


私も腰折れをひとつ。

「妻」

つぎつぎと夫がつまらぬことを思いつくので
妻はよく怒ってたたくなり。

少しは遠慮もするならん
それでも手が出るならん。

しかしぼくはつくづく
平和がほしく思ふなり。

やはりほのぼのとした、いい詩だと思う。