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『話せる島記・外伝』

『第一章・それぞれの道』

『第四話・悲嘆の廃墟〜頭骨出せっ!』

グルーディン港の村から悲嘆の廃墟へは、捨てられた露営地の前を通って行く。そういえばここもまだちゃんと入ったことがなかったっけか。

お姉ちゃんが昔、トロピカーナさんに連れられて来た時に全滅して以来、ここも「怖いところ」って印象で、ほとんど立ち入ったことがなかった。いずれまた・・・と思いつつ、今回はその先にある悲嘆の廃墟を目指す。いや、正確にはその先にあるグルーディオ城の村に立ち寄る必要があるか。さほどの距離ではないので、走って行こう。

霧の立ち込める廃墟を通り越してグルーディオ城の村へ。

わざわざ立ち寄ったのには理由がある。

エルたちから、「悲嘆の廃墟に行く前に、城村のサメドって人物に会うといいよ」と情報を聞いていたからだ。

この頃には、友達たちと現状や近況を交感魔法で話しあったり、場所が近ければ直接会って井戸端会議をしたりと、交流を深めていた。そんな中、時折エルが「頭骨出せ〜〜」と叫んでいることがあった。最初は全くなんのことだかさっぱりわからなかったがグルーディオ城の村でサメド氏の話を聞き、やっと理解ができた。

サメド?

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このおっさん・・・おっほん、もとい。この方が求めているのは悲嘆の廃墟や絶望の廃墟に出没するゾンビ、スケルトンの身体の一部らしい。何に使うのかは謎だが、取ってくればいくばくかのアデナで買い取ってくれるという。さらに詳しく話を聞いたところ、スケルトンの骨に関しては、身体の部位を全て揃えると人間一人分の完全な骸骨ができるかもしれないと言うのだ。そちらはさらにいい値で買い取ると約束してくれた。

あたしはその依頼を受け、かの悲嘆の廃墟へと向かった。

「やー、こんちわー。元気〜〜!?」

グルーディオ城の村を出たところで、サリューから交信があった。

「おーっす。お久しぶり〜。元気だおー。今どこ?」

「うんうん。今ね、悲嘆の廃墟〜」

「おおお。あたしも今向かってるん」

「おおー」

サリューに誘導してもらって彼女の居場所へと近付く。そこはでも、悲嘆の廃墟の中ではなかった。廃墟への入り口を通らず、その手前の丘へと逸れる。丘の上の林を抜けるとそこは、牧場か畑か?なるほど、廃墟となった村の住人たちの仕事場だったのだろう。もちろん、主を無くしたその場所も同様に廃墟と化しており、アンデットたちの徘徊する、冒険者たちにとっては格好の狩場となっていた。

大勢の人が戦いに明け暮れている。そんな中、見つけた。

「はっけーーん!」

「来た来た。こんちは」

「おっひさー」

交感魔法で挨拶はしていても、直接会えばまた違った趣が有る。身振りも交えておおげさにご挨拶する。

「どぉ?調子は?」

「んー、なかなか揃わないねえ」

「そうみたいだね。エルもよく『頭骨出せ〜』って叫んでるよ」

「うんうん。そうなのよね」

スケルトンを倒した時、まれにその身体の一部が消滅せずに残ることがある。それを拾い集めるのだけれども、身体のどの部分の骨が残るかはわからない。すでに長い間ここにいるエルやサリューの話によると、頭骨・・・頭がい骨はなかなか出ないらしい。腕や足、肋骨などはそれなりに集まるのだそうだけど。

「それじゃ、あたしもやってみるかな」

「がんばれ〜」

「っと、その前に」

サリューに補助魔法・・マイト、シールド、ウィンドウォーク。

「サンキュー」

「切れたら言って。またかけにくるから」

「OK」

「んじゃ、行てくるるん。がんばろー」

「おー」

悲嘆でサリューと

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サリューから少し離れたところに陣を構える。自分にも補助魔法をかけて、いざ。

悲嘆のスケルトンはトラッカーと言うらしい。もちろん、エルフの移遺跡にいたやつらとは比べ物にならないぐらいに強い。無印のトラッカースケルトンがお手頃なんだけど、リーダーが好戦的で近付くとすぐに襲ってくる。それにスカウト・・・弓使いもそばにいると大変なことになってしまう。

話せる島でもそうだったが、弓の一撃はとてつもなく痛いのだ。アーチャーを巻き込んでしまって倒れたことは一度や二度ではない。そんな教訓から、なるべくスカウトとリーダーを避け、無印を相手にしよう。

先ずは手初めにウィンドストライクで先制してみる。体力1/4ぐらいか? 反転離脱してもう一発。半分。追いつかれて襲いかかられる。一瞬、どうしようか悩んだけど、再度反転離脱して、殴られつつもウィンドストライクを使うことにした。そして拳での格闘。

「はぁはぁ」

こっちの体力も1/3ほど奪われてしまう。ついさっきまで戦っていたオークが可愛いく思える。

トラッカースケルトンの死体が・・・と言うのも変だが・・・消えた後に骨の残骸があった。拾い上げてみると細長い、まさに「骨」 長さからして腕の骨だろう。とりあえずカバンの中に入れておく。

なるべくぽつんと離れているものを探す。あんなのが二体三体いっぺんに来られたらたまったもんじゃない。特に弓は要注意だ。慎重に、慎重に。トラッカースケルトンだけを狙ってゆく。たまにリーダーにみつかってしまうが、なるべく遠くへ逃げてから倒す。少々きびしいもののどうにか倒せる。

アンデットに対してのみ有効なディスラプトアンデットって攻撃魔法もあるにはあるのだけど、マナの消費の割に力はウィンドストライクとさほど変わらないため、今のところは用無し。いずれはそちらの方が効果も高くなるのかもしれないが・・・

「おっと」

補助魔法が切れた。サリューからは連絡がないけど、彼女にかけた補助魔法も切れる頃だ。戦っているうちに少し遠くまで離れてしまったようで姿が見えない。彼女を探して、かけ直そう。

「いたいた」

「どうしたの?」

「補助魔法かけなおすね」

「あ・・・はい」

気にしてなかったらしい。

「んー、もう寝るからいいよ」

「まあ、そう言いなさんな」

言いつつ先に彼女にかけてあげる。

「ありがと〜」

「いえいえ〜」

「それじゃ、お先に。おやすみなさい」

「おやすみ〜〜」

サリューが去って、あたしも自分に補助魔法・・・の前に少し休憩するか・・・。魔法の使用頻度が高くなったのでマナが厳しい。スケルトンのいない場所を見繕って腰を降ろす。一人で休憩している時は特にぼーっとしているだけなので、カバンを開けて拾ったものを確認してみたりする。骨のパーツのもそれなりに集まったが、確かに頭がい骨が少ない。と言うか、無い。なるほど、エルたちが叫んでいるのもうなずける。まあ、運と言うか、数をこなすしかないか。

さて。マナと体力も回復したし、行くか。

補助魔法をかけて手近なスケルトンと戦う。あたしだけではなく、様々な人があちらこちらで戦っている訳だが、入り乱れてくると、同じ敵に攻撃をしかけてしまうこともしばしばだ。特にあたしみたく、遠方から魔法を打ち込むのと、剣士さんが切りかかるタイミングがみごとに「かぶる」ことがある。

「あ、ごめんなさい」

「いえいえ〜」

一瞬、あたしの方が早かったような気もするが、スケルトンはドワーフの女の子の方に応戦した。この場合はあたしが引くべきだろう。とりあえず、その子がスケルトンを倒すのを見届け、再度おじぎをしてから少し離れる。

「あ、ごめんなさい」

「いえいえ〜〜」

今度はあたしじゃないぞ。後ろから声が聞こえて来た。ごめんなさいと言った人をみると、弓を持ったエルフの女性だった。いえいえはさっきのドワーフの子。

「あ、ごめん」

「ごめんなさい」

「いえ〜」

今度はあたし、それにエルフさん。

「・・・・人多すぎだよね」

「うむ」

「だねえ」

実際、見渡してみるとあちらでもこちらでも。怪物よりも人の方が多いんじゃないかってぐらい。まあ、それはおおげさかもしれないけど。

なにげなく三人、そんな会話の流れでその場にしゃがみこんでPTを組み、井戸端会議などを始める。狩りのこと、職業のこと。まあ、他愛のない話に盛り上がっていると、叫び声が聞こえて来た。いや、これは悲鳴。

声のした方をみると、程近い場所で別のドワーフの少女が数体のスケルトンに袋だたきにされているところだった。近くで狩りをしていたあたしたちが狩りを中断したために、スケルトンの集中攻撃を受ける破目になったのだろうか?

あたしら三人はその子の元へと駆け寄る。あたしは素早く二人、そして自分に補助魔法をかけた。三人がかりならばスケルトンの集団もあっと言う間に倒すことができた。

「スクでよければ起こしますよ?」

エルフさんが声をかけると、「お願いします」と、身動きできないドワーフさんは声だけで答えた。

「はいはーい」

エルフさんはカバンの中から巻物を取り出すと、書かれている呪文を詠みはじめた。復活スクロールだ。リザレクションの魔法はあたしのようなクレリックなどの一部の魔法使いしか使えないが、この巻物だと誰でも使える。

「ん?」

あたしも、もうひとりの元気なドワーフさんも一瞬、首を傾げた。なにかおかしい。違和感がある。なんだろう。

「あーっ!!」

あたしもその違和感の正体に気付いた。

「ちょいまち、中断、中断!」

「へ?」

あたしとドワーフさんが声を揃えて言っても、当のエルフさんは何のことだか気付いていないらしい。

「それ、帰還スクロール・・・」

あたしが状況を説明すると、ようやく気付いたらしいが、時既に遅く。

「えっ!あっ!」

声を残し、エルフさんの姿は光と共にかき消えた。最寄りの村へ。

「・・・・・」

一瞬の静寂の後、巻き起こる大爆笑。「井戸端」PTを組んでいたため、笑い声は本人にも聞こえる。

「んもーー、そんなに笑うな〜〜」

「いや、いや、ごめんごめん。で、でも・・・ぶっ、ぶはははは」

「うぅぅ」

身動きできないドワーフさんもPTに入れて、エルフさんの帰りを待つ。

「ウィンドウォークかけといてもらってよかったわ」

「そういう役に立ちかたもどうかとは思うけど」

また笑い。いや、お互い素性も知らない、今会ったばかりの面々だし、失礼もはなはだしいんだけど。

「いやー、あたしじゃないけど・・・」しゃべり出したのは元気な方のドワーフさん。

「実は同じこと、前にもみたことあるんだよね」

「ほほー」

「友達が戦闘不能になって、通りがかった剣士さんが親切にスクロール使ってくれたんだけど・・・」

「復活スクロールと間違って帰還スクロールを詠んだ、と」

「うむ」

「まーたしかに、どっちも表紙が似てるからねぇ」

そうなのだ、カバンを開けて表を見ただけでは中身がわかりずらい。あわてていたり、意識していないと、つい、間違えてしまいそうになるのだろう。あたし自身はクレリックだし、リザレクションの魔法があるので復活スクロールは持ち歩いていない。だから間違うことはないのだけれど・・・・あ。

「あたしがリザレクション使えばよかったのか・・・」

ポンっ!

元気なドワーフさんが元気に両手を鳴らす。

「ソレダっ!」

「・・・・」

立つ瀬のないエルフさんでありました。

その後、あたしがリザレクションでドワーフさんを回復してあげてからエルフさんが戻ってくるのを待って少しお話をしたあと、狩りへと戻った。オークの時もそうだったが、慣れて来てコツがつかめると効率よく動けるのだが、その分、単調な「作業」のようにも思えてきて、飽きて来るの。しかし、骨を揃えると言う目的があるため、エル同様、「頭骨出せ〜〜」と叫びたくなる。

それでも、延々とやっていると、飽きもあったり、また、人が多くてスケルトンがいないと言う状況もあるため、気分を変えてゾンビなども相手にしてみる。

ゾンビもその身体の一部をこの世に残すため、それを集めてサメドに届ければいいのだけれど、骨とは異なり、「集めて一体分」のボーナスが付かないのだ。そのため、ほとんどの人はゾンビを相手にはしない。向こうからは襲ってこないこともあり、ゾンビだけはあふれてかえっているのだ。

あたしはそのゾンビにウィンドストライクを放ってみた。スケルトンよりは弱いのか、ウィンドストライク2発と接近戦で倒せるんだけど、それよりももしかして・・・・通じるかもしれない、とカースポイズンの魔法を使ってみた。話せる島でゴーレムを相手に使っていた戦法だ。

ゾンビもゴーレム並に足が遅い。ゴーレムにはカースポイズンをかけて、接近してくるまでの間、毒でもって体力を削り、近寄って来たところをトドメにひと殴り。島では複数のゴーレムにカースポイズンをかけて回り、まとまって近付いたところを、ぽんぽんぽん、っと軽快に殴り倒したものだ。

一体、それを試してみて、行けると踏んだあたしは調子に乗って、そこら中のゾンビにカースポイズンをかけて回った。当然、その全部に狙われることになるので、少し間合いを取るために離れたんだけど・・・

あたしはゾンビたちから一斉に魔法攻撃を受けた。そういえば、ゴーレムも時々、ウィンドストライクを使って来たけど、大したダメージを受けなかったため、ほとんど気にしていなかったのだけれど・・・・ゾンビのそれは強烈な上に集中砲火、さらに連発してこられては、回復魔法を唱えても中断されてしまう。毒で相手の体力を削ってはいるものの、殴りに行っている間に・・・

ゾンビ軍団

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「あああっ」

・・・・・

最寄りの村へ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夢を見た。

毎度おなじみ・・・・夢と言えば、雪のある世界、だったと思ったんだけど、ここはそうじゃない。

港だ。そういえば、前回の夢であたしは人形ゲートキーパーに「グルーディン」と告げていたっけ。するとここはグルーディン港?

あたしは、桟橋でぼーーっと海や廻りを眺めている。

桟橋には他にも数人が座っていた。多分、船を待っているのだろう。ということはあたしも、か。

知り合いはいない。もっとも、知り合いがいたとしても今のあたしの姿を見ても気付かないかもしれないが。おそらく、夢の中のあたしはドワーフなのだ。これまでの夢の経緯からして、そう推測するのが正解だろう。

ぼんやりとそんなことを考えていると、目の前が暗くなった。船がやってきたのだ。廻りの人が立ち上がるのにあわせてあたしも立ち上がる。船が停泊し、乗っていた人と入れ替わりにあたしは船に乗り込む。

船の真ん中に座ってじっとしていた。

やがて船が動き出した。

普段は海底を走っているため、海上を進むと言うのも違和感があるが、これはこれで趣のあるものだな。

離れて行く話せる島の海岸、その向こうの決して高くはない山、影となって消えるまでぼーっと眺めていた。

やがて大洋に出ると四方は全て水平線となった。見渡す限りの海

。そういえば、いつも走る海底も中央付近では見渡す限り「地平線」になったっけか。

船上には波の音、それに風の音。それ以外の音は聞こえなかった。十人近い人がいるが、皆、見知らぬ者同士なのだろう。話し声はなかった。旅は道連れ・・・まあいいか。今はこの景色と風の心地よさを一人楽しむとするか。

船旅

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風景と言っても海と空だけだ。すぐに飽きてしまった。目を閉じて風と運ぶ潮の香り、そして陽の暖かさを感じていると、つい、ウトウトとしてしまった。

・・・・・・・・・・・・

む?

どうやら、木陰で休んでいる間に眠ってしまっていたらしい。ぼんやりと夢の記憶が頭の中を瞬いては消える。断片的な映像の記憶。それはまぶしい木漏れ日の中に吸い込まれるように消えて行った。

現実に引き戻されるとあたしは、今、自分の為すことを思い出した。それと同時に、夢は霧散する。

さあ、がんばって骨集めだ。

あれから・・・・ゾンビに悪さして、袋だたきにされてから、こつこつとスケルトンを倒すことにした。それと、偶然にわかったことがあった。ずっと避けていた弓使いのスケルトン・・・トラッカースケルトンスカウトを誤って巻き込み、倒さざるを得なかった場面でそのスカウトから頭骨が出たのだ。もしや、と思い、あえてスカウトを狙ってみたら、ビンゴ。頭骨が出易いと言うことがわかった。それに、もう一種類出にくい肋骨もスカウトやリーダーからは出る率が高いこともわかった。

あたしは一転、スカウトを中心にリーダーを狙うことにした。

さすがに強敵なだけあって疲れも大きいが、それに見合う見返りもあると言うことだ。虎穴に入らずんば虎子を得ず。虎じゃなくて骨だけど。穴でもないか。まあ、そういうことだ。

そのお陰もあってあたしはすくすくと成長し、骨の部位も相当な数が溜まった。

魔法を覚えに村へと戻ったついでに集まった骨をバルサクに頼んで組み立ててもらう。

「ただし、組み立てが成功するとは限らないぞ。もともとが朽ち果てた骸骨の残骸だ。非常にデリケートな作業になる。失敗したからと言って、恨まないでくれよ」

無償でやってくれると言うのだから大きな文句も言えまい。失敗すれば元も子もないが、成功すればうっはっはー、だ。

「お願いします」

作業は順調に進み、組み立ては成功した。

「ふう、できたぞ。これは古代のアデン住人の遺骨だろう。資料的な価値はあるかもしれないが、一体、こんなものをどうするつもりかね?」

「まあ、細かいことは気にしないで。それより、まだ骨、いっぱいあるんです。これも全部お願いします」

「・・・・」

彼は黙々と作業をこなしてくれた。たまに失敗もするけど、まあ、かなりの成功率と言えよう。なかなか大した腕前だ。

「ありがとうございました」

にこにこ。これだけあれば。うひひひ。できあがった骨、それに余った骨、ゾンビの内蔵・・・骨もそうだけど、気持ち悪いのはおいといて、サメド、サメドっ。

サメドは村に立ち並ぶ建物の裏にひっそりと佇んでいる。最初に会った時もそうだったが、お天道様の下でまっとうな仕事をしているとはとても思えない。着ているものからしてうさんくささ満載だ。この依頼された仕事だって、彼の本当の目的が何なのか、あたしには計り知れない。裏の裏を勘ぐっていてはこの世界では生きてはいけない。あたしはその事実を知らない事を大義名分に、取引を行った。

「もってきたわよ」

「よし。物をあらためさせてもらおう・・・ずいぶんと集めたな。これとこれ、それにこれをあわせて・・・・全部で2万5千アデナで買い取ろう。それでいいか?」

「約束どおりね。いいよ、って言うか、それ以上にはならないいんでしょ」

「うむ、これが報酬だ。受け取れ」

渡されたアデナを数えて確認する。

「おっけー」

「また集まったらよろしく頼むぞ」

「わかってる。まかしといて」

職業柄、なんとなぁく、後ろめたい気持ちも無くはない。しかし、死霊であるスケルトンやゾンビを浄化するというあたしの職業、クレリックとしての仕事としてはあながち間違いでもなかろう。うん、そうだ、多分、きっと・・・・それに報酬が付くと考えれば許される・・・・かな・・・・・

無理やり、自分を納得させると、骨以外に拾った品物を村の広場に並んだ露店で売り飛ばし、現金化すると同時に荷物を整理してからまた、悲嘆の廃墟へと舞い戻っていった。

さぁ・・・・

「頭骨、出せ〜〜〜〜!!」

頭骨、出せー

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