Orange's BOX絵箱| ゲーム箱( TLS. 続初)| 写真箱| リンゴ箱| ごみ箱| 伝言箱| リンク箱
ゲーム箱ソフト| ハード| 分類| リネ2

『話せる島記・創作小説2』

『創作小説・その2』

三周年記念・ファンフィクションコンテストに応募しようかと書いたんだけど、締め切りに間に合わず(爆)

本当は、イラストも書いて、連動、と考えたりもしたんですが、気合いが足りず(爆)


『ウワサのマエストロ。ブレスドの・・・』

あるウワサを元に、あたしは話せる島の滝へとやってきた。

あるウワサとは?

この世界の何処かに、ローブなどの装備品を改造してくれるマエストロが居る、と言うものだった。どのような改造なのかはっきりと分からないのだが、なんでも元の装備品の性能を格段に向上させるとか、全く異なる機能を付加できるとからしい。真偽の程は定かではないが、様々な場所で聞き込みを行った結果、どうやら、話せる島にそのマエストロが居るらしいことがわかった。

その場所がこの滝なのだと言う。

この滝へはもう何度も訪れており、隅々まで知り尽くしているつもりだったが、まさかこの滝の裏に隠された洞窟があろうとは。

キスオブエヴァの呪文を唱え、滝壺へと飛び込み、叩き落ちる水の裏側へと回り込む。一見、岩にしか見えない場所を叩いて進むと、すうっと手が吸い込まれる場所をみつけた。ここだ。

恐る恐る手を差し入れ、ふるふる、と回して見る。どうやら岩は幻影で、通り抜けられる空間があるようだ。あたしは思い切ってその空間へと足を踏み入れた。

水圧がなくなり、息ができるようになった。振り返ると、岩ではなく、水の壁があった。どうやら、幻影の魔法と空間を閉ざす魔法の両方がかかっているらしい。ドワーフであるマエストロにそんな魔法が使えるのかと言う疑問はあるが、もしかしたら魔法ではなく、マエストロの装置なのかもしれない。

いずれにせよ、ここにはなにかがある。それは間違いなさそうだ。

暗闇に目が慣れると、あたりの状況が見えて来た。壁面、それに天井は木材で補強されており、何者かの手が入っていることを証明している。自然の洞窟ではない。ウワサがまた一歩真実へと近付いて来た。

洞窟はやや傾斜して下へと続いている。意外と深いようだ。曲がりくねった細い場所を進んで行く。たいまつなどの明かりは無いのだが、壁そのものがぼんやりと発光しており、うっすらと足元を照らしてくれているため、歩くのに門題はない。光りを放つ苔などが自生しているのだろう。

しばらく進むと、道が二手に別れている場所に来た。いやな予感がする。とりあえず、右側へと進んでみた。いやな予感はすぐに的中した。迷路だ。分岐、三差路、右へ左へ。あれ?こっちはさっき来たっけ?

ぐぅ・・・・・なるほど、簡単には辿りつけないと言うとこか。おまけに元来た道、つまり入り口もわからなくなっていた。まあ、最悪は帰還スクロールで村に戻って再挑戦と言う手も無くはない。

さらに。

途中、何もなかったので油断していたが、少し開けた場所に出たと思ったら、そこに怪物が居て襲われた。虚を付かれ、一瞬パニックに陥ったが、後退しつつ、魔法を使った。幸いにも死霊だったので、カーディナルのあたしでもマイトオブヘブンで片付けることができた。念のため、補助魔法も一通りかけておくか・・・。

そこから行ったり来り、右往左往。いくつか同じような部屋があり、怪物もいた。アンデットじゃないのもいたため、トランスやピースで放置して切り抜ける。アンデットのところ・・・ってここは最初の部屋かっ。

はぁはぁ。

頭の中に地図を描きつつ、適切と思われる道を探って行く。いつもの地図でみると、なんだ?村の真下じゃないか。もしかしたら、鍛冶屋の小屋の下あたりに目的の場所があるんじゃないのか?

って言うか、あの鍛冶屋の小屋、中に入れないけど、もしかしてこのルートで入れたりして?

結果、ビンゴ。大当たりだった。辿り付いた迷路の終点。そこには垂直に登るためのハシゴがかけられていた。そのハシゴを登って行くと、案の定、部屋に出た。間違いない、ここはあの鍛冶屋の小屋の中だ。

「よくここまで来たな」

来訪を予期していたのか、その部屋の住人は驚くでもなく、何かの作業をしながら平然とそう言った。

あたしは、とりあえず・・・・

「つ、つかれた・・・ちょっと休ませて」

あたしはその場に倒れ込んだ。もーだめ。怪物との戦闘はまあ、そんなに疲れるようなものでもなかったのだけど、精神的にきびしい。暗い洞窟をあてども無くさまようのは気分のいいもんじゃない。目的地に辿り付いてどどっと疲れが出た。

しばらく座ってぼーーっとマエストロの作業を見ていた。向こうを向いているので何をやっているのかまでは見えなかったが、こんこんと何かを叩いたり、ぎーぎーと切ったりする音と動き。

マエストロ。

おそらく、このじじ・・・いや、おじいさんがウワサのマエストロなのだろう。意外と言えば意外だが、知ってみればなるほど、納得できる。話せる島の村の鍛冶屋がなぜ、小屋の前で営業しているのか。アルトランはこのマエストロの弟子なのかもしれない。

彼の名はホーマ。マエストロ・ホーマ。なんかどっかで聞いたことのあるような名前だが、細かいことは気にしないでおこう。

「で、何を改造して欲しいんだ?」

ホーマは後ろ向きのまま聞いて来た。ここに誰かが来ると言うことはそういうことなのだろう。目的はただひとつ。

「これを」

あたしはカバンから荷物を取り出すとそれを差し出した。ホーマはちらりとだけ振り向き、あごで「そこに置け」と指示した。

言われた通り、ブレスドのローブをホーマの横に置いた。

ブレスド。

いろいろと思い出のあるローブだ。ずいぶんと長いことお世話になった。青狼のローブを入手してからは姉や妹に使い回していたが、今回、この件で回収し持参したのだ。今使っているタラムローブを改造して、もし失敗でもしたら大変なことになる。よって、この余っているブレスドのローブを改造してもらうことにしたのだ。

「成功するとは限らんぞ」

「承知の上です」

ブレスドを失うことも悲しいことではあるが、成功すれば、もしかしたらタラムローブに匹敵するかあるいはそれ以上の品になるかもしれない。ウワサでは「とんでもなくすごい」らしい。

「料金と追加材料はこれだ」

差し出された電卓の金額、それに材料のリストのメモ。目の玉が飛び出る、と言うほどでもない。十分に支払える額だ。材料の方が心配だったが、ある程度予想してそれなりの素材を持ち込んでいたのでなんとかなりそうだ。

Cグレードのクリスタル131個、Dグレードが257個、Cグレードのジェムストーン45個、強化糸87個、高級レザー24枚、ラフボーンパウダー12個、純白の研磨剤4個、型の潤滑剤4個。

実は疲れていたのはこの大量の荷物のせいもあった。レシピがわかっていれば必要なだけ持ってくればよかったんだけど。しかしまあ、おかげで二度手間にはならずに済んだようだ。あの洞窟をもう一度とか言われても、無理。鍛冶屋の型とかマエストロの金床とか言われたら作りに戻らねばならなかったので本当に助かった。

あたしは、示されたアデナと素材をブレスドのローブに並べて積み上げた。

「本当にいいんだな?」

ホーマはちらりと横目であたしの置いたものを確かめると、そう言って最後の忠告をしてくれた。ここまで来たらもう、答えはひとつだろう。

「OK」

ホーマは肩越しにうなずくと、あたしの置いた品々に・・・まっさきにアデナに・・・手をのばすと作業を始めた。

みるみるうちに積み上げた荷物が無くなって行く。あたしはかたずを呑んでホーマの背中を見守る。ホーマの仕事は、手早く、そして完璧だった。せわしなく動いていた肩がぴたりと止まった。

「・・・・」

「・・・・」

どきどき。

神の審判を待つような気分。

「そら、できたぞ」

おおおおおお。

どうやら失敗せず、成功したらしい。いや、失敗してないから成功したってことで、成功したんだから失敗はしていないってことになるから、失敗は成功の母って言ったっけ?言わなかったっけ?ああ、おじいさんだから母じゃないよね。

「用は済んだんだから、さっさと帰れ」

ホーマはそう言いながら舞い上がっているあたしにできあがった品物を投げ付けてよこす。

「おーい、アルトラン。客人のお帰りだ」

「はいはい〜」

ドアが開き、アルトランが入って来た。すぐにあたしの手を引いてその部屋から引っ張り出した。ドアはすぐに固く閉ざされ、二度と開くことは無かった。

見慣れた話せる島の村の中央広場だ。なんとなくわかっていたので驚きはない。それよりもあたしは、完成した新いブレスドのローブを手に、村を抜け、浜辺へと出た。

昔から新しい装備品はひとりこっそりとお試し着替えするのが習わしだ。何度か、とても人前で着るには恥ずかしい装備品とかもあったからね。

さて・・・・。

「なんじゃこりゃああああ!!??」

あたしはその新しく生まれ変わったブレスドを身に着けて叫んでいた。いや、ここが浜辺でよかった。村の真ん中で着替えなくてよかった。ある意味、ぴったりの場所だったかもしれない。落ち着いて貼ってあった説明書きを読んでみた。・・・なるほど、ある意味タラムローブも顔負けの「とんでもなくすごい」装備だ。

『セット効果:水中での移動速度32%向上。肺活量32%向上。防御力マイナス20』

『セット名:ブレスドの水着セット』

あたしはその水着のまま、目の前の海に飛び込んだ。

さあて・・・ルウンあたりまで泳いでみるか・・・・。


はい、ってことで、オチはコレでしたw

ブレスドの水着

イラスト、リニューアルしてとか思ったりしたけど、思っただけで(汗)

戻る


LineageII (C)NC Soft

Lineage (R) II and Lineage (R) II the Chaotic Chronicle are registered trademarks of NCsoft Corporation. 2004 (c) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Chronicle in Japan. All Rights Reserved.


ゲーム箱ソフト| ハード| 分類| リネ2
Orange's BOX絵箱| ゲーム箱( TLS. 続初)| 写真箱| リンゴ箱| ごみ箱| 伝言箱| リンク箱