【2006年 近畿大学医学部予想】

                     フェニックスゼミ講師陣
【数学】
新課程入試で、出題分野は旧課程との共通分野になるであろう。分野的にはほとんど変更がない。過去において難問はないが、時間的には余裕はない。第1問は「二次関数の最大・最小」と予想する。ある対数関数・指数関数や三角関数は置き換えにより「区間における二次関数最大・最小」の問題になる。このような複合問題になるのではないか。第2問は「いろいろな数列」であろう。階差数列は要注意である。第3問は「微分の応用」で接線や法線が関係すると思われる。特に共通接線が狙われるのではないかと予想する。積分はこの6年間出題されていないので、そろそろ面積計算あたりが出そうな雰囲気も出てきている。

【化学】
近畿の化学は、特に難問奇問は出題されないが、時折、受験生の盲点をついたような出題がある(例えば2005年1ム3、2004年3ム3等)ので、直前対策の例を照会しておくと理論、無機:種々の化学反応式の総チェック (昨年はリン、ケイ素が狙われた。今年は、スズ、鉛、リチウム、ニッケル、亜鉛などは要注意!)、電気化学(胴の電解製錬、融解電解、燃料電池、イオン交換樹脂を用いた電気分解などが要注意!)有機、高分子:今年度は、生活との関わりを趣旨とした出題が登場すると思われる。ポリ○○、○○樹脂と呼ばれる物が何に利用されているかチェックしておけ!また、油脂が出題されそうである。ステアリン酸、オレイン酸等の化学式は、覚えておいた方が良いだろう。最後に実験器具や装置をよく見直しておけ。

【生物】
ほとんどの問題は基本的な内容であり、標準レベルの問題集を1冊仕上げられているくらいの者ならば、十分に解答が可能である。ただし、毎年必ずといっていいほど一問、かなりの難問といえる出題が見られる。そのような問題を時間内に完璧に解答できるのは、一部の限られた人間だけであろう。普通の人間は完璧な解答はほぼ無理と思ってよい。しかし、その問題をあきらめて白紙にしてしまわないようになんとかくらいついてほしい。文章を短く区切りながら分かることだけでもまとめて部分点をかせぎたい。難問は特に免疫、他に腎臓、受容器などのヒトの器官に関連するものが多いので、これらの分野は図表などを利用し、詳しく学習しておきたい。

【英語】
近大医学部の英語はここ数年大きな変化はなく、ほぼ同じ傾向である。特徴は文法・語法・構文の比重が非常に高いこと。難度は標準からやや難という程度で、特に難問といえるものは少ないが、それだけに落とせるものはあまりなく、この部分の高い正答率が合否の鍵を握る。特に大問2の「誤り箇所指摘」や大問4の「適当でない文の選択」は、苦手とする受験生が多く、ここでしっかり稼いでおかなくては他であまり差がつかない。どれも一見難しそうだが、ポイント自体は頻出のものばかりなので、直前の対策として、標準からやや難関レベルの正誤問題などや構文問題を集中的にやり込んでおきたい。

【小論文】
出題形式は課題型。制限字数400字、制限時間40分。字数も少ないが時間も短い。過去3年間は医療に関連したテーマが出題されている。'03は「臓器移植と再生医療(その文化性と倫理性について)」自分の考えを述べる問題。臓器移植は頻出問題の一つだろう。この出題に関しては必ず脳死問題に言及する必要がある。副題にあるように、死生観の文化的相違が争点となる。また、再生医療に関してはヒトクローン胚や胚性幹細胞の作成をめぐる倫理的問題についても言及する。‘04は「医学を学ぶ心構え」について自分の考えを述べる問題。医師を目指すものとして、医療に携わることの重責を自覚することが求められている。技術的にも人間的にも信頼たり得る医療行為ができる医師とはどういうものかを自分の言葉で論じる。'05は、「コンピューター診断(ロボット診療)」について自分の考えを述べる問題。特定大学と民間企業との連携で外科領域におけるロボティックシステムの開発が行われていることはよく知られている。平成14年には国産第一号の手術支援ロボットが、厚生労働省より医療器具としての認可を受けた。またナノテクノロジーにおいては、遠隔で手術操作の可能なカプセルロボットの開発が行われている。こういったコンピューター診断(ロボット診療)をめぐる実情を予め了解しておき、そのメリット、デメリットを書き分け、デメリットを改善しつつ、医療の現場にどうメリットを生かしていくか、を記す。制限字数が少ないので、テーマをめぐる状況説明を簡潔に行い、問題点に早めに切り込んでいくことがポイント。決して楽観的にならず、自ら抽出した問題点を深刻に受けとめ、建設的な具体策を提示すること。

<NEWS>

今後、東京医科大学、兵庫医科大学、順天堂大学、大阪医科大学、福岡大学、関西医科大学、近畿大学(後期)の予想を行う予定です。 

医歯学部受験予備校フェニックスゼミ

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