<<関西医大の傾向と対策>>

フェニックス・ゼミ講師陣

数学
関西医大の数学は、大問1問は小問集合で空欄補充形式であり、他の大問は記述式である。記述式大問のうちの1問は、微積が毎年出題されている。

もう1問は、数の図形と方程式であったり、数Aの数と式(必要条件・十分条件)、
数Bの複素数平面や確率であったりする。小問集合は残りの分野から出題される。つまり、微積は必らずあり、その他の分野からもまんべんなく出る。

もう1つの特徴は、図形が出ることである。「グラフの概形や領域を描く」図形に関連する問題が多い。レベルは標準問題である。難問はないが、媒介変数表示された曲線の概形や接線・面積の問題、ゲームを題材にした確率分布と期待値など応用発展的な良問が出されている。やや特殊な分野からの出題であるといえる。また時間の割に計算量が多いので手際よく計算すること。

2001年度は、微積以外に図形と方程式(円や楕円と直線、軌跡)と三角関数の公式類をチェックしておこう。

【英語】
昨年度の高校生では解けそうもない超難解な読解問題(nanotechnologyjournalisticな英文)から本年度はテーマ(照明における陰影の重要性と猫のESPについて)及び語彙に関して標準的なレベルの問題へと易化した。 こういった科学的実在論を好む傾向は来年度も続くと思われる。 テーマに関しては小論文のテーマをまとめた本を一冊熟読しておくとよい。

テーマが専門的になれば当然語彙も専門的になるため、どうしても難解になる。 そういった語彙にはとらわれず、議論の全体を把握する必要がある。 その上で問題を解いていけば合格点は間違いない。 とにかく、かなりの量の英文を読みこなして解かなければならないため時間を意識しながら、問題を解いていくこと。

傾向として2題の長文問題のうち(97年は3題)、どちらか1題は解きやすい問題なので誰もが落とさない所を確実に取ることが絶対条件である。

長文の中で専門的な用語(2000年ESP(超感覚的知覚)、99年ナノテクノロジー(超々精密工学)、97年DNAモデル、96年病気抑制防止センター(CDC)、95年環境保護局(EPA)、)出てくるため焦る受験生が多いと思うが全体の中でその語の持つ意味が大体わかれば良いと思う。

むしろ特定の固有名詞に惑わされて時間配分を間違えることの方がよっぽど損である。自分の使っている単語集を英語の開始時間までに1回転させて落ち着け!

【化学】
 関西医大の化学は、有機、無機、理論と混合された問題が多く総合的な力が求められる。中でも水素イオン濃度、酸化還元、平衡あたりが理論分野からは多く出題されている。これらのポイントをおさえるとともに医学部化学で比重の高い無機分野も試験前までにまとめておき本番で確実な得点源とできるかどうかが重要な問題である。


生物
 関西医大の生物は、複雑な論理展開や、記述力よりも基本事項をどれだけきちんと把握できているかが勝負の分かれ目となります。それゆえ、ケアレスミスは、即負けを意味します。問題自体は平易で、穴埋め問題がメインとなっていますので威圧感は感じないでしょう。一見すると解けそうなのですが、これらの問題を取りこぼすことなく解こうとするとそこそこの実力が必要でしょう。傾向としては、医学部の問題らしく、発生、生殖、免疫、器官、異化、内分泌の問題が多く、特に心臓、肝臓、腎臓などの器官や、筋肉、神経、血液などの組織はかならず押さえておく必要があるでしょう。しかし、同化など植物関係の問題や、グラフの読みとり問題などまんべんなく出題されており、手を抜ける分野はありません。得意分野をどんどんのばす勉強よりも、全範囲をまんべんなくこなし、弱点をなくす勉強をしなくてはなりません。ここは出題されないのでは?という考えは捨てるべきです。対策としては、標準的な問題集を入試までに3回やり直して、徹底的基本事項を頭にしみこませることです。また、関西医大の生物の問題は、穴埋め問題を多く含むという性格上、表や流れ図に関連した問題が多くなっています。つまり、関西医大対策としてこれらの作業と共にしておきたいのは、参考書に載っている表と流れ図は、自分の手で書き写し把握しておくということです。このように、生物を図で把握するというのは、相互関係を含んだ知識がコンパクトに効率よく頭にはいるので、関西医大だけでなく点を取るための生物の勉強には最も適しているのです。

【小論文】
医学部受験には大きく分けて作文と小論文の2つがある。次に医学部受験
頻出小論文用語の持つ意味を正確に理解しているか、例えば、脳死ドナー、
遺伝子治療、インフォームドコンセントなどの用語を自分が書く論文の中で
うまく組み込めるかどうか? 論文というのは一言でいえば説得力である。
自分の書く論文に入学試験担当者の心を動かす要素があるかどうかが重要な問題である。医療ミスが世間の大きな問題となり、医者としての人格的要素が原点から問い直されている現在、小論文は絶対に軽視してはならない。    
では論文の対策は、どうすべきなのか?それはまず自分で書く練習をすること。自分の力で書き上げる訓練をすること。最初は、何を書いてよいかわからない状態であろう。支離滅裂の日記以下なのが当然なのである。しかし、これを繰り返し地味に行なうしかないのである。次に正しく添削、助言できる担当者につくことが重要である。地味な訓練を繰り返す継続力こそが医大小論文に勝つ唯一の手段なのである。有名な大学教授も大学院生の時に「とにかく自分の力で書いてみる」という所からスタートしている。小論文の対策もせずに医大受験をするなんて医大そのものに対して失礼である。少なくとも決められた時間と字数の中で自分の考えを表現できる状態にはしておくことが当然である。

合否判定の参考資料

年度 字数 時間           テーマ

1994 500字 60分 立川昭二の「生と死のTOPOLOGY」の最初の部分を読んで、
その全体について、あるいはその一部分についての感想をまとめる。感想文にふさわしい標題もつけて提出させる。

1995 500字 60分 「ボランティア活動に対する私の意見」

1996 500字 60分 「科学の進歩と人類の幸福」

1997 500字 60分 「日本人と国際化社会―日本人に望まれること―」

1998 500字 60分 「自然には従うべきか、自然とは協調すべきか、自然は克服
 すべきか」

1999 500字 60分 「医学というものは非常に厳かな学問である。そして人間に
 とって本来、親切という電流を発する学問なのです。」
(司馬遼太郎の対談)に対する考えを述べる。

2000 500字 60分 「感銘を受けた言葉」について述べさせる

医歯学部受験予備校フェニックスゼミ


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