●数学
近大後期・医学部の数学は、数学1、2、Aからの出題である。2000年度は、すべ
てマーク・シート形式で記述式はなかった。2001年度もすべてマーク・シート形
式になると思われる。大問3題で試験時間は60分である。大問中には小問3問で誘
導形式になっていることが多い。
昨年度入試の出題内容は、「1」2次関数の最大・最小の問題で場合の数との融合問
題、「2」1つおいたとなりの項が相殺してゆく級数の問題、「3」放物線の接線と
軸とのなす角に関する三角関数と接点の軌跡の問題であった。大問1題中に2つ以上
の分野が関連する融合問題が中心になる。そのため特によく出題される分野はない。
すべての分野から出題されると考えたほうがよい。レベルはこれといった難問はな
い。医学部受験生から見ると「容易である」と感じるであろう。満点も可能である。
試験時間60分は妥当である。しかし少しの計算ミスでも致命傷になることがあるの
で、正確にしかも手際よく計算する必要がある。今年度は、2次関数以外に積分(面
積計算)、漸化式、指数・対数に注意したい。公式と典型的な問題の取り扱い方、解
法パターンをチェックしておこう。
●化学
昨年度は、無機化合物と有機化合物を中心に出題されており、そこから派生して計算
問題が少しあった。両分野とも基礎的な知識を問うており決して難しくない。しかし
ながら、特に無機化合物の方は、細かい部分まで掘り下げて問うているため、いい加
減に無機を勉強した受験生には全く歯が立たなかったであろうと思われる。今年もこ
の傾向が続くのであれば、カルシウムや鉄、硫黄さらに窒素に関連する反応を詳細に
復習しておく必要がある。他に錯イオンの構造や性質、水素結合を持つ化合物、金属
の定性分析、また有機の範囲では異性体、芳香族関連、陽イオン交換樹脂の基礎知識
を押さえておこう。
●物理
問題構成は大問3題で各設問は7,8題であり、出題テーマは力学、電気、波動といっ
た物理の3大テーマで、バランスがいい。昨年度では物理IIの範囲の出題が単振動だけ
で、ほとんどが物理IBからの出題であった。問題レベルは基本〜標準であり、難問は
皆無である。設問1問目を間違うと全滅するような問題もありはするが、基本的に
は、公式確認から始まり、段階的かつ誘導的に作問されている。 一般的な典型問題
が出題されるので、標準問題集の例題を覚え込んでおくと、高得点がねらえる。全問
が選択問題であるため、ケアレスミスが少なくなるので、基本公式を正確に覚え使え
るようにしておき、標準問題集の例題を覚え込んでおくことが、最善の対策となる。
●英語
近大医学部(後期)の英語のレベルは、全般的に標準だが試験の制限時間を考えると
解答のスピードが要求される。1番は、対話形式の文整序問題で単語や接続詞に着目
して解答するとよい。ここで時間を取られると後の問題解答のリズムが狂ってくるの
で、この問題が不得意な受験生は1番を後回しにするのも良い。2番の長文空所補充
3番、4番の文法知識に関する問題、5番の語彙力問題、6番の整序問題は、比較的
易しいのでこの辺りで解答のリズムをつけると良い。7番の長文読解は、標準的な問
題なのでそれだけに失敗すると大きな差がつく。(医学部受験生の英語のレベルは高
いのでできて当たり前である。)しっかりと解答しよう。問題を解答しながら英文を
読んで段落毎に内容真偽に目を通せばよい。なお下線部訳の選択は、直訳に近いもの
を選ばせるのが近大の特徴でもある。