第31話 「恋されて追われて!ルナの最悪の日」
幾原邦彦演出 脚本 隅沢克之 作画監督 伊藤郁子
超強烈ギャグ全開エピソード。幾原邦彦氏の名を一躍天下に轟かせた名作。この回は翌年のアニメージュのアニメグランプリサブタイトル部門を制覇した。
ストーリー
野良猫の縄張り争いに巻き込まれて野良猫の集団に追われていたルナは、レッドバトラーと言う不細工な飼い猫に助けられる。一方虹水晶を探していたゾイサイトは、レッドバトラーの飼い主の女の子に目をつける。またそのころ亜美達もコンピュータ分析の結果、彼女が虹水晶の持ち主であると判断し、彼女をマークする。しかし実は虹水晶の持ち主はレッドバトラーだった。それに気づいたゾイサイトはレッドバトラーを追いかける。再び野良猫に追いかけられ、レッドバトラーと共に下水道内に落ちたルナのところに、ゾイサイトが迫る。こうして下水道内を舞台とした追撃戦が始まった。
チェックポイント
全編超強烈ギャグのオンパレード。カットの1つ、セリフの1言に及ぶまで見事に計算され尽くしたギャグで、天才幾原氏の才能を遺憾無く発揮している。また細かく見ているとあちこちにパロなども散りばめられている。例えば、レッドバトラーの名前は、「風と共に去りぬ」のレット・バトラーのパロ。そう言えば雄一郎に逃げられた後のレイのセリフに「風と共に去りぬ・・ってか」と言うのがあった。また妖魔となったレッドバトラーがルナを拾い上げるシーンは「キングコング」のパロ。他にも映画に詳しい人間ならいくらでも見つかるだろうと思う。
オープニングのセリフもかなり突き抜けてる。「秋、それは乙女の季節。ミミズだって、オケラだって、アメンボだって、レイちゃんだって、みんなみんな恋をする。人の恋路を、もとい、動物の恋路を邪魔する奴は、このセーラームーンが動物愛護協会に代わって、お仕置きよ!」ミミズやオケラやアメンボと同列にレイちゃんが並べられているというのが、あまりにひどい(笑)。
またこの回はよく見てみると、いわゆるお決まりカットの使いまわしと言うのが極端に少ない。従来カットの使いまわしは、レイの「火星に代わってせっかんよ!」と亜美のシャボンスプレー、セーラームーンのムーンヒーリングススカレーションのシーンぐらいだろう。変身シーンが出てこなかったのも初めてだと思う。作画的にも、後に只野和子の後を受けてこのシリーズのキャラクターデザインを担当することになる伊藤郁子氏の作画が冴えている。
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ルナのピンチ! その時突然地面に突き刺さる魚の骨。レッドバトラー登場シーン。このシーン、音楽も含めてすべて、タキシード仮面登場シーンのパロになってます。 |
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亜美たちが目をつけた家に、レッドバトラーがいるのを見つけてあせるルナ。このシーンの頭が平行移動するパターンの演出は、幾原氏が結構多用したギャグ演出です。 |
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「ルナちゃん!これは大事な使命よ。自覚を持ちなさい。」 いつもルナに散々説教されているうさぎは、ここぞとばかりルナの真似(笑)をして責める。これに対して「失礼ね、私はそんなにブスくないわよ。」というルナのきり返しもさすが。 |
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ビルの間の超狭い空間に押し合い状態でやって来た3人(笑)。あまりに狭すぎるのでいつものポーズが決めれません。 |
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シャボンスプレーを放とうとして、バランスを崩してひっくり返った亜美ちゃんのスカートの中をのぞいて、なぜか赤くなるまこちゃんという問題のシーン。こういうことをやってるから、後に彼女たちは同人誌の餌食になる(笑)。 |
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今度はまことがシュープリームサンダーを放とうとしますが・・ うさぎ「ちょっと待てー!!」 亜美「みんな感電しちゃうわ!!」 結局何も出来ないままゾイサイトに逃げられてしまう。 |
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「しまったー!」 レッドバトラーを追って下水道にやって来たが、誤って下水に落ちてしまったゾイサイト。この後の 「これはゾイサイト最大の試練かもしれない・・」は有名な名セリフ。
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レイをデートに誘おうとする雄一郎。 このシーンよく注意して見ると、後ろのポスターの言葉や絵が状況に応じて変化してるのが分かる。 今は「いまだ!!チャンスだ!!日本男児」とある。 |
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「あばよ、さらばだ。日本男児」 雄一郎が去っちゃった後のポスターがこれ。実はこれの前に「それでいいのか!?日本男児」という怒ってるポスターがもう1枚入ります。ちなみにこの時のレイの方のポスターには、目元にあせりの青線が出てるのに注目。 |
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ルナたちが下水道内でゾイサイトと追っかけ合いをしている頃、実はうさぎはゲームに熱中してたのでした・・・オイオイ。 |
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なにやら、ねずみと一体化してしまったゾイサイト(笑)。「はーい、結果オーライってやつね・・」というのも名セリフ。 |
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炎の戦士マーズ登場。だけどそんなところで格好つけて何になる・・。 ルナ「カッコつける時は、状況を考えなさい!」 |
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レッドバトラーとルナの熱い愛のシーン(笑)。構図自身は「キングコング」のパロから「風と共に去りぬ」のパロに突入してます。この後に亜美のシャボンスプレーがあって、レイの「そんな、水をさすなんて」という大笑いセリフが続きます。 |
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やっとうさぎ達が登場。 レイ「何やってたの!来るのが遅いわよ!」 まこと「別にうさぎちゃんがテレビゲームやってたせいじゃないのよ。」 亜美「そう、うさぎちゃんはちっとも悪くないの。」 うさぎ「そりゃ全然フォローになってまへんがな。」 3人の漫才でした。 |
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ラスト、夕日に映るレッドバトラーの姿。 ルナ「おいおい・・。」 |