第36話 「うさぎ混乱!タキシード仮面は悪?」

  幾原邦彦演出 脚本 富田祐弘  作画監督 松本清

 ストーリーはいよいよクンツァイト編に突入。第33話で最後のセーラー戦士、セーラーヴィーナス・愛野美奈子が登場。うさぎが月のプリンセスの転生だったことも判明。タキシード仮面の正体も分かるなど、ほとんどの謎が明かされます。またダークキングダムの狙いも銀水晶、すなわちセーラームーン自身に変わります。ゾイサイトを失い、復讐の念に駆られるクンツァイトの執拗な攻撃。その上にダークキングダムに拉致されて洗脳されたタキシード仮面が、敵の戦士エンディミオンとしてセーラームーン達の前に現れることになります。またクイーンベリルの背後に、真の黒幕であるクイーンメタリアの影がちらつきだします。敵のボスと思われる者の背後に実は真の黒幕が存在するというパターンは、今後のセーラームーンシリーズでは恒例のものとなります。

 ストーリー

 タキシード仮面がさらわれて、落ち込んでしまっているうさぎ。なるちゃん達が、ヘアデザインコンクールで優勝したカリコ床山の美容院に誘っても反応がない。うさぎを心配する美奈子はうさぎに、ヘアスタイルでも変えて気分を変えれば、と提案する。うさぎを連れてカリコ床山の店にやってくる美奈子。しかしその店は、セーラームーンの髪の毛からセーラームーンの正体を調べようと、クンツァイトが仕掛けた罠だった。

 チェックポイント

 登場間もないこの頃の美奈子は、まだセーラー戦士の先輩的存在です。そのため、うさぎに対する態度もどことなくお姉さんのようです(もっとも彼女もだんだんとうさぎと同レベルに落ちていくのだが(笑))。

 この回で、行方不明になっていたタキシード仮面が敵として登場。その事態に戸惑ううさぎやレイの心情の描き方に注目。うさぎはかなり脳天気に見えますが、実はかなり強がっているのだというのがポイント。

 基本的にはこのようにかなりシリアスで暗目のストーリーなのですが、幾原氏はこれにギャグ的味付けをしてます。このあたりには幾原氏の迷いがあるのかもしれません。それにしても妖魔ミツアーミのぶっ飛び方はなかなかのもの。理容機具を武器にしての攻撃はかなり笑えます。

 なお、タキシード仮面はもともと地球の王子エンディミオンであるので、そういう意味では元来ダークキングダム側の人間です(だからこそダークキングダムが彼を拉致した)。ダークキングダムは、地球の人間がクイーンメタリアによって支配された姿です。原作などによると、クイーンベリルは元々エンディミオンに仕える魔法使いだったのだが、エンディミオンを愛する心故に、クイーンメタリアにつけ込まれて暗黒に染まってしまったという設定があります。またダークキングダムの四天王は元来エンディミオンの守護戦士(プリンセスセレニティーに対するセーラー戦士のようなもの)であり、しかも彼らとセーラー戦士達は恋人関係にあったという裏設定もありますが、この辺りはアニメでは特に言及してません。ちなみにそのカップルは、レイとジェダイト、亜美とゾイサイト(原作のゾイサイトはオカマではありません)、まこととネフライト、美奈子とクンツァイトです。この裏設定は、スーパーファミコン版RPGには反映されています。

 

 

今回のチェックシーン

 タキシード仮面のことで完全に落ち込んでいるうさぎ。なるちゃん達も打つ手無し。

 だけどつらいのは実はうさぎだけじゃない。衛と付き合っていたレイもかなりつらいのだった。

 うさぎの髪をとかす美奈子。この頃の美奈ちゃんはなかなかお姉さんしてます。実際こうしていると、二人は姉妹のよう。

 ピンポンピンポンピンポン!

 美奈子に付着していたうさぎの髪の毛が、ミツアーミのデータと一致。それにしてもなんてふざけた機械なの。

ミツアーミ「貴様の方から現れるとは、塩に飛び込むナメクジだ!」

うさぎ「ナメクジ・・」

思わず想像しちゃって、たじろぐうさぎ。

 突然うさぎの前に現れるタキシード仮面。なぜか床屋椅子に座っている(笑)。

 しかし彼はもはや昔のタキシード仮面ではなく、ダークキングダムの戦士エンディミオンだった。

 タキシード仮面の薔薇の花が、赤から黒へ。これがタキシード仮面が敵についたことを現しています。

 妖魔ミツアーミ(それにしてもすごい名前だ)の攻撃

「刈り上げてさしあげますゾアー。」

うさぎ「そんなんで刈り上げたら、頭がもげちゃうでしょ!」

うさぎ「タキシード仮面様はきっと悪い奴にだまされて、利用されているだけなのよ。」

タキシード仮面救出を固く誓ううさぎ(笑)。

 

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