収録曲目
ディスク1
フランス語のタイトルは略しました(表記の都合)。
1.ウテナと王子様の出会いのドラマ。コミックの冒頭のすべての話のきっかけになる部分ですね。
2.1−1「少女革命・overture」ですね。アレンジが少々違うようですが、やたらにしつこい冒頭部以外はそんなに違いはない。
3.生徒会での一コマ。この時はアンシーとエンゲージしているのは西園寺のようです。テレビでも第1話に出てきたエピソード。
4.1−20「伝説・神の名はアプラクサス」の声楽バージョンです。怪しさは強くなってます。
5.暁生の陰謀と怪しさが爆発しているドラマ。あまりこれをやりすぎると倫理規定に引っ掛かる恐れあり(笑)。
6.サントラ3巻の冒頭に入ってた怪しい曲「Poison」のアレンジバージョン。これもさらにしつこい雰囲気になっている。
7.アンシーが押しかけ花嫁してくるエピソード。
8.私が以前「トトロ」と表現したような明るい曲。バラエティなんかで使いやすい曲です。
9.コミックだけのエピソード、冬芽が押しかけ下僕をしてくる話です。下僕という言葉はあまり深く追求すると倫理規定に引っかかります(笑)。
10.ピロピロポコポコという感じの明るい、そして安っぽい曲(笑)。ゲームのBGM向きです。ところで上のドラマに続いているってことは、「愛玩動物」ってもしかして冬芽のこと?
11.さっきの曲の別アレンジ。もっとポップになってます。即興ジャズのような趣。
12.変な曲、だけど旋律をよく聞いていると、2−12「パノラマ爛漫」であることが分かります(いわゆるトトロシリーズ)。それを不可思議なアレンジをしてます。
13.コミックの番外ストーリー。チュチュが主役の与太話です。西園寺が怪獣になってしまう話(笑)。
14.冒頭を聞いた時は「汽車ポッポ」かと思ってしまった。内容の方は・・やっぱり汽車ポッポかな(笑)。要するにギャグ的追いかけっこなどの時に使うタイプの曲です。
15.梢と幹の怪しいドラマ。それ以上深入りすると倫理規定が・・(笑)。
16.3−8「Pessimism」ですね。じっくり聞き比べてませんのでアレンジが違ってるかどうかは今一つ分かりません。淡々と場面を描く時などの曲ですね。
17.アレンジがかなり違うので全く聞いたことがない曲に聞えますが、よく聞いてみるとこの主旋律は・・2−12「パノラマ爛漫」の派生ですね。なんとなく怪しげですが、決して深刻な雰囲気ではない曲。
18.出た!暁生カー!の曲なんですが、冒頭がかなりしつこいので、これでは暁生カーが出るタイミングを逃してしまいます(笑)。
19.一部に熱狂的なファンもいるという瑠果のストーリーです。樹璃のセリフも出てきます(「カヲル君、僕には君が何を言っているか分からないよ」・・違った)。瑠果の樹璃に対する想いが溢れていて、瑠果ファンならないて喜ぶだろうな。またこのエピソードは瑠果が死んだということをはっきりさせてますね。
20.今までアルバムに何度も出てきた「死のアフロディーテ」の弦楽バージョンです。美しくも切ない曲。さっきのドラマにはピッタリ。
21.出たーーーー!!!って感じです。ファン待望の七実のテーマ2(笑)。だけどなぜこの曲がここで出てくるんだ? さっきの死のアフロディーテと合わせ技で「Death&Rebirth」・・なんてことはまさかないですよね(笑)。
22.もうこうなったら止まらない。押し捲ってきますね。ご存知「ルールールルルー」です。なんかこのアルバム、この辺りの曲だけ浮きまくってるように思えるのは私の気のせい?・・のわけないですよね。
23.そしてウテナを代表する歌と言えば、やっぱり「ドナドナ」・・ホントか? 以前サントラ2巻に収録されたバージョンは男声コーラスバージョンでしたが、こちらは女性ボーカル+児童合唱バージョンです。テンポ変動や転調など音楽としての小技はこちらのバージョンの方が駆使されてますね。
24.例によって暁生の怪しいドラマ。どうやらウテナを落そうとしているようです。しかしこんなセリフは暁生だからこそ許されるようなクサイ台詞。こんなセリフそこらの奴が言ったら、多分それだけで半殺しにされるでしょう(笑)。
25.例の黒薔薇の怪しいコーラスです。それにしてもやっぱりこれって恐すぎ・・。それにしても「ドナドナ」からなんでこうなるんだ・・。だけどこうやって聴くとなんか聖歌か(グレゴリオ聖歌って確かこんな調子のがあったような)、それでなければどこか南方の民謡のようにも聞こえる。
26.これも黒薔薇シリーズ。例のバロック調の曲です。弦を使わずに単独楽器でのバージョンです。この音色はチェンバロ(ピアノの前身に当たる鍵盤楽器。弦を弾いて音を出す構造になっている)のように聞こえますが、多分実際はシンセサイザーを使っているんでしょうね(間違ってたらごめんなさい)。
27.さらに黒薔薇シリーズが続く。哀調を帯びたラテンイメージの曲です。ところで、このCDってサントラ2巻じゃなかったですよね・・。思わずCDを確認しそうになる(笑)。
28.ラストの大ボス暁生との決闘のシーンのようです。ちょっとコミックのネタバレが入っているような・・。
29.ピアノがオドロオドロしい旋律を繰り返すかなり怪しい曲。私なら「疑惑」ってタイトルつけるところですが、「禁断の木の実」ってタイトルもっと危ないな。
30.アンシーの叫びに驚かされます。これは完全にコミックのクライマックスのネタバレですね。終わるとか消えるとかいう言葉がキーワードになっているようです。
31.これも「死のアフロディーテ」が原曲ですね。それをムード音楽的にアレンジしたバージョンです。ただこの手のアレンジを使う時は気をつけないと下品になりがちです。後半に向かって盛り上がっていくところなんか、明らかに特定のシーンを想定して書いた気がしますが、結局テレビでは使わなかったようですね。
32.その後のエピソードと言う形になってますね。語り合う冬芽とアンシー。冬芽がかなり素直な心情を告白しているのが印象的。テレビ版の冬芽はもっとヒネてましたね(笑)。
33.劇の終わりにはこれ以上の曲はないんじゃないでしょうか。例の最終回用EDのカラオケバージョンです。ただカラオケと言っても歌詞は「ララランララー」しかなかったですが。メロディー的には輪舞のアレンジなんですが、印象がやや変わりますね。
34.たった一言アンシーの締めのセリフ。だけど余韻を持たせてます。もしかしてこれは劇場版のプロローグか?
基本的には今までのサントラに収録された曲のアレンジ違いなどの亜流の曲。全体的に繰り返しなどがしつこい曲が多いから、使いにくくてお蔵入りしたか、使うつもりのシーンが変更になって浮いてしまったかのどちらかだろうと思う。さすがにそれだけでは目玉がないので、コミックからのドラマを加えたのがミソ。多分にコミックの今後の展開のネタバレになってるのがやや問題だが、ファンとしてはそれなりに楽しめるかも。
ところでこのディスクの目玉はやっぱり「こんにちは赤ちゃん」なのだろうか(笑)。もう収録されないのではないかというファンの不安をぬぐってくれた(笑)。しかも「夜明けのスキャット」「ドナドナ」の一連の七実シリーズ完全収録、ファン感涙モノ(笑)。
ディスク2
1.少女革命のテーマのアレンジ版ですね。もっと軽く躍動的になってます。なんか肩の力が抜けたような感じがあるな。
2.これは多分王子様がウテナに呼びかけるセリフなんでしょうね。典型的なミュージカル的音回しです。どちらかと言うとセリフがメインで必要以上の旋律の上下をなくしてます。
3.ウテナのセリフ+冒頭部分での解説の内容ですね。舞台が目に浮かぶよう。多分ウテナがステージの真ん中に立って、背後で他の連中のコーラスがツッコミを入れるんでしょう。それにしてもこの曲はなんかエレキが耳につくな。
4.例の生徒会のテーマ「伝説・神の名はアプラクサス」をベースにした旋律にしたに例の有名な「世界を革命するために」のセリフを載せて、そこからさらにアンシーの説明につながっています。ちょっと芝居のセリフとしては説明臭すぎるような気もしますが・・。
5.ウテナのテーマと言っても良い「絶対運命黙示録」です。そして今までで一番軽くて健全なバージョン。しかもいかにもミュージカルらしく途中でハモッてますね。伴奏はほとんど省いてコーラスだけで聞かせるような構成になっている。
6.アンシーの歌のようですね。旋律的には繰り返しが多くて「私のすべてをあなたに」というキーワードを印象づけるような構成になってます。
7.もう冒頭だけでなんの歌か分かってしまう。このふざけた歌詞とセリフの掛け合いと言うのが、いかにもミュージカル。
8.歌と言うよりも、セリフに軽くメロディーをつけただけですね。正直言って、音楽としての工夫はあまりないです。
9.これはそのまんま。
10.これもまた場面が目に浮かぶような曲。はっきり言って私には、キャラの動きまで目に見えます(ミュージカルは1回も見たことないですが)。
11.アンシーのセリフにメロディーをつけただけの短い曲。こんな短いセリフにまでミュージカルはメロディーをつけるんですかね?
12.ミュージカルにつきものの、一見ストーリーには直接関係ないような歌詞でキャラクターの心情を歌うというタイプの曲。
13.暗めの旋律の歌。多分クライマックスなんかでポイントの一つになる歌でしょう。だけどこれは明らかに合唱で歌う曲だと思います。ちょっとボーカルが細すぎる気がする。
14.2人の掛け合いの曲ですね。これも歌と言うよりは、セリフをメロディーに載せたという感じの淡々とした曲です。恐らく静かな場面でキャラが感情を語るシーンなんでしょう。
15.これは明らかに大団円の曲ですね。
16.テレビファンにはおなじみの曲です。ウテナの主題歌と言えばこれですね。
ミュージカルの曲と言うことで、J.A.シーザー色の全くない極めて健全な曲(笑)。ただ健全になった分、軽薄になった気もしないではない。いわゆる普通の歌謡曲のような節回しが多くて、ごく普通のミュージカル曲です。ウテナと言えばシーザーの怪しい曲と思っている濃いファン(笑)には結構不満があるかも。
またシーザー色がなくなったことで、ウテナとしての独自性が薄れているのは事実。おかげでどんな作品とも互換性のある曲になっている(例えばこの曲でセラムンミュージカルをしても違和感がないと言うこと)。このあたりは賛否両論が分かれそう。
それを抜きに考えても、ミュージカルという劇と密着した音楽を単独で音としてだけ聴いても結構つらいものがあったりするのは事実。また明らかに掛け合いや合唱の曲だなと思われるものを単独ボーカルでするのもつらい(歌のレベル自体は万有引力の合唱などとは比較にならないぐらいうまいが)。やっぱりミュージカルと言うのは音楽単独では成立しないのでは。どちらかと言うと、ウテナミュージカルを見て来た人が思い出しながら聴くディスクですね。