ウテナゲーム館

 

 ここはセガサターン用に発売されたウテナゲームに関するコーナーです。と言っても、6月13日現在、私はまだこのゲームを1回だけパーフェクト編でクリアしただけ(後1回はウテナと樹璃しか残らなくて、樹璃が助けに来てくれたが、西園寺にやられてアウトになってしまった)ので、ゲームの攻略法の類のコーナーではないです。私がこのゲームをして感じたことに対する雑文だと思ってください。

 

さすがウテナ、OPから濃いぞ!

 このゲームを始めた人間は、まずOPからぶっ飛ぶことになる。いきなり豪快に脱ぎまくる男性陣。自分の部屋で一人でプレイしている人なら問題ないが、居間などで家族の前でやっている場合は多いに問題があると思われる。冷たい親の目が気になったり、逆に子供の白い目が気になることは確実である。こんなものを居間でやろうものなら、家族団らんのお茶の間のテレビにいきなり濃厚なベッドシーンが流れた時のように、場の雰囲気がギクシャクすることは間違いない。このゲームをプレイする際はTPOに気をつけよう(笑)。

 なお合体暁生カーとか、本編の濃いファンでこそ笑える(というよりも、そうでない人間には何のことやら分からない)ネタも散りばめてあり、ファンにはなかなかおいしい作りになっている。なお怪しげな校歌(怪しげなのは歌の内容だけでなく、歌のレベルの方も(笑))もなかなかおいしい。ただし音楽に関しては、この校歌を始め、「ゲルツェンの首」など結構ありものからばかり取っていたのが何とも残念。ゲームオリジナル音楽を出して欲しかった。

 

ゲームと言うより、見事なウテナOVA

 さて内容の方であるが、これはゲームとは思わないほうが良い。はっきり言ってウテナOVAだと考えてかかるべきである(笑)。というのもゲーム自身は単なるコマンド選択型アドベンチャーで、この形式自体は10年以上前のゲームシステムと言ってもいい。コマンドの選択で今時はやりの「恋愛度」ならぬ「心の気高さ」メーターが上下するが、シナリオ自身は大きく分離するというわけでもなく(失敗した場合にGAME OVERはあるが)、基本シナリオは一本である。またこの「心の気高さ」自身がこのゲームの核ではあるが、サクラ大戦などのようにこれが次の戦闘に反映するなどというような凝った作りにはなっておらず、ゲームとしてシステムのみを見た場合は、明らかに二流以下の作品である。

 ただしこのシナリオがポイントで、ウテナのファンとしてはOVAのように楽しめるのである。つまり最初からこのゲームはウテナファンしかお呼びでないといって良い(そもそもそうでないとこのゲームを勝ったりしないと思うが)。

 

ファン心をくすぐるプレイヤー参加型シナリオ

 このゲームのシナリオは、プレイヤー自身の分身である主人公が、転校生として鳳学園に入学し、決闘ゲームに巻き込まれていくというストーリーになっている。それにしてもなんてありがちな設定だろう。転校生がその学校の生徒と恋愛をして・・なんてパターンは今時はやりの恋愛シミュレーションの王道的設定といっても良いだろう。ただこのゲームの場合、恋愛対象(笑)が男女入り乱れているというところが、いかにもウテナと言ってもよいだろう(笑)。

 なお主人公の転校生は美少女である(私としては転校生が男のパターンも欲しいところ、西園寺とどつき合いで友情深めるなんて展開をしたい(笑))。主人公の音声はカットできる(「サクラ大戦」の場合は主人公の大神一郎の音声は最初から入ってなかったが)ので、声優を目指す方、思い入れたっぷりでゲームしたい方は、主人公音声はカットして自分で字幕を読み上げてください。ただし、これはあまり男性にはして欲しくないし(笑)、そうでなくても横から見るとかなり異様な光景であることは確実ですから、くれぐれも世間の目を気にするように(笑)。

 

単純ではなく、一ひねりも二ひねりもあるストーリー

 さすがにウテナと思わせるのは、ストーリーが結構ひねってあることだろう。上で私は、主人公が決闘ゲームに巻き込まれると言ったが、ストーリーが進むにつれて、彼女は実は決闘ゲームに巻き込まれたのではなく、彼女自身が今回の決闘の中心であったということが分かってくる辺りがなかなか凝っている。

 またこのストーリーの時間設定は、第1部の生徒会編で幹との決闘の後ということになっているようだが、しっかり暁生が黒幕として暗躍しているし、御影草時までがストーリーの脇でウロチョロしている(笑)などオールスターキャストになっており、この辺りのファンサービスは徹底している。しかもこのストーリー自身が実は「黒薔薇編」の伏線になっていることが最後に判明するのは心憎いところ。

 なお七実ファンには少し寂しいかも知れない。というのもこのゲームでの彼女は、チョロッと出て来ては主人公に嫌がらせをして、捨てセリフだけ残して逃げていくという、ほとんど水戸黄門のチンピラのような役回りしか与えられていないからである。ここまで見事に三流悪役扱いされてしまっては、特に七実ファンという訳ではない私から見ても、少々不憫である(笑)。なおこの七実の扱いの悪さのせいで、七実の下僕こと石蕗君は登場させてもらえなかった。やっぱり一番不幸な奴である。

 なお生徒会メンバー以外で結構いい役をもらっているのは若葉。多分彼女は非生徒会キャラでは一番多く登場していたのではないだろうか。さらに薫梢嬢も期待通り(笑)怪しい登場をしている。なおこの作品でもっとも嫌われているであろう枝折嬢は登場していない。これは全国一千万人の樹璃ストへの配慮か(笑)。(シナリオ設定が生徒会編なっているので、瑠果を登場させるわけにいかなかったのは残念ではあるが。) また影絵少女も当然登場する。個人的にはこれが一番だったかも。

 

とにかくウテナファンはやるべし!

 この文章を読んでいる方は、とうの昔に私以上にこのゲームをやり込んでいる方が大半だと思うが、もしまだこのゲームをやってられないウテナファンの方には一言アドバイスをしておく。「あなたが本当にウテナファンなら、このゲームは絶対やるべし!」 多分ウテナファンなら後悔はしないと思う。もしサターンを持っていないなら、このゲームのためだけでも買う価値はある。今はちょうどサターンも大分安くなったし、セガも次世代ゲーム機の発表をしたようであるから、これをネタに思いっきり足元を見て値切ってかかろう(笑)。なお、このゲームだけのためにサターンを買うのは・・という方は、このゲームだけでなく、Evaとサクラ大戦も合わせて購入しよう。どちらも共に第1作は現在「サタこれ」で廉価で販売されている。Evaはともかく、サクラ大戦は絶対後悔しないゲームである(おっと、ここはサクラ大戦ページではなかった(笑)。サクラ大戦に興味のある方は、私のサクラ大戦ページをご覧ください・・宣伝)。

 ちなみにこのゲームをやる時は、一番悩むのは主人公の名前である。やっぱり植物にちなんだ名前にしたいところだが、この主人公はデュエリストというわけではないので特にこだわる必要もないだろう。女性の方なら自分の名前でも良いだろう(別に男性も自分の名前を使って悪くはないですけど、私はあまり見たくない(笑))。漢字のパターンが非常に多いので大抵の名前は作れるはずである。なお私はこの名前設定に苦労して(私はキャラに名前をつけるのが苦手。小説書く時もこれで一番苦労する。)、その挙げ句に「ペギー葉山」とつけかけた(笑)が、さすがにこれは・・ということで思いとどまって、結局は「葉山紫音」に落ち着いた。

 

ウテナワールドは不滅!

 今回のゲームを始め、今後は劇場映画の公開も予定されているし、ウテナの世界はまだまだ当分は続くようである。そして私の「革命少女伝説」もまだまだこれからも続いていく予定。ということで、このコーナーの締めとさせていただきます。皆様がまだまだこの作品を楽しんでいけますことを。

 

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