Finkについて (当メモは制作途上のものです)

  FinkとはDarwinおよびMac OS Xに、Unix向けのオープンソースソフトウェアを管理するための、非常に優れたツールです。

 インストール可能なソフトウェアの数は「安定版」だけでも250以上です。「非安定版」を加えると800以上となります。
(ただし単体では動作しないライブラリや、コンフリフトにより同時にインストールできないものも含みます)
 これらの中には、前ページで述べたPostgreSQLやPHP, Apache, Xpdf, Fortranコンパイラ等が含まれています。

 ソフトウェアのインストールにあたっては、インターネットから各種ファイルをダウンロードしますので、ADSLやCATV等の高速ネットワークに接続されていると非常に快適に使用することができます。
(ダイヤルアップで全く不可能というわけではありませんが、ソフトによっては50〜100Mbyte以上のダウンロードが要求される場合があります)

 オープンソースソフトウェアはバグフィックスや微調整等のために常にメンテナンスされており、自分が使用しているソフトの状況については各開発元サイトで確認するなどの必要がありましたが、Finkによって、たった1行の簡単なコマンドで常に最新の状態に保つことができるというのは驚異的だと思います。


Finkの入手先(バイナリ)
http://fink.sourceforge.net/

Finkのインストールは通常のMac OS Xのアプリケーションと同様です。
インストールが終了したら、Terminalからコマンド入力で使用します。
まず、fink selfupdateを実行して最新の情報に更新しておきましょう。

使い方(コマンド)
注: cshでC-shellに切り替えておくこと

・対話型バイナリパッケージのインストール


 sudo dselect

ここで、「システム環境設定」の「地域情報」でEnglishをトップにしていない場合には、Terminal上で文字化けが発生します。("LANG=ja_JP"という環境変数によってdselectが日本語モードで起動しているためです)
文字化けを回避する方法は、Englishをトップにして再ログインするか、 JTerminal を使用するかのいずれかです。
とりあえず前者で起動し、xfree86-baseとxfree86-rootlesをインストールした後、
 fink install rxvt-ml
を実行すれば、Rootlessモード(Mac OS Xとシームレス)のX Window System上のrxvtで日本語表示が可能になりますので、「システム環境設定」「地域情報」を元に戻してよいでしょう。
 

・コマンドラインによるバイナリパッケージの管理(apt-get)

   パッケージ情報のダウンロード sudo apt-get update
   バイナリパッケージのインストール sudo apt-get install <パッケージ名>
   バイナリパッケージのアップグレード sudo apt-get upgrade install <パッケージ名>
 バイナリパッケージのアンインストール sudo apt-get remove <パッケージ名>
 ヘルプの表示 sudo apt-get -h



・対話型ソースパッケージからのインストール(fink)


 ヘルプの表示 fink --help
 fink自身のアップデート fink selfupdate
 インストール可能なソフトウェアのリスト fink list
 ソフトウェアのインストール fink install <パッケージ名>
 ソフトウェアの削除 fink uninstall <パッケージ名>
 ソフトウェアの更新 fink update <パッケージ名>
 全てのソフトウェアの更新 fink update-all

※Version 0.3.1 -> 0.3.2への "fink selfupdate" は tar -xzf - で立ち往生します。
  /sw/lib/perl5/Fink/SelfUpdate.pmの
  $unpack_cmd = "tar -xz${verbosity}f -";
 を
  $unpack_cmd = "tar -xz${verbosity}f $pkgtarball";
 に書き換えれば回避できるそうです。


CVSからの取り込み
1.パッケージマネージャーのアップデート
最初に専用の作業ディレクトリを作成します。
(ここでは、自分のホームディレクトリにfinktmpという名前で作業ディレクトリを作成したとします。)

cd
cd finktmp
cvs -d:pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink login
(パスワードを聞いてきたらリターン。特に何も表示されませんが続けて下記を入力)
cvs -z3 -d:pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink co fink
cd fink
(finktmpの下に作成されたfinkディレクトリのことです)
./inject.pl

一度この作業を行うと次回からは下記で済みます。
cd finktmp/fink
cvs -z3 update -d
./inject.pl

2.パッケージインストール情報のアップデート
(上記と同じfinktmpから行います。)

cd
cd finktmp
cvs -d:pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink login
(パスワードを聞いてきたらリターン。特に何も表示されませんが続けて下記を入力)
 cvs -z3 -d:pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink co packages
cd packages
./inject.pl

これも次回からは下記で済みます。
cd finktmp/packages
cvs -z3 update -d
./inject.pl

その後、
fink update <パッケージ名>
または
fink update-all
を実行します。

    
インストール・メモ等

通常はデフォルトでよいが、/sw/etc/fink.conf に下記太字を追加することによって、動作非保証のソフトウェアもインストール可能になる。

> Trees: local/main stable/main stable/crypto local/bootstrap unstable/main unstable/crypto

使用感
 ソース(tar ball)からのインストールは時間とHDDの空き容量に余裕が必要であるが、バイナリパッケージからのインストールは早くて便利です。
 今まで各ソースごとにダウンロードして添付ドキュメントに目を通し成功を祈りつつコンパイルしていたのに対して、Finkを用いるとあっという間に必要なソフトを動作させることが出来ます。
 ある程度のUnixに対する知識と高速なネットワーク環境が必要ですし、場合によってはinfoファイルに書かれているオプションを変更する必要があるかもしれませんが、間違いなくオープンソースソフトウェアをMac OS Xで動作させるには最もベストなツールだと思います。

参考リンク先

http://www.apple.com/downloads/macosx/unix_apps_utilities/
http://fink.sourceforge.net/
XDarwin覚え書き(Mac OS XでX Window Systemを使う)
(ここではバイナリパッケージによる X Window System のインストールの説明をされているが、私は基本的になんでもFinkを使用することをお奨めします)


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