小笠原への旅立ちの朝、出航は10時。
竹芝桟橋に8時過ぎに着いたが、すでに人が集まり始めていた。
船室は2等。伊豆諸島航路の東海汽船とは異なり、
小笠原海運・おがさわら丸では、2等でも寝る場所が確保されており、
毛布2枚と、枕がすでに置いてある。
寝る場所は指定されているが、船室は先着順。
早く受付を済ませ、早く並んだ者から、上のデッキの船室に入れる。
上ほどエンジン音が静かで、外光が見えるので気持ちはいい。
例年だと、船客は釣り人とダイバーばかりだが、今年はちょっと違った。
ボディボーダーと、♂♀ペアが多く目につく。
小笠原にボディボードができるほど、波のある海岸があるのか疑問だったが、
それ以上に、♂♀ペアがどういう目的で来ているのか、疑問だった。
聞いたところでは、昨今話題のホエールウォッチングと、ドルフィンスイムが目的らしい。
船が八丈島をだいぶ過ぎた頃から、揺れ始めた。黒潮を横切っている兆候である。
例年より、黒潮がだいぶ南下している気がする・・・。
28時間30分で到着予定が、2時間強、遅れた。夜間、海況が悪かったらしい。
父島は雨だった。午前中まで、暖かだったそうだが、
船到着時はかなり気温か下がったそうである。
気温17℃。例年22℃はあるので、5℃も低い。
今年の寒波は、小笠原にも影響しているのか?
もう辺りが薄暗くなってきているのに、予定通り「ははじま丸」が出航するらしい。
先方に着く頃は、もう真っ暗だろう。
お泊まりは例年通り、「民宿シートピア」。
ここのオーナーは、ダイビングガイドもするそうだが、水中写真ガイド専門である。
今回の小笠原の海の案内人も例年通り、
「パパスダイビングスタジオ」である。
今日もやっぱり雨だった。
まぁ、濡れに(潜りに)来ているのだから、関係ないのかもしれないが、
でも、お昼休みに日焼けができないのが、ちょっと寂しい。
気温:17℃ 水温:20℃
透明度は抜群であるが、晴れていないので、海中も色が悪い。
小笠原・・・と言ったら、ユウゼン。
ユウゼンの影を追い求めたが、たまに1〜2匹が泳いでいる程度。
「ユウゼン玉」なんて、夢のまた夢。
しかし、ユウゼンは人なつこくてかわいい。
中程度の伊勢エビが岩影に潜んでいた。
キンギョハナダイは、相変わらず優雅な泳ぎを披露していた。
やはり、写真で見ても、鮮やか海の色が出ていない。
気温:16℃ 水温:20℃
相変わらず、雨模様で、気温も下がってきた。
おかげで海の中は、小笠原らしい、鮮やかな色が出てこない。
今回は、マクロ専門か・・・。
やっと、つがいのユウゼンを発見。写真におさめた。
万作と言えば、ツバメウオだが、他の人がツバメウオに見とれている間に、
後ろをウメイロモドキの大群が通過。ほとんどの人が気づかなかったらしい。
写真には、ほとんど写らなかった。
夜、カウントダウンパーティが、例によってお祭り広場で開かれるが、
今年は、漁港で静かに新年を迎えた.
0時になったとたん、港内にいる船舶が一斉に汽笛を鳴らす。
ドラマ見ているようで、感動の一瞬だ。
港内には、おがさわら丸を始め、「きそ」、「きたかみ」が来ていた。
また、今回は天気こそ雨模様だったが、風がなかったため、
花火が打ち上げられた。 Happy New Year!! 1996
今日はいまにも雨が降り出しそうな曇りだった。
南国の太陽はどこ行った!
気温:16℃ 水温:21℃
兄島瀬戸の万作<|イントの対岸にある。長崎展望台の下にあるポイントである。
ユウゼンにタテキン・・・しかし、水中写真は全滅だった。
露光不足で、フィルムに何も写っていなかった。f5.6〜8で、露出優先オートだったので、
「何も写っていない」なんておかしい! 帰ったら、修理に出そう・・・。
小笠原のタテキンは、ケラマのタテキンとは違って、よく人見知りするようだ。
カメラを向けると一目散に逃げてしまう。
昼休みに、ちょっと太陽が見えた。
太陽が出てくると、さすが亜熱帯の小笠原、とても暖かい!
しかし、コレが最初で最後の日光浴になるとは、当時全く考えもしなかった。
・兄島/万作 気温:16℃ 水温:20℃
昨日の2本目と同じ、万作<|イント。
前回書き忘れたが、ここでは、ドリフトダイビングで潜る。
ドリフト≠ニは言っても、軽く流れがある程度で、
もし、「戻れ」と言われたら、戻れない流れではない。
しかし、ここは、こうして潜るのが決まりであるようだ。
2回目であるので、地形もだいたいわかるので、精神的に楽である。
エキジットポイントの近くで、例によってツバメウオに遭遇。
しかし、よく見てみると、ツバメウオに混ざって、テングダイやミギマキがいる。
昨日は、何を見ていたんだろう。
焼きたてのパンを売るホライゾン・ドリーム≠フ隣に、居酒屋が出来ていた。
ここの「カルビの串焼き」は美味。ダイビングの後、コレを食べながらのビールは最高!
ちなみに、ここのお姉さんは、きれいな人だった。
今日も雨が降り出しそうな曇りだった。
もう、すっかりあきらめモード。
・兄島/ひょうたん島南 気温:17℃ 水温:20℃
今回のツアーで初めて、ユウゼン玉≠ノ近い状態を1回だけ目撃。
後で聞いたところでは、バラ沈≠ニ言うポイントでは、恒常的にユウゼン玉が見れるらしい。
しかし、バラ沈のユウゼンは餌付けされてしまっているので、
ダイバーを見ただけで寄ってくるらしい。それも、問題。
岩影にイセエビを発見。よくよく見てみると、複数のイセエビが群れているようだ。
手前に来て威嚇したり、引っ込んだりを繰り返している。
イセエビを撮ろうと構えていたら、急に砂が舞ってきた。
振り返ると、別のダイバーがイセエビに近づこうとフィンをバタバタかいている。
砂が凄すぎて、写真が撮れそうもなくなってきたので、早々に諦めた。
・兄島/万作 気温:16℃ 水温:20℃
昨日、一昨日の2本目と同じ、万作<|イント。通算3回目である。
もう、地形がばっちり頭には言っているので、非常に楽であった。
根付いている魚達は、特記事項なし。
いつものところに、いつもの魚達が群れていた。
エキジットポイントへ向けて移動中、ガイドの田中インストラクターが、
急に止まって指を指して、騒いでいる。
指の方向をよく、目をこらして見ると、なんと青海亀=B初めての出会いであった。
カメラも向けてみたものの、軽く10mは離れており、写真は断念。
見えなくなるまで、その場でウットリしているだけだった。
エキジット後、一緒に潜っていた一人の持っていたNIKONOS-RSが水没していることが判明!
ボディの中はもちろん、レンズの中にまで水!
原因不明だったが、一瞬にして50万円が・・・
しかし、保険に入っているとのことで、丸損ではないと言うモノの、
スッゴイものを見てしまった!!
その夜。三日月山のウエザーステーションへ行ってみた。
2年前、きれいな展望台ができたと思ったら、
ウエザーステーション自体への立ち入りが禁止されていた。
昔からの、夕陽のポイントであり、少し残念。
昼、二見港発東京・竹芝桟橋行き「おがさわら丸」が出航するまで、
お昼ご飯を調達に出発!
丸丈の「島寿司」と、ホライズン・ドリームの焼きたてパンだ。
その後、ちょっと寄ったおみやげ物店「Qussy」は、おすすめだ。
Tシャツ、トレーナーをはじめ、オリジナル商品が、並んでいる。
そして、何と言っても凄いのが、木彫りのクジラや、イルカ。
今にも動き出しそうで、すばらしい出来である。
ただ、値段も「素晴らし」かったが・・・。
乗船後、すぐにデッキへ。
小笠原での恒例「見送り」を見るためだ。
今回も、父島の船が全部出てきたのではないかと思うほどだ。
このときの感動は、実際に味わっていただきたいほど、印象的だ。
また来たくなる。
なぜか最後の日になると、カラリと晴れてしまうのが世の常である。
デッキで、陽を浴びながら、島寿司をほおばる。
島寿司とは、醤油漬けにした鰆に、洋ガラシをさび代わりにつけて食べる寿司である。
食べてみると癖になる。
デッキでのんびりしていると、周りの人から歓声が!
あわてて海を見ると、クジラがブローしたところだった。
「きっと、すぐに2回目をやるぞ・・・」と思っていたら、
期待通りにまたブロー。
(2回ブローするのは、ザトウクジラの習性であるとのこと。)
しかも大きな尻尾まで、見せてくれた。大感激!!
そう言えば、宿のご主人は、昨夏、マッコウクジラを間近でウオッチングしたそうである。
写真で見せてもらったが、あんな大きなクジラが、人間のすぐ近くにまで来てくれる・・・
少しは、人間とクジラとの関係が、改善できたかな、と思った。
夜は、満天の星だった。
日本本土からはまず見れない、幸せを呼ぶ星「カノープス」も、
ウソ!と思うくらい、高いところに上がっている。
夜10時、消灯とのことで、船室に戻る。
このころから船が動揺を始める。いやな予感・・・
案の定、夜半から、船が大揺れ。寝ていても、体が勝手に動いてしまう。
しかも、上から2番目のデッキ(Bデッキ)だというのに、
窓に海水がドーン!と派手にぶつかる。
結局、昼過ぎまで、コレが続いた。もうげんなり・・・
しかし、東京湾に入ってからは、嘘のように静かになる。
でも、この天候のおかげで、到着が2.5時間遅れ。
その後は、走って浜松町に向かい、モノレールに乗車。
関空行き最終便にギリギリ間に合って搭乗。
しかし、こんな時に限って、飛行機が離陸滑走中にエンジントラブル。
再び離陸やり直しと言うことで、15分遅れ。
関空に着いてからもまたJR駅まで走る羽目に・・・。
大変なツアーでした。
おしまい・・・
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