私のダイビングレポート 小笠原編2 1995.12.31-1996.1.2



お待たせしました! 
ダイビングレポート in OGASAWARA(完成版)≠お届けします。







12月29日

小笠原への旅立ちの朝、出航は10時。
竹芝桟橋に8時過ぎに着いたが、すでに人が集まり始めていた。

船室は2等。伊豆諸島航路の東海汽船とは異なり、
小笠原海運・おがさわら丸では、2等でも寝る場所が確保されており、
毛布2枚と、枕がすでに置いてある。
寝る場所は指定されているが、船室は先着順。
早く受付を済ませ、早く並んだ者から、上のデッキの船室に入れる。
上ほどエンジン音が静かで、外光が見えるので気持ちはいい。

例年だと、船客は釣り人とダイバーばかりだが、今年はちょっと違った。
ボディボーダーと、♂♀ペアが多く目につく。
小笠原にボディボードができるほど、波のある海岸があるのか疑問だったが、
それ以上に、♂♀ペアがどういう目的で来ているのか、疑問だった。
聞いたところでは、昨今話題のホエールウォッチングと、ドルフィンスイムが目的らしい。

船が八丈島をだいぶ過ぎた頃から、揺れ始めた。黒潮を横切っている兆候である。
例年より、黒潮がだいぶ南下している気がする・・・。



12月30日

28時間30分で到着予定が、2時間強、遅れた。夜間、海況が悪かったらしい。
父島は雨だった。午前中まで、暖かだったそうだが、
船到着時はかなり気温か下がったそうである。
気温17℃。例年22℃はあるので、5℃も低い。
今年の寒波は、小笠原にも影響しているのか?

もう辺りが薄暗くなってきているのに、予定通り「ははじま丸」が出航するらしい。
先方に着く頃は、もう真っ暗だろう。

お泊まりは例年通り、「民宿シートピア」。
ここのオーナーは、ダイビングガイドもするそうだが、水中写真ガイド専門である。

今回の小笠原の海の案内人も例年通り、 「パパスダイビングスタジオ」である。


12月31日

今日もやっぱり雨だった。
まぁ、濡れに(潜りに)来ているのだから、関係ないのかもしれないが、
でも、お昼休みに日焼けができないのが、ちょっと寂しい。

・兄島/人丸

気温:17℃ 水温:20℃
透明度は抜群であるが、晴れていないので、海中も色が悪い。
小笠原・・・と言ったら、ユウゼン。
ユウゼンの影を追い求めたが、たまに1〜2匹が泳いでいる程度。
「ユウゼン玉」なんて、夢のまた夢。
しかし、ユウゼンは人なつこくてかわいい。
中程度の伊勢エビが岩影に潜んでいた。
キンギョハナダイは、相変わらず優雅な泳ぎを披露していた。
やはり、写真で見ても、鮮やか海の色が出ていない。

・兄島/万作

気温:16℃ 水温:20℃
相変わらず、雨模様で、気温も下がってきた。
おかげで海の中は、小笠原らしい、鮮やかな色が出てこない。
今回は、マクロ専門か・・・。
やっと、つがいのユウゼンを発見。写真におさめた。
万作と言えば、ツバメウオだが、他の人がツバメウオに見とれている間に、
後ろをウメイロモドキの大群が通過。ほとんどの人が気づかなかったらしい。
写真には、ほとんど写らなかった。

Happy New Year 1996 夜、カウントダウンパーティが、例によってお祭り広場で開かれるが、
今年は、漁港で静かに新年を迎えた.
0時になったとたん、港内にいる船舶が一斉に汽笛を鳴らす。
ドラマ見ているようで、感動の一瞬だ。
港内には、おがさわら丸を始め、「きそ」、「きたかみ」が来ていた。
また、今回は天気こそ雨模様だったが、風がなかったため、
花火が打ち上げられた。 Happy New Year!! 1996






1月1日

今日はいまにも雨が降り出しそうな曇りだった。
南国の太陽はどこ行った!


・父島/長崎

気温:16℃ 水温:21℃
兄島瀬戸の万作<|イントの対岸にある。長崎展望台の下にあるポイントである。
ユウゼンにタテキン・・・しかし、水中写真は全滅だった。
露光不足で、フィルムに何も写っていなかった。f5.6〜8で、露出優先オートだったので、
「何も写っていない」なんておかしい! 帰ったら、修理に出そう・・・。
小笠原のタテキンは、ケラマのタテキンとは違って、よく人見知りするようだ。
カメラを向けると一目散に逃げてしまう。

昼休みに、ちょっと太陽が見えた。
太陽が出てくると、さすが亜熱帯の小笠原、とても暖かい!
しかし、コレが最初で最後の日光浴になるとは、当時全く考えもしなかった。

・兄島/万作 気温:16℃ 水温:20℃
昨日の2本目と同じ、万作<|イント。
前回書き忘れたが、ここでは、ドリフトダイビングで潜る。
ドリフト≠ニは言っても、軽く流れがある程度で、
もし、「戻れ」と言われたら、戻れない流れではない。
しかし、ここは、こうして潜るのが決まりであるようだ。
2回目であるので、地形もだいたいわかるので、精神的に楽である。
エキジットポイントの近くで、例によってツバメウオに遭遇。
しかし、よく見てみると、ツバメウオに混ざって、テングダイやミギマキがいる。
昨日は、何を見ていたんだろう。

焼きたてのパンを売るホライゾン・ドリーム≠フ隣に、居酒屋が出来ていた。
ここの「カルビの串焼き」は美味。ダイビングの後、コレを食べながらのビールは最高!
ちなみに、ここのお姉さんは、きれいな人だった。


1月2日

今日も雨が降り出しそうな曇りだった。
もう、すっかりあきらめモード。

・兄島/ひょうたん島南 気温:17℃ 水温:20℃
今回のツアーで初めて、ユウゼン玉≠ノ近い状態を1回だけ目撃。
後で聞いたところでは、バラ沈≠ニ言うポイントでは、恒常的にユウゼン玉が見れるらしい。
しかし、バラ沈のユウゼンは餌付けされてしまっているので、
ダイバーを見ただけで寄ってくるらしい。それも、問題。
岩影にイセエビを発見。よくよく見てみると、複数のイセエビが群れているようだ。
手前に来て威嚇したり、引っ込んだりを繰り返している。
イセエビを撮ろうと構えていたら、急に砂が舞ってきた。
振り返ると、別のダイバーがイセエビに近づこうとフィンをバタバタかいている。
砂が凄すぎて、写真が撮れそうもなくなってきたので、早々に諦めた。

・兄島/万作 気温:16℃ 水温:20℃
昨日、一昨日の2本目と同じ、万作<|イント。通算3回目である。
もう、地形がばっちり頭には言っているので、非常に楽であった。
根付いている魚達は、特記事項なし。
いつものところに、いつもの魚達が群れていた。
エキジットポイントへ向けて移動中、ガイドの田中インストラクターが、
急に止まって指を指して、騒いでいる。
指の方向をよく、目をこらして見ると、なんと青海亀=B初めての出会いであった。
カメラも向けてみたものの、軽く10mは離れており、写真は断念。
見えなくなるまで、その場でウットリしているだけだった。

エキジット後、一緒に潜っていた一人の持っていたNIKONOS-RSが水没していることが判明!
ボディの中はもちろん、レンズの中にまで水!
原因不明だったが、一瞬にして50万円が・・・
しかし、保険に入っているとのことで、丸損ではないと言うモノの、
スッゴイものを見てしまった!!

その夜。三日月山のウエザーステーションへ行ってみた。
2年前、きれいな展望台ができたと思ったら、
ウエザーステーション自体への立ち入りが禁止されていた。
昔からの、夕陽のポイントであり、少し残念。


1月3日

昼、二見港発東京・竹芝桟橋行き「おがさわら丸」が出航するまで、
お昼ご飯を調達に出発!
丸丈の「島寿司」と、ホライズン・ドリームの焼きたてパンだ。
その後、ちょっと寄ったおみやげ物店「Qussy」は、おすすめだ。
Tシャツ、トレーナーをはじめ、オリジナル商品が、並んでいる。
そして、何と言っても凄いのが、木彫りのクジラや、イルカ。
今にも動き出しそうで、すばらしい出来である。
ただ、値段も「素晴らし」かったが・・・。




乗船後、すぐにデッキへ。
小笠原での恒例「見送り」を見るためだ。
今回も、父島の船が全部出てきたのではないかと思うほどだ。
このときの感動は、実際に味わっていただきたいほど、印象的だ。
また来たくなる。







なぜか最後の日になると、カラリと晴れてしまうのが世の常である。
デッキで、陽を浴びながら、島寿司をほおばる。
島寿司とは、醤油漬けにした鰆に、洋ガラシをさび代わりにつけて食べる寿司である。
食べてみると癖になる。

デッキでのんびりしていると、周りの人から歓声が!
あわてて海を見ると、クジラがブローしたところだった。
「きっと、すぐに2回目をやるぞ・・・」と思っていたら、
期待通りにまたブロー。
(2回ブローするのは、ザトウクジラの習性であるとのこと。)
しかも大きな尻尾まで、見せてくれた。大感激!!

そう言えば、宿のご主人は、昨夏、マッコウクジラを間近でウオッチングしたそうである。
写真で見せてもらったが、あんな大きなクジラが、人間のすぐ近くにまで来てくれる・・・
少しは、人間とクジラとの関係が、改善できたかな、と思った。

夜は、満天の星だった。
日本本土からはまず見れない、幸せを呼ぶ星「カノープス」も、
ウソ!と思うくらい、高いところに上がっている。
夜10時、消灯とのことで、船室に戻る。
このころから船が動揺を始める。いやな予感・・・

1月4日

案の定、夜半から、船が大揺れ。寝ていても、体が勝手に動いてしまう。
しかも、上から2番目のデッキ(Bデッキ)だというのに、
窓に海水がドーン!と派手にぶつかる。
結局、昼過ぎまで、コレが続いた。もうげんなり・・・

しかし、東京湾に入ってからは、嘘のように静かになる。
でも、この天候のおかげで、到着が2.5時間遅れ。
その後は、走って浜松町に向かい、モノレールに乗車。
関空行き最終便にギリギリ間に合って搭乗。
しかし、こんな時に限って、飛行機が離陸滑走中にエンジントラブル。
再び離陸やり直しと言うことで、15分遅れ。
関空に着いてからもまたJR駅まで走る羽目に・・・。

大変なツアーでした。

おしまい・・・


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1996.1.10 新規作成
1997.1.15 一部変更