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天間家三兄弟紹介...長介(長男8才)、次郎(次男6才)、三太(三男0才)...仮名

2000年2月20日(日)  うらみ・ます

いやなものを見た...恨みに満ちた子供の目。

金曜日の事である。長介の学校で学年発表会なるものがあって、要は1年間の学習の成果を父兄に披露するというものであるが、それに出掛けて行った。発表会の後は、長介の病院である。ダンナに学校まで迎えに来てもらうことになっていたので、長介と三太の三人で校門で待っていた。

下校する子供達が次々と通り過ぎてゆく。長介の友達は、三太を囲みあやしたりしている。そこに一人の男の子が泣きながら校門から出てきた。その泣き方が、痛くて泣いているとか不安で泣いているとかじゃなく、うらみ泣きなんである。上目遣いに何かをキッっと見据えながら、真っ赤な目をして泣いている。始めは、誰かにいじめられたのかと思った。その子は、歩道と車道を区切るコンクリートのブロックをまたぐように座り、黙って時々しゃくりあげるように泣き続ける。恨みの目で...。

そこへ、その子の友達が通りかかり、
「どうしたの?」
と声をかけた。2〜3人の子供達が泣いている子を取り囲む。しかし、その子は回りの子を無視して何かをにらみ続けている。と、そこへ泣いている子の母親がやってきた。
なにやってんの!早くしなさい!
そして、心配そうにしている子供達に向かって
「おかあさんに怒られて泣いてるのよ」
と言った。いじめていたのは母親だった。いや、いじめているつもりはないだろう。明るく快活な普通のお母さん。泣く子を前にしても薄ら笑いを浮かべている。怒った事にも自信があり、泣いている理由もちゃんとわかっている。たいしたことではないのよ。そんな表情。

しかし、子供の方は納得していない。絶対納得していない。何を怒られたかは知らないが、自分が悪いという自覚が少しでもあれば、あんな目はしない。悔しくて悔しくて悔しくて...そういう目だ。
何をグズグズしてんの!あんたはいっつもそうなんだから!早く来なさい!おいてくよ!
子供は母親の背中を見据えながら立ち上がる。そして、小石や木切れを拾っては母親に向かって投げつけ始めた。痛いものではない。母親は気付いてか気付かずか、それを無視して再び来た方へ戻って行った。私が見たのはそこまでだ。

ありふれた光景なのかもしれないが、私はあの子が心配だ。ちょっと異常な目だった。親子の関係がうまくいっているとは思えない。将来、あの小石がバットやナイフにならない保証はない。
しかし、今の段階でいったい誰があの親子の関係を修復してやれるのだろう。親にしてみれば大きなお世話である。「うちのやり方に口を出さないで」である。ちょっと問題なんじゃない?と思っても、誰も言わない。言えない。そして、何か事件が起こってからみんな言うのだ。
いつか、こういうことが起こるんじゃないかと思ってました

起こってからじゃ遅いのに...。


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