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天間家三兄弟紹介...長介(長男11才)、次郎(次男8才)、三太(三男2才)...仮名


2002年7月3日(水)  学校呼び出し事件

なんと1年9ヶ月ぶりの更新である。子供達も2才づつ年をとった。そして私も...(笑)。
その間、ご紹介したいような出来事はちゃんと起きていた。が、忙しさにかまけて更新もしないでいたのだが、
「これは是非、戯言に書かねば!」
という事件が起きた。

それは、先週の木曜日。
その日は、すべきことが区切り良く終わって、のんびりした気分にひたっていた午後の2時...電話が鳴った。教頭先生からだった。

「次郎君が友達と喧嘩しまして、相手のパンチが目のところに当たってしまいましてね。今、保健室で冷やしているんですが、場所が目なので、念のため病院へ連れていった方がいいと思うんですよ。本来なら養護が付き添うんですが、あいにく出張中で不在でして、それでお母さんの都合がつけばと思い、電話をさせていただきました。」

子供を病院へ連れていくのは親の仕事である。教頭先生は、なんか申し訳なさそうな口調であったが、私はすぐに学校へかけつけた。

次郎は、保健室の椅子に腰掛けていた。右の目に氷を包んだタオルを当てている。ひとしきり大泣きしたらしい。瞼とこめかみのところが青く腫れていて、3年生にしてはかなり強烈なパンチだったようだ。
教頭先生の話では、列に割り込んだとかどうとかで殴り合いになり相手のT君のパンチが次郎の目尻のあたりに当たってしまった。担任がたまたま離れていた時の事で、回りの子供達の話では、先に手を出したのは次郎ということだ。教頭先生が次郎に聞く。
「君も殴っちゃったのかな?」
「うん」
正直だ。担任の先生にも挨拶をした後、さっそく次郎を病院へ連れていくことにした。担任の先生はひどく恐縮していた。学校での事故は何かと大変である。校庭を次郎と二人並んで歩きながら、
なんか、ボクサーみたいでかっこいいね
と言うと、次郎がやっと少し笑った。

病院は、いつも長介が行く市民病院の外科。午後なので、救急外来である。待合室で待っていると、診察室の中から小児科のE先生とH2先生が出てきた。救急の場合は小児科も外科の診察室を使うんである。E先生が、
「おや、今日はどうしました」
と聞くので、
「友達と喧嘩して、こんなになっちゃいました」
と次郎の顔を見せると、E先生とH2先生はそろって笑い、
最近は、こういう子供も少なくなったね
とか話している。そして、E先生が次郎に、
「どうせ喧嘩するなら勝たなきゃだめだよ」
と言った。その後も顔なじみの看護婦さんに同じ事を説明すると、やっぱり笑う。
「で、勝ったの?」
「勝ったら、ここに来てません(笑)。」
子供の怪我って、深刻じゃないとわかっていると、笑えるものなのね。

しかし、診察した医者は真面目な顔で、まずは目の動きをチェックしている。説明では、目を打った場合にどこかに傷がついていると緊急手術が必要な場合があるそうだ。よく漫画で目の回りを青くしてるが、実はけっこう危険なことなんだな。でも、次郎の目の動きは大丈夫らしい。よかった。そして、その後レントゲンをとることになったのだが、医者が、
「じゃ、写真を撮ってきて下さい。」
と言うと、次郎が、
「写真撮るの?」
と色めきたつ。別に記念写真を撮るわけじゃあないのだよ(笑)。
レントゲンの結果も特に骨に異常はないようであった。とりあえずの心配はないらしい。しかし、頭を打った時は、時間がたってから異常が現れることがあるので、 しばらくは観察が必要ということであった。
とこの時、次郎の白目のところが出血していることに気が付いた。
「先生、この目の中の出血も、ほっておいて大丈夫ですか?」
と聞くと、一応出血の様子を見たあと、
「たぶん、大丈夫とは思いますが、僕は眼は診られないので、念のため眼科へ行って下さい
と言われてしまった。しかし、この病院には眼科はない。かかりつけの眼科もない。さぁ、どうしよう。

そこで、一度家に帰ってきて、インターネットで近所の眼科を検索する。いくつか出てきたが、どこがよいのかわからない。眼科って、コンタクトレンズ専門のようなところもあるから、そんなところには行きたくない。すると、電話が鳴った。担任の先生からで心配して電話をくださったのだった。外科では異常はなかったことを伝え、今度は眼科を探しているというと校医さんを2件紹介してくれた。両方、検索した中に載っている。住所を見て、行けそうな方に決めた。
この時、時刻は4時。もうすぐ長介が帰ってくる。こんな予定はなかったので、このまま出かけてしまうと長介は家に入れない。と同時に、何時に終わるかわからないので、念のため、三太の保育園に、お迎えが遅れるかもしれないと電話する。そこへ長介が帰ってきた。

眼科は思ったより大きくて、そこそこ混み合っていて流行っていそうな感じ。駐車場完備もありがたい。次郎は、その頃にはすっかり立ち直り、いつもの次郎になっていてうるさい。
初診なので、まずは視力検査に呼ばれた。若い看護婦さんの誘導で次郎だけが広そうな診察室の中へ入る。静かだった診察室の中から、次郎の声が聞こえてくる。何を言っているのかわからないが、どうせまた、わけのわからないことを思いつくままにしゃべっているのだろう。そのうち、若い女性数人の笑い声。次郎が看護婦さん達にウケているに違いない。次郎には、場をなごます不思議な力がある。と思っているのは親だけで、時に迷惑なヤツでもある。
視力検査が終わって、さらにしばらく待っていると今度は診察に呼ばれた。私も一緒である。眼科の診察台をご存知だろうか。あごを乗せるところがあって、双眼鏡のようなものを覗くのだが、安定するように、両サイドに自転車のハンドルのような握りバーがついている。次郎は、この台の前に来ると、おもむろにそのバーを握り、「ブルンブルン」とバイクにみたてて遊び始めた。担当の女医さんがそれを見てフフッと笑い、私は慌ててやめさせる。

事情を説明すると、まずは外科の時と同じように目の動きのチェック。ペンを差し出し、
「はい、顔を動かさないようにして、これを見てね」
と、次郎の目の前で左右上下に動かすのだが、次郎は顔も一緒に動かしてしまい検査にならない。何度か注意されてもできないので、ついに、
これはとっても大事な検査なんだから、ちゃんとやってね
と言われてしまった。目だけ動かすという意味がよく理解できなかったらしい。私に頭をおさえられてようやく検査終了。機械で眼の診察もして異常はないということであった。次に、出血があるので眼底の検査をすることになる。目薬をさして20分後に診察するのだが、この目薬がひと騒動だった。臆病者の次郎は、先生が目薬をさそうとすると怖がって暴れる。「痛くない」と言われてもだめで、目をつぶって事もあろうか先生の手を払いのけたりする。先生も、
君は何年生だ。
とあきれている。どうみても態度は3才児だ。ついに看護婦さんが呼ばれ、私も加わって3人がかりで押さえ付けようやく目薬を入れた。すると、次郎は今度は目があけられなくなり、待合室へ戻るのに抱きかかえるようにして連れていかなければならなかったのであった。
30分後、再び診察室へ呼ばれて行くと、さっきの女医さんが、
来たな、問題児
と迎えてくれた。喧嘩の打撲で受診して、あれだけ暴れれば立派な問題児だ(苦笑)。
眼底の検査は暗室で見るために、次郎と私の間に暗幕(カーテン)が引かれ、私には二人の声だけが聞こえる。この先生は年は50代半ばというところ、理知的な「できる女医さん」という感じで、話し方もキビキビしている。以後、二人の会話。

医「君は一人っ子?」(あまりの臆病ぶりに一人っ子と思ったか?)
次「違う。3人」
医「ふ〜ん。君は何番目?」
次「2番目」
医「上はお兄ちゃん?お姉ちゃん?」
次「お兄ちゃん」
医「下は?」
次「赤ちゃん」(もう、赤ちゃんじゃないぞ)
医「弟?妹?」
次「弟」
医「じゃ、男のばっかりの3兄弟だ」
次「すごい。よくわかるね。なんでわかったの?」(爆笑)
医「だって、お兄ちゃんと弟って言ったじゃないの」
次「.......」(悩むな)
医「いいなぁ、先生も男の子が3人欲しかったんだ。君のお母さんは幸せだね」(はい、幸せです)

そんなこんなで診察も終わり、カーテンが開いた。これも異常ないそうだ。白目の出血はだんだん広がって、10日くらいで消えるそうである。
帰りの車の中で、今回のことについて次郎といろいろ話した。

次「ああ、こんなことならあの時T君に順番譲ってやればよかった」
私「お疲れさん。大変だったね。殴られるとこんなに大変なんだから、次郎も、もう殴っちゃだめだよ。」

派手な青アザと白目の出血の割には、大事に至らなくてよかった。大怪我のない程度のこういう経験も子供時代には必要だろう。高校生になって同じ事をしてたら、それこそただでは済まないで新聞記事になったりするかもしれない。

子供も3人いると、いろんな事件が起こります。

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