森田博士の著書を読み、重要なところを抜粋し、私見を書きます
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投稿時間:09/02/01(Sun) 10:58
投稿者名:森田博士
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タイトル:懺悔が神経症を治す

懺悔とは何か
懺悔によって病気が治ることがある、フロイトの精神分析法でも懺悔でヒステリー
などが治る。その心理は詳しく言えばちょっとむずかしいけれども一口にいえば
懺悔とは罪の当然の報いを当然に甘受するという心構えである。すなわち自分の罪と
思うことを自主告白し、発表することによって、その罪を受け様とする態度であって
これによって罪を免れ、負債を逃れ、助けられようとするものではない。
苦痛も名誉も命も投げ出す捨て身の態度である。悔い改めるとは、罪の報いをうけて
懲りて将来を自ら戒めるという意味である。
・・・自分の財産を隠匿し、偽りの公表をしたならば、本人の自責の苦悩はもとより
けっして人から救いを受けることはできない、もし正しく懺悔したならば、その商人が
前に長い間、無い袖を振り、外見を張り、内のやりくりは火の車で、心の煩悩のやるせ
なかったものが、たちまち重荷をおろし赤裸々になって、身も心も軽々となるのである
罪を犯したものが懺悔して救われるというのはこの意味においてである。その罪の罰を
当然受ける覚悟でならなければいけない。

懺悔によって病気が治る
・・・強迫観念はもとより、その他種々の病症の形をもって現われる神経質は皆な
ほとんど純粋な精神的条件によって起こったものであるから、この懺悔によって
捨て身の態度となり、当然の罪を罪としてその罪を受け、苦痛を甘受けするという
態度によって、これを治すことができる。
・・・強迫観念の患者は、簡単ないわゆる神経衰弱症と違って、思想の矛盾のこんがら
がったものがあるから、なかなか容易に宗教を信じることはできない。しかし強迫観念
でも、もし懺悔をする事ができたならば、その苦悩から脱却する事ができるのである。

自ら罪を知らない
これらの患者は、罪を悔い懺悔しようにも、自ら自分の罪を知らない。自分が頭痛持ち
であるのも、生み方の悪い親の罪、赤面恐怖も人々の同情がないから位に、自我一点
張りで罪を周囲に嫁して、自分には少しも心にやましい所はないと信じている。
もしこの患者が精神修養によって、自分は大変な自我主義であり、人の苦痛は十年でも
我慢するが、自分のは少しの苦痛でも、家族、友人、周囲の人に同情を要求せねば気が
すまないとかいう自分の欠点を知ることができたならば、もちろん懺悔によって治る
のである。しかしこれを知るに至る修養は容易でないから、したがって他の方法を
とらなければならない。

神経衰弱と強迫観念の根治法  P143〜 懺悔はとは何かより


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- 神経衰弱と強迫観念の根治法 - 森田正馬 09/02/01(Sun) 10:50 No.14174

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