ビデオボード雑感

Canopus PWR128Pとマザーボードの相性

 最近ではすっかりお馴染みとなったRIVA128を積んだビデオカード、その中でもCanopusのPWR128Pは初期のカードの中でもチップの性能に加えて不具合故のドライバーの更新頻度とその出来具合い、RIVA系の中ではマシな画面の鮮明さで人気がありました(と私は思っている(^^;)。
 ただ良いことばかりではなく、問題点もあり、一番有名だったのはこのカードの仕様としてIRQを占有しようとするというのがありました(出来ない時はブラックアウトしたりする)。また初期のカードと一部(というよりも結構多数)のマザーボードとの相性も問題となり、私の持つGA-586STXでも幾つかの障害報告を各所で見かけました。
 これに対してCanopusはドライバーとROMのバージョンアップにより対応をはかり、私のGA-586STXでも問題なく動作しています。ROMのバージョンは起動画面ではなくボードを直接見てROM上に[1.51DK]のシールが貼ってあれば大丈夫のようです(ただし、このバージョン特有の問題とその対策がCanopusのホームページに記載されている)。
 過去の問題の話題などは各所に残されていますが、肝心のCanopusのページに昔掲載されていたこの辺の経緯が現在見当たらなくなっているので、中古を入手される場合はちょっと頭の片隅にでもおいといて下さい。

GraphicBlaster RivaTNT

 偶然日本橋で買ったのがこのRIVA TNTを積んだCREATIVEのビデオボードでした。前評判などで食指を動かされ、買うのは安くなってから&実物の評価を聞いてから、と思っていたのですが、いざ実物が16MBを搭載して3万を遥かに切る価格で出てくると速攻でレジに向かっていました(^_^;

 帰ってから箱に書いてあった「インテルチップセット以外での動作は保証しません」の記述にちょっぴり冷や汗を感じつつ、AX59Proにセットしてみると・・・あ、動いた(^^; あっさり動きました。付属のゲームForsakenもちゃんと遊べました。喉元過ぎれば何とやらで、無事ソフトが動くと過去の心配事なんてすっきりさっぱり忘れてしまった頃、思いもよらぬ障害が発生しました。それは「再起動する、あるいはBIOS設定画面から抜けようとするとビデオ信号が断絶し、数秒後にbeep音」というもので、普通に終了する分には問題なかったので発見が遅れました。

 ビデオの設定を見直すやらBIOSをシラミつぶしに調べるやらしたのですが症状は全く改善しませんでした。そんなある日、WebでBIOSの1.20が正式に公開されたのを知った私は駄目元でBIOSの書き替えを行いました。ふとBIOSの項目を眺めていた私の目に見慣れぬ言葉が飛び込んできました。「Init Video First : PCI」ん?ビデオならAGPやないか?と思い、その項目をAGPに変更。何気なしに「Save&Exit」した私は「しまったぁ〜またハングするぅ〜」と後悔しましたが、画面はそんな私を嘲笑うかのように何事もなく起動している様子を写しています。「あれ?」 不思議に思った私は起動したWin98を即座に再起動させてみました。結果は・・・OK!! 結局BIOSの書き換えでビデオボードとの相性問題が一掃されていました。

 とりあえずコントロールパネルでVsyncとメモリクロックの変更してベンチを測ってみました。

メモリクロック Vsync

HDBENCH ver 2.610

Final Reality
(OVERALL)

Text

Scroll

110

on

37074

11698

13075

146

2.94

110

off

35378

12013

13610

146

2.98

120

off

38300

12006

15182

169

2.98

129

off

45290

11873

15601

188

2.99

 FRの変化は微妙ですがHDBENCHの値では120あたりから上昇が見られました。矩に比べて円が奮わないのは浮動小数点演算の影響でしょうか?現在では120MHzで常用しています。

 なお冷却はTNTのヒートシンクはそのままで、小形のスロット用排気ファン2つを、一つはそのままGB TNTの下のスロットに、もう一つはバラしてファン部分をGB TNTボードのコネクタと反対側に取り付けています。つまりTNTを挟むように吹き付けと排気のファンをつけている感じです(下図参照)。

   |        TNT chip
   |−−−−−−−−=====−−−−−−−− ↓
   |  ↓ ← ← ‖‖‖‖‖← ← ← □□□□□ファン
  ←|□□□□□ファン

《追加:98/10/3》

 マザーボードのBIOS更新でRIVA TNTの問題が一掃されたと書きましたが事態はそんな単純なものではありませんでした(^_^; どうもBIOS更新の常でDefault Settingで立ち上げていたのが効いていたみたいで、TurboSettingにすると症状が再発しました(;_;) 何故か分かりませんがECCを切ると小康状態になるのですが、まだ完治していません。

《追加:98/10/8》

 どうもHDBENCHとかFRとかが性能差を反映していないようなので、IncomingとViper Racing DEMO2.0でFPSを計ってみました。参考に『マルチ』のデータも載せておきます。なおViperはEffect関係は全てon&hi、soundはoffの条件で統一しました。

Incoming

Viper Racing

『シャオリン』
K6-2-300+GraphicBlaster RIVA TNT

50.11*1

49.6*1
(1024x768)

49.60*2

50.6*2
(1024x768)

『マルチ』
MMX200+PowerWindowDX/4MC+Voodoo1

23.53

28.0
(640x480)


*1 memory clock=112, core clock=95 (default値)
*2 memory clock=120, core clock=105 (私の常用値)
Blaster TNT Clockでcoreクロックまで上げてみたんですが大差ありませんでした(^^; それにしてもTNTって凄まじいですね。高解像度でも鮮明さは失われないし。発熱さえクリアーできればとてもコストパフォーマンスがいいと思います。あ、でもIncomingって3DNow!対応だったっけ(^^;?道理で早い

《追加:98/10/10》

 ベイに温度監視機能付きのファンを入れて、GB TNTのチップ裏の温度を計ってみる・・・何と起動しているだけで60℃になってしまいました。ヒートシンクをチップファンに交換して様子を見てみたいと思います。

《追加:98/10/25》

 GB TNTの冷却方法を以下のように変更。

            ‖‖‖‖‖追加ヒートシンク
   |        ‖‖‖‖‖
   |−−−−−−−−=====−−−−−−−− 
   |  ↓ ← ← ‖‖‖‖‖ → →
  ←|□□□□□   □□□□□SANYO製チップクーラー
             ↑ ↑

defaultのヒートシンクを外す時はヒヤヒヤしたし、その瞬間の音ときたら心臓が止まるかと思いました(^^; とりあえず40度台でおさまっているようなのでよしとしよう。

ASUS AGP-V3200(8MB)

 メモリが8MBということで店頭価格も1万円前後と手軽でしたので思わず買っていました(^^; さて、その実力ですが、HDBENCHとFinalRealityの結果は“Project『来々!北斗七星』のXA-100Plusの導入”の方を見てもらうとして、ここでは上記のGB TNTとの比較&より体感的な比較をする意味でIncoming、Viper Racing、X demoのFPSを測定しました。測定はXA-100PlusにK6-2-300を載せて計りました。

K6-2 Clock

Incoming
LuxEtRobur V1.01

Viper Racing DEMO2.0
(800x600)

X demo
(640x480)

XPERT@WORK Bulk

125MHz x 3

18.21

21.9

-----

Terminater Beast Bulk 125MHz x 3*1

51.08

37.0

122.073

125MHz x 3*2

54.00

45.0

170.120

ASUS AGP-V3200

100MHz x 4

48.12

47.9

-----

125MHz x 3*1

49.72

46.7

72.480

125MHz x 3*2

50.17

51.2

153.025


*1 Vsync on
*2 Vsync off

GB TNTと比べても遜色のない結果です。価格は半値以下だし、Glideも対応しているとなればコストパフォーマンスは非常にいいでしょう。意外なのは比較の為にのせたSavage 3D搭載のTerminater Beast(4980円也(^^;)の健闘でしょうか。ただ数値的には良くても実際の画面ではかなりテクスチャの化けがありましたので、実用には今一歩というところですね。


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