釜田 博史


<小国町>

☆先進地視察におけるテーマ

・イベントについて
 ソフト事業について、主催者はどのような方か?利用者はどのような方か?官民はどんな関わりを持って運営しているのか?
 「イベント」を取り巻く一般的な問題をどのように解決しているのか学んでみたい。

☆テーマに対する答え

 小国町のイベントについて、小さなまちですが、多くのイベント、そして官民、それぞれまた一体型のイベントが行われています。町のイベントに対する予算は、約2000万円位らしいです。一万人のまちに、そんなたくさんのものがあってどうしているのか聞いたところ、少し変わったお話を聞けました。
 一つは、イベントは自分たちのためにする。つまり、自分たちが楽しければそれでよい。そこに来てくれたお客さんに対しては、家に来たお客のようにもてなすことが出来、「よく来たな」という気と、「おもてなしありがとう」という、人と人とのつながりが生まれるとのこと。
 二つ目は、福岡や熊本や別府からの客があるということ。大都市のコンサートと違う、来る道からの楽しみの高まり、そして、シチュエーションの素晴らしさなどもプラスに働いているそうです。また、出演者も泊まることが多いので、交流もできるそうです。
 三つ目は、ハード先行型イベントとでも言えるもの。そこに小国ドームがあるから、木魂館があるからということで、人が集まりイベントが出来ているそうです。

☆視察を終わっての感想その他

 色々な逆の発想があって、とっても好感の持てる「まち」でした。イベントがうまく運営されるために何が必要か、それはネットワークであったり、人の熱意であったりするわけですが、町にその町らしいハード施設を建てることで、そのハードを中心としたネットワークが出来ています。
 その「まち」にこだわった住民、そして文化に沿った「もの」、そして何よりも住民が望み、そして使用することが積極的に出来る「もの」も、そのことを核としてまちづくり、人づくりが出来る「もの」になれるようです。このまちを、人は行政主導型の町と思うかもしれませんが、完全な「町民主導、行政後押し型」のまちです。良いことを住民が行い、それが本当に良いことなら行政が後から押す、これで両者うまくいってるようです。今回、お世話いただいた、江藤木魂館館長がおっしゃっていました。「うちの町長の“町長”は、あだ名、ニックネームだ。」と。結局、小国町の町長も町民、そのことを中心に考え、行政をやりきっていることが、今の小国のまちの成功につながっていると思いました。

<山鹿市>

☆先進地視察におけるテーマ

・「ネットワーク」について
 3万人くらいのまちであるということは、五條市と同じで、1万人そこそこの長夜村に比べ小回りも利きにくく、10万人もいるまちより財政や根本的な人の数において、制限も多いでしょう。山鹿市のみなさんは、どのような方法を採り、近隣の方々やまた企業などの方々と、「ネットワーク」を組んでいるのかを学んでみたい。

☆テーマに対する答え

 ネットワークを組むということは、お互いに同じ目的や利益を持って行うとスムーズに行くようです。例えば、今は別の市町村ですが、広域な古墳群などは同じ一枚のパンフレットに収まっています。このように観光や古墳といった共通の切り口は、一つのネットワークを組むことになるようです。
 市民の中にも同じネットワークを組むための切り口がありました。それは、八千代座です。しかし、違うのは、人がそのネットワークの中心にいることです。見た目には、山鹿八千代座桟敷会が中心にいるようですが、実際はその八千代座を復興させた人々や、八千代座を使用することに(生かしていくことに)こだわっている人々、その人が中心にいるようです。

☆視察を終えての感想その他

 実際山鹿のまちは素敵なまちでした。でも、なぜそう思ったかと考えると、私たちを案内してくれた「城さん」のまちだからかもしれません。
 帰りのバスの中で、「城さん」はいい人だとか、あんな人はいないよ、とか、あんな形で出迎えて見知らぬ五條の住民を案内するなんてこと、出来ないな、なんて話していました。
 帰って数日たった今、少し考えが変わってきました。それは、「城さん」が私たちにしてくれたことに報いるなら、「城さん」みたいに五條のまちを知り、そして愛し、その上で、他からの人を暖かく迎えることの出来る人になろうと思いました。