中村 文


<小国町>

☆先進地視察におけるテーマ

・学校教育の中で、地域に根ざした教材をどう作り上げてきたか?
・生涯教育をどういう視点で捉え、どう実践に結びつけてきたか?
 (小国教育・独自のカリキュラム開発とは?子ども行政とは?)

☆テーマに対する答え

・学校教育の中では、「郷土探し、自分探し」という、地域の色んな人たちの話も織り込んだビデオを町独自で作り、教材として取り入れている。学校教育だけでは時間の制限もあるので出来ないが、例えば、下城地区では、大人も子供たちも一緒に、“町おこしをやるんだ”ということで、月に一回くらいは色んな小さなイベントをやって、自分たちの住んでいるところはどういうところであるかということを、自分たちで知っていくという活動を行っている。
・高校生に対しては、例えば地場の企業にはどういう企業があるかというような紹介も熱心に行っており、地域のリーダーたちが高校へ行って、まちづくりの話をすることもある。
・地域活動に興味のある教師たちが、“郷土を知る”という勉強会を開いたりして、教育活動に役立てている。
・土地利用計画というものを住民でやっている、これがすなわち生涯教育と考えている。色んな面で活躍する講師を招いて、小国の人たちと話をしてもらうとか、昔の縄製品のようなものを子供たちと一緒に作るとか、住民組織が地域の子供たちを育てる教育機関であったり、施策を提言する機関であったりする。

☆視察を終わっての感想その他

・小国を紹介し、案内してくださった木魂館館長の江藤さん自身が、非常な“とっぱす精神”の持ち主であり、ファイト溢れる方だと感じました。
・地域住民である自分たち自身が考案し、作り上げてきた町だけに、みんなが一体となって誇りと自信を持っていきいきと生きておられるなあ、と感じました。そんな大人の姿を見て育っている子供たちだからこそ、きっと小国発展のための次代の良き担い手になっていくだろうな、と思います。
・自分が小学校教諭であるという立場から、小国の教育現場にいらっしゃる先生方とも話の出来るチャンスがあればなあ・・・と、感じました。
・時間的余裕がなく、建物・施設等をゆっくり見学できなくて残念でした。

<山鹿市>

☆先進地視察におけるテーマ

八千代座復興を足がかりとして、今後どのような人づくりを進めていこうとしているのか?

☆テーマに対する答え

 桟敷会を中心としたまちの人々が考える幸せというのは、このまちで親子三代にわたって暮らしていけるということらしい。つまり、親子代々にわたって山鹿を守り、山鹿に骨を埋めるということである。
 したがって、山鹿市が求める「人づくり」というのは、親子三代が暮らせるまちを作ることを目指し、それを考えてくれる人々を育てることである。親子だけに留まらず、隣近所が力を合わせて暮らしていくという温もりのあるまち・地域を作ることが即ち人づくりということであり、そういう環境を作っていくことが即ちまちづくりにつながっていくのである。
 そのための実践としては、やはり、今現在は八千代座の活用を通してみんなの心を一つにしていくこと。そして、芝居等年長者が好むような内容のみならず、ロックやジャズ等若者たちが興味や関心を示すようなものを上演し、若者が入り込める状況を作っていくことである。
 そろそろ、世代交代を考えていく時期にさしかかっており、20代・30代の人々が桟敷会に入り込める雰囲気作りを心がけており、後継者問題というのが今抱えている課題である。

☆視察を終わっての感想その他

 とにかく、一番印象に残ったのが、城さんの穏やかで温かい人柄でした。それは、一つのことを成し遂げたという満足感と自信から来るものかもしれません。具体的でわかりやすい説明にも感謝しています。
 来年9月から約3年にわたっての八千代座全面改修ということで、今後の山鹿市の街並みの変化や人づくりに非常に興味がわいています。機会があったら、3年後の山鹿を、また訪れてみたいと思います。