桜本 茂員


<小国町>

☆先進地視察におけるテーマ

「町民プランニングシステム」「土地利用計画チーム」「おぐにみらい塾」「ヴィーナスの会」「北里育成舎」「西里ぼぶら塾」「杖立べっぴん会」等数多くのまちづくり団体の現状と棲み分けをどのようにしているか?「木造建築」ラッシュのその後と、五條でも大型木造建築は可能か?

☆テーマに対する答え

 各会について「おぐにみらい塾」は総合的なまちづくり団体として活躍していたが、住民の間には広がらず、解散してしまっていた。
 「土地利用計画チーム」は大手資本がまちにはいるとの話しがきっかけに、町内の各地区で土地利用計画が話し合われたもので、「2010年の土地利用」とすることで20〜40が主要メンバーの話し合いがもたれた。こんな若者の会合がきっかけになり、各地区事に、また、個別な目標を持った人がそれぞれにグループを作り活動を始めたそれが「TKO]「ヴィーナスの会」「JOC」「夢企画」などです。
「町民プランニングシステム」は行政(3人)住民(4人)により白紙から住民が企画に参画するもので、「木魂館」もこのシステムにより生まれ、民間人の手により運営されている。
 行政と老人のバックアップで若者が自由に活躍しているのがありありと見えるまちでした。
 小国町は小国杉を使い、大型建築物を特徴として内外からの人を受け入れているが、その徹底した木造へのこだわりが嬉しかった。ここでは従来の木造建築ではないトラス講法を使い設計者が木を上手に使っているのが良かった。その後の建築も設計者は変わっても最初のイメージを大切にしてまち全体が統一された感じの施設が多く、民間もそれに追随しているのが良い。
 小国杉という特殊な木材があったから出来た大型建築工法なので、五條でそのまま小国方式を取り入れることが出来ないことが解ったが、五條でも木材にこだわり研究をすることで地元の木材の特徴をうまく生かしていきたいと感じた。
 行政としても、公共事業で積極的に地元の木材を使い地場産業が木材であることを強調してほしい。確かに、費用の面でのデメリットもあるがそれ以上の地元への貢献があると思います。

☆視察を終わっての感想

 木魂館館長江藤さんの話しが心に残った。江藤さんのまちに対する思いがまちの中にあふれているという感じだった。
 まちと人の活力がうまくかみ合っていて、小さいはずのまちが大きく見えた。
 五條でも最初は公共施設から地元の木材使用を義務づけてほしい。

<山鹿市>

☆先進地視察におけるテーマ

山鹿市景観形成地域内の豊前街道沿道の伝統的建物保存と、街並みにあった建物に改修・改築する運動の現状。
「熊本県建築士会山鹿支部まちづくり景観研究部会」の活動は?
行政・建築関係者の関わりの重要性は? 

☆テーマに対する答え

 豊前街道の景観保存と改修・改築の運動はまだ始まったばかりで、八千代座の近辺の数軒の古い建物が資料館として、また商店として整備されてきていますが、まだまだ、軒を連ねるというところまではなっていない。ただ、整備されている家々は、昔の景観ではあるが、近代的な落ちつきがあるまちとなっていて好感が持てた。古い家はそんなに数多く残っていないが、景観を落ちついた雰囲気にする、またそれについて住民の理解が出来ていて、みんなが気をつけていること、無視したりすると、村八分になるとも聴き住民意識の高いまちだと思った。

☆視察を終わっての感想

 今回の視察の案内をしていただいた城さんの「まちで自慢出来る物は何ですか?」の問に「人です。私の回りにいる仲間です!」「山鹿に住んでいる人が好きになって来た。」という言葉が耳に残りました。
 私も五條の素晴らしい「人」を誇りにしていきたいと思います。