第3小委員会報告


(1997-5-6)

 別府、湯布院。どちらも入浴剤の名前になるほど有名な温泉地である。そのまちのイメージとして、「陽と陰」「動と静」「太陽と月」という感じを受けた。

 別府が、「旅の恥は掻き捨て」の言葉が多少でも当てはまるとすれば、由布院は、「人のぬくもりのある町、癒しの里」として掲げているように、文化人・芸術家等、個人の人たちに訪れてもらえるような演出をしているように思える。  この由布院というまちが、数名の温泉宿を営む方々によって作り上げられたということが、今回の先進地視察でわかった紛れもない事実であった。

 それらの方法として、多くの文化人、芸術家等に訪れてもらい、できる限りの心のこもったもてなしをすることで、再度この地に足を運んでもらうというリピーターを増やそうとすることであった。  彼らの宣伝効果というのが絶大なもので、今日、年間360万人を超す観光客が訪れるということになったのである。  まちづくりということで見ると、観光業を営む人たちにとっては大成功だといえるが、そこに住んでいる町民全体から考えると、どうなのか疑問が残る。

 また、「静・陰・月」というイメージを売り物にしている彼らにとって厄介なのが、この町に観光客目当ての様々な分野の商売人たちが入ってきていることである。彼らが入ってきたことによって、この先、このまちのイメージ、今までのまちづくりがどのように変わっていくのか、その真価を問われるには、まだ年月が必要となるだろう。